2−2.ネロ


「選べ」


1.依頼

 翌朝、PCらはエルザに神殿に呼ばれる。そこでエルザはこう言う。

「勇者たちよ、あなた方にお願いしたいことがあ ります。
 私たちは極めて珍しい半妖精の6人姉妹なのです。
 ところが先日、このカストーラから遥か西に行ったところに在る半円形の石造りの建物に住む、"ネロ"という邪悪な魔物の手の者に妹のメーヴィスがさらわれてしまったのです。
 お願いというのは、ほかでもないあなた方にその邪悪な魔物であるネロを倒し、妹のメーヴィスを助け出して欲しいということなのです。
 どうかこの依頼を受けてはいただけませんか。」

 ここでPCらが、最初のアシャという人物を探すという依頼や、どうやったら元の世界に帰れるかなどについて彼女らに聞いてもこれといった答えは得られない。

「世界というのはこことここにつながる全ての場所のことです。」
「カストーラとは世界のここにある場所です。」
「神の導きがあればいずれ帰ることができるでし ょうし、またいずれその人物を探し出すことができるでしょう。」

 ・・・・・・などなど、適当な言葉ではぐらかされる。最終的にはやんわりと依頼を受けるよう強制されることになるかもしれない。何か見返りが欲しければ、適当に金貨数枚〜数十枚相当の宝石をくれることを約束してくれる。
 依頼を受けるとその目的の場所までの案内人を紹介される。シルヴィオスという名の妖精族(?)の剣士で、銀髪、銀目で背中にとても長い刀を背負っている。もし、最初のアシャという人物を探す依頼で彼の容貌に関して覚えていれば、シルヴィオスがまさにそれにそっくりなことがわかる。
 彼にそのことを尋ねるとこう答える。

「どうしてその名前を知ってる?
 はっ!あのくそじじいに頼まれたって?
 いい加減にしてくれ!
 俺はあんな奴とそもそも血のつながりなんてものはないし、息子でも何でもない。
 奴の方で勝手にアシャって俺のことを呼んで自分の息子だと思い込んでただけさ。
 はっきり言ってこっちにとってはいい迷惑だったぜ。
 俺は自分で来たいと思ったから勝手にここまで来ただけだ。
 何でそんな奴のためにわざわざあそこに戻らなくちゃならないんだ?」

 そして、エルザからPCらが依頼を受けたことを聞くとこう言う。

「(眉をしかめつつ)本当にこんな奴らにそんな大事なことを頼んでもいいのか?
 俺はどうなったって知らんぜ。
 まあ、あんたがいいって言うんならあとは俺の知ったことじゃないがな。」

 ・・・・・・彼はこういうキャクラクターである。基本的に面倒なことは絶対に他人にやらせる。能力値だけを見れば極めて有能である。はっきり言ってやな奴と思われることであろう。
 だが冷静に見れば彼は決して他人に迷惑をかけるようなことはしないことがわかる。ただ、一緒にいてもいっさいの干渉もしてこないが。


☆シルヴィオス
(剣・白銀)
種族:妖精? 性別:男 夢見:?
体力:19 運動:23 感覚:49 霊感:49
愛敬:5 美麗:25 威厳:10 畏怖:10(40)
HP:21/34/34
幸運:いつも
不運:いつも
感情:
喜び (100)50
慈しみ なし
悲しみ (100)50
やるせなさ (100)50
怒り (100)50
愛しさ (100)50
憎しみ (100)50
恐れ (100)50
哀れみ なし
無名の感情 (100)50
技能・機能:〈格闘戦命中〉10
武術・魔術:《龍戦拳》《感覚戦闘》
信仰:なし
魔法:いろいろ
備考:
《感覚戦闘》(霊感、無名の感情1D6/ 1攻撃)は、1ラウンド置きにしか攻撃できない。刀身を「霊感」m/ラウンドのばして攻撃もできる。
謎の超絶美形、青年剣士。銀髪、白肌、銀眼。ひねくれ者。
本当は、剣の精励(彼自身の)。
攻撃:
2D6(出目)
2〜3 その辺の関係ないものがまっぷたつに。
4〜5 持ち物がまっぷたつ。
6〜8 着ている物、頭髪、角などがまっぷたつ。
9〜10 1D20打撃(防御無視)。
 11  生命値に1D10打撃。
 12  空間自体が切れ、裂け目に吸い込まれる。


