〜夢さえも死をもたらす。狂気こそ究極の平和のあかし。〜
3−8−1.崩壊
地響きが起こる。
壁に亀裂が走る。
地の底から途方もなく巨大な存在が現れ、町を喰らいつくしてゆく。
その魔物に呼ばれて、空の彗星からも12の魔物が降りてくる。
どこからか火の手が上がり、町は燃えてゆく。
あなたの知っている人も知らない人も、
老いも若きも、
男も女も、
みんな死んでゆく。
3−8−2.死
3−8−2−1.老人
老人が倒れている。虫の息だ。
「・・・・・・わしの・・・・・・息子は・・・・・・?探してくれ・・・・・・」
「楽園を・・・・・・探すのじゃ・・・・・・それが唯一・・・・・・助かる道。」
「道は・・・・・・あそこに」
老人は指さす。
そのまま息を引き取る。
その指の先には森が、
そして、
ひときわ大きな一本の樹が、
炎に赤く照らされて見える。
3−8−2−2.子供
子供を見つける。
それは幼い頃のあなた自身とそっくりな顔をしている。
腕が1本なくなっている。
血は流れていない。
そいつは人間ではない。
そいつは人形なのだ。
しかしまだ生きている(ように見える)。
「そいつに命を与えたのは俺だ。」
シェイドが言う。
「そいつはお前自身だ。
そして、今、死にかかっている。」
3−8−3.影
黒い人影が踊っている。
シェイドだ。
手の上に大きな丸いものを持って、
狂ったように踊っている。
それはユーナの首だ。
ボールのように手で弄んでいる。
「こいつは彼女じゃなかった。
彼女がこんな顔をしているはずがない。
だからこの唇を使って、
このかかとと、
膝と、
腰と、
胸と、
腕と、
首と、
耳と、
瞳を使って、
本当の彼女を甦らせなくてはならない。」
3−8−4.大樹
森には避難した人々が大勢いる。
その奥に、1本の大きな樹が生えている。
3−8−5.滅び
このまま町と共に滅ぶのもいいかも知れない(?)。