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6.永遠の謎

6−1.魔物

道は1本道になります。
杖を持ち、丸いめがねをし、ローブを着た老人が道を塞いでます。
「186.“選ぶ指”ラウナク=ロウ」という名の魔族です。

老人は、真珠貝のありかを教えてくれた老人と同一人物です。

老人はそれまでの道程について聞きます。何と答えても

「ほほお。それはそれは」

としか言いません。
老人は誰が真珠貝を開いたのかを尋ねます。開いた人物(PC)がそうだと言うと、

『ほほお、それはそれは。ならばお前のせいで町は滅んだのだな。』

と言います。この「PCのせいで町が滅んだ」という点はしつこく強調してください(笑)。PCを怒らせるためです。

その後、老人はPCが自分の「会いたい人」に会えたか尋ねます。
そして、会いたい人のことを忘れたくないのであれば引き返すように言います。

それでもどうしても先に進もうとするのであれば、

『ほほお、それならば』

と言って、老人はそのおぞましい正体を現します。
突然、老人の両脇から巨大な手が現れ、PCを捕らえます。逃れるには「体力」「運動」のどちらかの判定で50必要です(そう、ルールに書いてあります(w))。

そして老人のローブの中に広がる素晴らしい世界(→ここ。ええ、素晴らしい世界ですとも(笑))に引きずり込もうとします。
抵抗すると、

『何、気に入らないのか?
 仕方ないのう。ならば『永遠の謎』を解きたまえ。
 解けたならばこの先に行くことを許そう。
 さもなければこの素晴らしい世界の住人になりたまえ。』

と言い、『永遠の謎』が出題されます。

6−2.永遠の謎

「それは永遠の謎だ。」

「それは夜空の星の数を数えることに等しい。」
「それは海の水の量をスプーンですくって測ることに等しい。」
「それは砂浜の砂の数を数えることに等しい。」

「永遠の謎だ」

「それは天よりも高い」
「それは海の底よりも深い」
「それはこの世界よりも大きい」
「すべてのものには限りがあるが、それには限りはない」

「“それ”とはなんだ?」

緊張感を出すために時間制限、回数制限など設けると良いでしょう。

6−3.夢

PLがヒントが欲しいと言ったら以下の夢を演出します。自力で解けなかった罰ゲームとして?、PLに夢の登場人物を演じてもらってください。恥ずかしいこと請け合いです(笑)。

<台本(プレイヤー向け)>
 1.情景描写
 2.女性が男性に質問をひとつする
 3.男性が女性に答えを答える
 4.情景描写
 5.女性が男性に質問をひとつする
 6.男性が女性に答えを答える
 7.情景描写
 8.女性が男性に質問をひとつする
 9.男性が女性に答えを答える

<台本(マスター向け)>
 1.恋人同士が一緒にいる情景描写
 2.女性が男性に“自分のことを愛しているかどうか”をたずねる
 3.男性が女性に答えを答える
 4.恋人同士が一緒にいる情景描写
 5.女性が男性に“自分のことをどれくらい愛しているか”をたずねる
 6.男性が女性に答えを答える
 7.恋人同士が一緒にいる情景描写
 8.女性が男性に自分にキスするように言う
 9.男性が女性に応える

「夢」の模範的な例

 苦労と困惑に満ちたこの日も終わり、今はもう夜になろうとしている。夜は平安と静寂の時であり、安らぎと静穏の時でなくてはならない。昼間の煩わしい思いを追い払い、疲れた心を休め、かき乱された魂を和らげるために、われわれは慰めとなる物語を欲している。
 ならばどのような物語を聞こうか。そうだ、お馴染みの話がいい。とてもとても古く、それでいて非常に新しい。昔からよくある。
 愛の物語。

 二人の恋人たちが、公園のベンチに腰掛けていた。互いの身体を触れ合わせ、月の光のなかで、手を握り締めながら。
 二人は黙ったままだった。互いの愛が非常に深いので、それを言い表す言葉など必要なかった。それで、黙って公園のベンチに座っていたのだった。互いの身体を触れ合わせ、月の光のなかで、手を握り締めながら。

 ようやく彼女が口を開いた。

「私のこと愛してる、ジョン?」

と彼女が聞く。

「言葉では言えないくらい愛しているよ。君は僕の人生の光だ。君は太陽で、月で、星なんだ。君は僕のすべてだ。君なしには、存在する理由なんかないくらいだ。」

と彼は答える。

 再び沈黙が訪れた。二人の恋人たちは、公園のベンチに腰掛けていた。互いの身体を触れ合わせ、月の光のなかで、手を握り締めながら。

 もう一度彼女が尋ねた。

「どのくらい私を愛しているの。」

彼は答えた。

「どのくらい愛してるかって。星の空を数えてごらん。海の水をティースプーンで計ってみてもいい。それとも浜辺の砂粒を数えるかい。できっこないって君は言うだろう。そうさ、ちょうどそれとおんなじように、どのくらい君を愛しているか、僕には言うことなんてできないんだよ。」
「君に対する僕の愛は、天国よりも高く、黄泉の国より深く、地球より広い。限りなど無く、境界もない。物事にはすべて終わりがあるものだが、それは僕の君に対する愛を除いてだ。」

 さらに沈黙が流れた。二人の恋人たちは、公園のベンチに腰掛けていた。互いの身体を触れ合わせ、月の光のなかで、手を握り締めながら。
 さらにもう一度、彼女の声が聞こえた。

「キスして。ジョン。」

彼は身体を傾けると、唇を彼女の唇に激しく押し付けて、燃えるような接吻をした…

(「浜辺のアインシュタイン」柿沼敏江訳より引用)

答えは「愛」です。

正解を答えると魔物はあっさり消え失せます。
答えられなかったらさよーなら(w。