2.旅

 旅では、シルヴィオスは途中何物にも目もくれず、ひたすら先へと旅を急ぐ。さらに夜は地面に半径5mの円を描き「この中に入った奴は殺す。」と言って、ひとり、さっさと寝てしまう。生活に必要なことなどは全て自分で勝手にやるが、PCらに手を貸そうなどというそぶりは一切見せない。
 さて、出発してから1日かけてようやく"世界樹"の覆いかぶさった地域を出て空が見えるところに着く。その先には砂漠が続いている。

 砂漠を渡るには3日ほどかかる。砂漠では1度以上大きな竜巻に遭遇する可能性がある。また、夜、西の彼方を見ると、「霊感」のRR20以上を出せば地平線が赤く光っているのを見ることができる。

 砂漠の次は、魔法の炎の花畑が延々と続いている。これを3日間かけて渡ることになる。ここでシルヴィオスは皮肉な笑みを浮かべつつこう言う。

「この花畑の炎はちょっとでも気をゆるめると燃え移ってきてしまう。
 だからこれから3日間不眠不休で一気に渡りきってしまわなくてはならない。
 腰抜けはさっさと引き返すことだな。」

 花畑を渡る者は1日に1回「霊感」の一般RRを行わなくてはならない。その目標値は1日目が20、2日目が25、3日目が30と、だんだん上がっていく。失敗した場合には炎にやられて3D6のダメージを受ける(魔法・魔法の防具以外無効)。成功しても疲労で1D6のダメージを受ける。休憩も睡眠もいっさいないので、魔法以外でHPを回復させる方法はない。唯一"風妖"だけは寝て休むことができる。

 花畑を抜けると、今度は、白い骨のような幹をした木の森の地帯を抜けることになる。「霊感」のRR20以上を出せば、その木を核としてぼんやりと光る触手が生えていて、それが何か人のような形をした緑色の影を幾つも捕まえているのを見ることができる。そしてPCらが木に近付くとその触手がPCらを捕らえようとする。その動きは鈍いものだが、捕らえられると1D6のHPを奪い取られてしまう。
 その奇怪な森を進んでゆくと、PCらはそこで奇妙な人影に出会う。豹の顔をした男である。彼は片手に何かの骨を持っていて、それを放り投げたりしながらPCらの方に近付いてくる。彼は実はネロの配下の一人である。が、極端に腰が低く、PCらの中で「威厳」のRRで最も高い値を出した者の部下にすぐなりたがる。

「おお!お、俺を、あ、あんたの弟子にしてくれ!」

 PCらがネロの所に行きたいと言えば懇切丁寧に解説しながらそこまで案内してくれる。ただ、彼はとても頭がよくないので大したことは何も知らないが。
 そしてPCらは豹男に案内されて半円形の石造りの巨大な建築物、ダウロスの劇場にたどり着く。


☆豹男
(赤・混・犬・車輪)
体力:17 運動:16 感覚:13 霊感:8
愛敬:10 美麗:6 威厳:2 畏怖:8
HP:17/15/13  防御力:1
攻撃:1D6
感情波動
1〜3 悲しみ (1D6)
4〜6 恐れ (1D6)
モラル E
備考:横歩きをする。いつも骨をしゃぶっている。 軽い。はっきり言って頭はよくない。


3.ダウロスの劇場

 実はこの建物の周囲にはかつてかなり大きな町があったのだが、現在ではこの劇場と地下墓地(カタコンベ)以外何も残っていない。劇場と地下墓地はつながっており、毎日地下から現れた亡霊たちがここで劇を上演している。観客も大勢いるが、それも全て亡霊ばかりである。
 PCらがここに到着するのは夜で、その日も何か劇をやっている。その日やっているのは「人魚姫」。話の内容はおおよそわかっているものとして省略するが、その劇を一通り見たら「霊感」の一般RRを行う。20以上が出れば以下のことに気が付く(気になる。)。

・人魚姫が6人姉妹であること。
・人魚姫が"足"を得るために魔女に会いに行く 途中、竜巻の地帯、溶岩の地帯、ヒドラのあやしい森の地帯を抜けたというのが、PCらのここまでの旅と何となく似ていること。
・主人公である人魚姫がたぐいまれなる"美声" の持ち主で、"足"と引き換えにその"声"を魔女にあげてしまったこと。

 ・・・・・・劇が終わると亡霊たちは辺りに散って、姿を消す。豹男に先を促すと、ダウロスの劇場の舞台裏の奥の部屋から地下墓地に入ることができ、さらにその先にネロがいるということを教えてくれる。

 言われたとおりに行くと、まず舞台裏の大きな部屋に大グモが巣を張って待ちかまえている。一応戦闘だがキャラクターの強さから言ってあっという間に倒せるであろう。

 次に奥の部屋には「カゼ」と呼ばれる姿の見えない魔物がいる。こちらはなかなか強いが、まあ1匹だけなので、やはり難なく倒せるであろう。

 かくして奥の部屋で地下への入口を発見し、地下墓地(カタコンベ)に潜入することになる。


☆大グモ
(赤・混・五芒星(逆)・車輪)
体力:18 運動:10 感覚:8 霊感:6
交渉修正:
愛敬:− 美麗:− 威厳:− 畏怖:−10
HP:14/13/12 防御力:3
攻撃:
(2D6)
2〜3 大グモは奇妙な踊りを踊った。
4〜7
  大グモは糸を吐いた。難易度25で「体力」 の一般RRに成功するまで運動値が半減(端数切り上げ)となる。 ※糸による攻撃が重なった場合、脱出の ための一般RRの難易度は3ずつ上昇する。
8〜12 毒牙。2D6打撃。難易度23で「体力」 の一般RRに失敗するとさらに10打撃。もしくは負傷値が半減(端数切り上げ)となる。
感情波動
1〜2 喜び(2D6)
3〜4 恐れ(1D6)
5〜6 無名の感情(1D3)
モラル B
備考:闘技場にいる。

☆カゼ
(本名はタルウィ。紫・混・五芒星(逆))
種族:幽魔族 性別:男? 夢見:?
体力:9 運動:30 感覚:20 霊感:15
交渉修正
愛敬:− 美麗:− 威厳:− 畏怖:−10
HP:20/15/12 防御力:0
攻撃:
(2D6)
2〜3 ゲラゲラと笑い声をあげる。
4〜9 かまいたち。2D6打撃。
10〜12 突然小さな竜巻が出現し、空中に巻き上 げられる。落下の衝撃で3D6*打撃。
感情波動
1〜2 怒り(2D6)
3〜4 恐れ(1D10)
5〜6 無名の感情(1D6)
モラル C
備考:攻撃は魔法しか効果がない。あらゆる武器 は最低ダメージのみ。 疾風の精。砂嵐の精。ゲラゲラ笑う。いちばん有能な部下。サディスティックな性格。


4.地下墓地(カタコンベ)

 地下墓地はかなり広いが、豹男の案内があれば難なく通り抜けることができる。以下に主要地点及びその説明を書く。


【1】かつての町の貴族の墓

 大きな棺桶が3つ置いてある。中に入ると3体の「143.亡霊(ウェイト)」が出現し、侵入者に攻撃を仕掛けてくる。おそらく魔法の武器を持っていないパーティーはたいへん苦戦することになるが、別にこの部屋を通らなくても豹男に聞けばまわり道を知っている。


☆亡霊
体力:18 運動:16 感覚:7 霊感:20
HP:17/13/19 防御力:9
攻撃:
(2D6)
2〜3 生命力吸引(格闘戦)。8打撃。難易度 20の「霊感」RRに失敗すると、さらに以後1D6ターン間、「運動」半減(端数切り上げ)。
 4  憂鬱な囁き(精神戦)、「やるせなさ」 +2D6
5〜6 生命力吸引(同上)
 7  武器使用(格闘戦or白兵戦)、3D6※(長剣)
8〜9 憂鬱な囁き(同上)
10〜11 武器使用(同上)
  12 降伏を勧告する。
特殊能力:嫌日性 〈交渉修正〉
愛嬌:-15/美麗:-12/威厳:-12/畏怖:-10
〈死亡の際の感情波動〉
不定(2D10)
登場数 不定
生息地 不定
遭遇頻度 不定:20(神秘学25)
備考:ウェイト。亡霊の攻撃に対しては魔法・魔法の防具以外の一切の防御力は無効である。また、通常の武器・魔法では彼らに被害を及ぼすことはできず、破魔の魔法・破魔の武器・銀の武器で攻撃するしかない。


【2】牢屋

 エルザの妹の一人、メーヴィスが捕らえられている。彼女は一見何か思い悩んで沈んでいるだけに見えるが、実は半分精神が狂っていて機会があれば死のうとする。
 最初、彼女は暗闇の中でじっとしている。そしてPCのうちの誰かが近付くと、さっと側に駆け寄って彼(彼女)の武器を奪い取り、自分の胸に突き立てようとする。武器を構えていた場合にはその武器に自分の身を突き刺そうとする。彼女が死のうとするのを阻止した場合にはまた無気力な状態になって沈み込んでしまう。
 彼女を「霊感」で観た場合には「金・黒・混じり合う全ての色・鎖・木の枝・竪琴」のイメージが見える。


☆メーヴィス
(剣・紫・鏡)
種族:半妖精? 性別:女 夢見:90%
クステ:鷲 地縁:海 霊縁:風
体力:9 運動:7 感覚:14 霊感:21
愛敬:5 美麗:13 威厳:2 畏怖:4
HP:10/13/14
幸運:空中
不運:地中
喜び なし
慈しみ (90)50
悲しみ (80)50
やるせなさ ( )25(激情)
怒り なし
愛しさ (15) 5
憎しみ なし
恐れ (20) 5
哀れみ (30) 5
無名の感情 (70)70
備考:美人。白肌、紫髪、紫眼。エルザの妹?


【3】実験室

 何か生体実験のようなものをしていたらしく、手術台や、得体の知れない生き物の臓器の標本などがある。「霊感」のRRで高い値を出した者は「金・混・木の枝」などのイメージを観ることができる。また、よく調べて「医術・薬学」と「霊感」による一般RRで30以上を出せば、臓器の標本は極めて優れた技術を持った者によって作られ、ほとんどあらゆる種類の臓器が揃っているのがわかるが、どういうわけか「心臓」の標本だけがひとつもないことに気が付く。


5.書斎にて

 それは、地下墓地の深奥にある。中はいわゆる書斎で、たくさんの蔵書が本棚に並んでいる。大きな机があり、きちんとした服を着て眼鏡をかけた山羊頭の男(?)が蝋燭の明かりのもとで何か書き物をしている。
 PCらが部屋の扉を開くと、それに気付いてペンを置き、こう言う。

「おお、久方ぶりの生きた客か。待ちかねていたぞ。豹男よご苦労。おまえにしては上出来だ。さあ、客人よ、その椅子に腰をかけなさい。
 あなた方は文化的な話というものには興味を感じられますかな? ああ、そうそうその前にお茶でも飲まないか?何とかいう島国から取り寄せたもので、ちょっとした香りを出すために柑橘類などをいれたりしたものなんだが・・・・・・。」

 そして放っておくとPCらにお茶(任意の感情を2D3減らす)を振る舞い、演説を始める。

「永遠の命というものは素晴らしいものだとは思 わないかね?何よりも基本的に己の自我を失う必要がなくなり、多少の忘却には甘んじなければならないが後々まで多くの知識を"記憶"として残し続けて行くことができる。忘却による弊害は、今、わたしがしているように延々と記録を残し続けて行けば補うことができる。メディートによる死と転生のシステムは"知"の真の尊さを知らぬ馬鹿な連中にとってはいいかもしれないが、わたしのような"知"の求道者にとってははっきり言って最悪だ。」

「妖精族というのはくだらん連中だ。奴らは物事を用いるということを知らない。"何も裁かないことで全てを公平に裁く"という言葉を妖精族の中でも賢者と呼ばれる者が言ったことがあるそうだが、そんなものは奴らのナルシスティックな自己満足に過ぎない。何者も完全な傍観者にはなれない。それでも傍観者に徹しようという奴らは動くことができる分だけそこらに転がっている石よりも始末が悪い。」

「感情というのは"傾斜"だ。物事に変容をもたらす原動力だ。理性を越える感情の力というのは驚嘆に値するものだとは思わないかね。」

「わたしは知識の求道者だ。そしてそれを用いる者を求めている。"奴ら"が欲したからそれをわたしは教えた。ただそれだけだ。しかし"それ"は、奴らが有能であったということであろう、すでにかなりの部分達成されようとしている。」

「霊感」のRR30以上を出せば、メーヴィスから見えた「黒・金・混・鎖・木の枝・竪琴」の竪琴の弦が彼女とネロを結び付けているのを観ることができます。

メーヴィスについて聞くとネロはこう答える。

「生命とは何か?・・・・・・それは"心臓"というも ので象徴することができる。"それ"に生命の本質的なものを託すことで、それと肉体とを分離し、疑似的な意味での永遠の肉体を得ることができる。あとはいかにその"心臓"を生かし続けることができるかだ。そしてその問題に対する最も良い解決方法のひとつは、それを生体の中に移植することだ。つまり・・・・・・そういうことだ。わかるかね?(笑み)」

ネロの演説を聞いた後でも前でも、戦闘が始まった場合彼はこう言う。

「私を殺そうというのかね?無駄なことを。」


☆ネロ
(混・ランプ・五芒星(逆))
種族:? 性別:男? 夢見:?
クステ:? 地縁:? 霊縁:?
体力:8 運動:10 感覚:25 霊感:25
愛敬:10 美麗:8 威厳:20 畏怖:25
HP:9/17/17 防御力:0
攻撃:(2D6)
 2    「無駄なことはやめたまえ」無名の感情 3ポイント増大。
3〜5  接触。触れたところから血が流れ出す。血はいつまでたっても止まらない。以後毎ラウンド1打撃。
 6   凝視。難易度25で「霊感」の一般RRに失敗した場合、「これが貴様の心臓か」という言葉と共にネロの手のひらに脈打つ心臓が出現する。そして彼はそれをもてあそぶ。「恐れ」を5増大させる。(心臓が破壊された場合生命値に10打撃。)
 7   接触。生命値を1ポイント吸収される。
8〜9  凝視。難易度30で「霊感」の一般RRに失敗した場合金縛りに遭って動けなくなる。「恐れ」を3増大させる。次のラウンド、また難易度30で霊感の一般RRを行い、成功すれば逃れられる。失敗した場合体の一部が変質を始める!「精霊体の特徴」表を振り、その特徴を得る。「恐れ」を5増大させる。(以後逃れられるまで続く)
10〜11 「私を殺せるものなら殺して見ろ」ニタ リと笑う。「恐れ」を3増大させる。
 12  「どうして私に逆らうのだ?」ネロは泣 き始める。ランダムな感情が3ポイント増大。
〈交渉修正〉
愛敬:−  美麗:−10 威厳:−  畏怖:−
〈感情波動〉 喜び(3D10)
特殊能力 「真の心臓」を破壊しない限り不死身。 死んだ直後に完全復活する。
備考:不死身。仔山羊殿下。白山羊。邪眼。智者。 知識の崇拝者。自分のせりふに酔う。


6.感情の嵐

 いずれにしても通常の方法ではネロを倒すことはできない。PCたちは依頼された二つの任務(メーヴィスを助ける、ネロという魔物を倒す)のどちらを取るか、選ばなくてはならない。全ての事情をPCらがわかったところで、それぞれの主要キャラクターがそれぞれの振る舞いをする。これらはキャラクターたちの感情に大きな影響を与えることになるであろう。
 で、それにあたってPCらのネロに対する感情(「怒り」or「憎しみ」)、メーヴィスに対する感情(「哀れみ」or「慈しみ」)を選び、以下そのいずれかの感情を増やすことを要求されたら、選んだ方の感情を増やすようにしてもらう。

 PCたちの心にはネロに対する「怒り」(「憎しみ」)が段々と蓄積され、メーヴィスに対する「哀れみ」(「慈しみ」)の感情が募ってくるのである。

1.ネロ (鼻で笑う)
「逃げ出すのか?それともその女を殺せるほど非情になれるのか?まあ、おまえたちのような腰抜けには無理だろうな。なあ、か弱き勇者たちよ。」(「怒り」or「憎しみ」+1〜2D10)

2.シルヴィオス
「選べ」
「お前たち、そんなことも決められないのか? 」 (「無名の感情」+1D10 「怒り」+1D6。(こちらは任意))
「俺か?俺はあのエルザとかいう女に二つのことを頼まれて、その通りにやっているだけだ。第1にここまでおまえたちを案内すること・・・・・・これはもう終わった。もうひとつはおまえたちがどうするかを見届けてあの女に報告することだ。さあ、早くしろよ。」 (「無名の感情」+1D6 「怒り」+1D6。(こちらは任意))

3.メーヴィス 最初、ひどく悲しそうな顔をする。 次はどこか遠くを見るような表情になり、ふっと微笑みかけてきて、そのあとくすくす笑い始める。(まず、「悲しみ」+1D10 次、「哀れみ」or「慈しみ」+2D10 その次、「愛しさ」+1D10 そのまた次、「怒り」or「憎しみ」+3D10 最後「恐れ」「無名の感情」+2D6。)

 ・・・・・・以上のことを終えた後、ネロが再び行動する。

「さて、ちょうどここに大勢の観客もおられることであるし、面白いショーをお見せしよう。 わたくしことネロがいかにしてこの素晴らしい魔術を成し遂げたかをご覧にいれよう。実験台にはそちらの方(PC)になっていただこうか。」

「霊感」の対抗RRを行い、ネロが勝てばその手のひらの上にドクドクと脈打つ心臓が出現する。(恐れ+1〜2D10)

 するとメーヴィスが突如として悲鳴をあげ始める。悲鳴は延々と続き、彼女の視界から"それ"がなくなるまで止むことはない。ネロは満足そうな顔をし、さらに言葉を続ける。

「どうかね。素晴らしい魔術だとは思わないか?これを使えば誰でも不死身の肉体を持つことができる。軍隊などに使えばまさに世界最強の不死身の部隊ができるであろう。この方法の利点は、知性を損なうことなく不死身にできることだ。アンデッドにするという方法にはこの点において問題があった。また、たとえアンデッドにすることでうまく知性を残せたとしても、これほど完全な意味での不死の肉体を得られるというわけではなかったからな。」
(自分のせりふに酔う。)(「無名の感情」+1D10。 「怒り」or「憎しみ」+1D10。)

いずれにしろPCたちは選択しなくてはならない。その行動はキャラクターの感情に大きな影響を与えるであろう。

「メーヴィスを殺そうとする」
「悲しみ」+1〜3D10 「哀れみ」or「慈しみ」+1〜3D10 「悲しみ」「哀れみ」「慈しみ」喪失可。

「メーヴィスを殺してしまった」
「悲しみ」&「無名の感情」+1〜3D10。

「メーヴィスの再生」
「喜び」&「愛しさ」+1〜3D6。

「逃げる」
「やるせなさ」&「無名の感情」+1D10。 「怒り」or「憎しみ」+1〜3D10。 「怒り」or「憎しみ」喪失可。


7.決着

・メーヴィスの救出・・・・・・逃亡

「やはり逃げるのか、か弱き勇者たちよ。ではまた会うこともあるかもしれぬな。 その時はまた有意義な話がしたいものだ。 まあ、気が向いたらまたこのわしの屋敷にやってきてくれ。歓迎するぞ。 そうそう、くれぐれも彼女が傷ついたり病気になったりしないよう気をつけてくれたまえ。さあ行きたまえ。 旅の無事を祈ってやろう。・・・・・・」

 無事に帰ることができるが、以後メーヴィスは完全に狂ってしまう。死ぬこともできず、さらにかけられた呪いの影響(「混じり合う全ての色・木の枝」など)でその体は変質していってしまう。

・メーヴィスの死/再生

 殺すためには「慈しみ」「哀れみ」などの激情の危機を乗り越えなくてはならない。また、彼女を手にかけようという者に次のことを聞かなくてはならない。

 彼女を殺したいから殺すのか、
 それともそれを本当はやりたくないけれども、ネロという魔物を倒さなくてはならないという使命感から嫌々ながらやるのか。

 前者の場合にはネロはこう言って消滅する。

「これが痛みか!これが死か! 非情な死だ。 あの女は我らに手を貸してくれるであろう。 その者の魂と肉体はもらい受けた。 そして計画は継続される・・・・・・」

 最後に笑みを浮かべ、ネロが消滅するのと同時にメーヴィスの体もいずこかに消え失せる。

 次に、後者の場合はこうなる。

「これが痛みか!これが死か!いいことを教えてやろう。封印は解放された。その"剣"の魂は己の意に反した行動による死によってしか、彼女の肉体から解放されることがなかったのだ。 計画は継続される・・・・・・」

 ネロは消え失せる。

 メーヴィスが息絶えると同時にその体は光を放って消え失せ、後に紫色をした剣が残される。

 ネロが死ぬと豹男は悲鳴をあげながらドロドロと溶け崩れていってしまう。書斎も蜘蛛の巣だらけの廃虚となる。地下墓地を出ると、そこはどこか大きな町の廃虚となっている。
 そのあとは特にこれといった困難もなくカストーラにまで帰ることができる。


※オリジナルのイメージ

〈剣〉
「破壊」「死」「物理的力」「権力」 「支配」
逆位置=「封じられた力」「革命」

〈鏡〉
「影」「真実」
逆位置=「まやかし」「幻」

 

◆メーヴィスの剣(女性格)
クステ:鷲 地縁:海 霊縁:風
強度:30 精度:27 感度:44 魔力:50
愛敬:5 美麗:23 威厳:12 畏怖:9
HP:29/37/40
幸運:空中
不運:地中
喜び なし
慈しみ (90)50
悲しみ (80)50
やるせなさ (25)10
怒り なし
愛しさ (15) 5
憎しみ なし
恐れ (20) 5
哀れみ (30) 5
無名の感情 (70)70
打撃力:3D6※
防御力:3
武術・魔術:《音きき》《夢語り》《風読み》
技能:
古代神聖語5 精霊古語10 ラムザス語10 ロルダ古語10 馬術5 歌唱5 詩歌5 物語10
魔法:
緑・紫・青・混・三角・五芒星・蝶・犬・ ランプ・竪琴・車輪・鏡・剣(魔法に使用しても、寝て、目覚めたときに思い出す。)
信仰:ハヴァエル?
習熟魔法:"涼風""翼の友""水面の影"
精霊体:美人。白肌、紫髪、紫眼。
特殊効果
・相手も魔法の防具などを使っているのでない限 り、攻撃を命中させた際に剣がダメージを受けることはない。
・とどめを刺せない。もし強引に刺してしまうと1D6日間の眠りについてしまう。
・(剣の)「慈しみ」を1D6消費することで、 所持者がダメージを受けた場合、その半分を剣の方に与える。剣が目覚めている場合「慈しみ」の感情が0になるまでこれは自動的になされる。

この献身的な魔法の剣を可愛がってあげよう!


8.問い詰める

(メーヴィスを殺した場合)
 冒険からの帰り道のある日、シルヴィオスははっとしたような表情をする。そして目に悲しみを浮かべながらこう尋ねてくる。

「何で殺したんだ?貴様はなぜ彼女を殺したんだ? なぜだ!」

そう叫ぶと空を見上げてゲラゲラ笑い始める。

 

(メーヴィスを殺さなかった場合)
 帰り道の途中、突然シルヴィオスははっとしたような表情をしてメーヴィスをまじまじと見つめる。

「メーヴィス・・・・・・おまえは・・・・・・」

(PCらの方を向く)

「なぜおまえたちは彼女のために何もしなかった? なぜ逃げた!」

そして黙り込む。
次の夜、彼はメーヴィスを連れてどこかへ行こうとする(止めようとするなら戦闘)。
止められなければ彼らはそのまま失踪する。


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