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登場人物


◆PC

 以下にあげる運命以外でも、このシナリオに絡めやすい面白い運命は多々あるので、適当に追加/組換してプレイして見ても面白いでしょう。


1.呪われし子供

【運命】「魔族の血」
"あなたはとある魔族の血を引いており、その外見はまるで蛙と人間の中間のようです。
 ある面「愛嬌がある」とも言えるので、それに好意的な目を向けてくれる人もいましたが、たいていはひどい差別や、冷たい視線といったものにさらされ続けてきました。
 あなたは生まれてすぐに親に捨てられた後、現在の育ての親に拾われ、これまで何とか生きてこられました。"

【縁故】
 「沼の主マギラーガ」〈5〉
 育ての親
 実の親

【導入(オープニングの夢歩き)】
 ・キーワード:「子守唄」「鏡」「石造りの部屋」「井戸」

【備考】
 影の主役。
 「沼の主マギラーガ」の血を引いている。
 間族の血を引いているのがその外見より明らかだったため、生れ落ちた時に捨てられた。


2.猟犬

【運命】「猟犬」
"あなたはたびたび奇妙な夢を見ます。
 それは、自分がどこか深い森の中でさまよっている夢です。
 夢の中には、うごめく樹や、男や女などの人物が現れたりしますが、その最後には、いつも必ず、一本の古ぼけた「樹」を見つけます。
 そして手に持った斧でそれを切ると、その中から一本の「剣」が現れます。
 それは、まるで新品同然のようなピカピカと光る刃をしており、その柄には奇妙な文様が彫られています。
 あなたはその「剣」をなんとしても見つけださなくてはなりません。"

【縁故】
 追い求める剣〈5〉

【導入】
 ・キーワード:「森」「池」「枯れかけた樹」「剣」「斧」「黒髪の若い女の顔」

"昔、あるきこりが森の中へ分け入ってゆくと、そこに一本の幹の中ほどから光を放つ奇妙な樹を見つけた。
 不思議に思ってその樹を斧で切ってみると、その中から一本の剣が現れた。
 ピカピカの刃をしたとても高価そうな剣であったので、きこりはそれを懐にしまって家に持ち帰った。
 そして家族にもそのことを話し、その剣を見せた。
 ・・・・・・・・・・・
 その夜、気がつくと、きこりはいつの間にかその剣を持っており、おまけにそれは真っ赤に染まっていた。
 見ると、その家族は死んでいた。
 きこりはそのことを悲しんだのであろうか、剣を持ったまま、再びその森へと分け入っていってしまった。
 その後、きこりの姿を見た者はいない。
 後に、その村人たちは、きこりが呪われた剣を見つけてしまったのであろうと噂したそうである。"

【備考】
 魔剣を探す人。魔剣の運命を知り、その使い手を選ぶ人。前半の主役?


3.密使

【運命】「任務」
"あなたはとある国からの使節で、辺境の地の魔族の封印を見張る役目を担っているミレルの町の領主に、手紙を渡すためにやってきました。
 一応名目上の任務はそれだけですが、ほかにもいろいろと指示が与えられています。"

1)「手紙」を渡すこと。
2)ミレルの領域の魔族の封印に不穏な様子があるので、それが何なのか明らかにすること。
3)魔族と領主の一家の間に何らかの関係が存在している可能性がある。もしそれが明らかになった場合には、ただちにミレルの町に関する全権を汝に移行し、事態の収拾を行うこと。必要があれば、近域に駐屯した軍隊を召集しても構わない。

〈手紙〉
・・・・・・・・・・・・
近域のいくつかの魔族の封印に不穏な動きがあるものと思われる。
ただちにそれらを調査し、場合によっては事態の収拾につとめること。
もし何らかの援助が必要であれば、それに関する全権は、手紙を所持したる***に委任されている。
・・・・・・云々

【縁故】
 任務〈5〉

【導入】
 任務を受けるシーン。

【備考】
 裏の主役?


4.過去より来りし者

【運命】「森の結界」
"ある日、あなたの住んでいたミレルの村におそるべき一つ目の化け物が出現して村人を殺してまわりました。
 あなたはその難を逃れて村を離れ、普段は立ち入りを禁じられている「森」に立ち入り、そこで一晩を過ごしました。"

 あなたは他のいかなるPCとも、この物語以前に知り合う機会はありませんでした。だから彼らのことを知っているはずがありません。(他のPCに対するすべての縁故を消してください。)
 このままソロプレイを続けてもかまわないし、適当に他のPCと絡ませるようにしてもいいです。
 好きなようにしてください。

【縁故】
 森の王
 一つ目の魔物〈3以上〉
 〈過去の何か〉

【導入】
 夜、村に一つ目の巨人が現れて、暴れまわる。
 肉親も、知人も、その多くが殺される。
 命からがら逃げ出し、森に分け入っていく。
 森の奥で、小さな池のほとりに枯れかけた樹が生えている場所にたどり着く。
 白髪の杖をついた老人が現れて言う。

「皆に伝えるがよい。
 また起こる、と。」

【備考】
 予言者?
 何か特徴的な運命/能力を持っていれば、ミレルの町においてそのことが語り草として伝えられている可能性があります。


5.魔法の武器の所持者

【運命】「???」
 ???

【魔法の武器の運命】「死者の誘い」
 死者の声が聞こえる。

【縁故】
 破魔の鎚矛〈5〉
 親
 一つ目の魔物

【導入】
"あなたの親は退魔師(戦車のまじない師)で、現在はもう死んでしまっていますが、あなたはその形見として『破魔の槌矛』を受け継いでいます。"

【備考】
 昔、魔物を退治した賢者の末裔。


◆NPC


◆「領主」

 近隣の貴族の家から引き入れられた人物で、いわゆる「入り婿」です。この家のことについて詳しくは知りません。


◆「妻」

 彼女はごく最近まで身ごもっていましたが、その子供を流産で失ってしまいました。実は、魔族の血を引いた男の子どもが生まれ、その異形の外見からその子供は殺されてしまったのです。
 彼女は、子供を失った無念、身内の者が子供を殺したのではないかという疑念、それに伴う怒り、憎しみなどから、やがて彼女は「鬼」に取り付かれることになります。
 彼女は家のことについて詳しくは知りません。
 昔、「女」と子供の頃一緒に遊んだことがありました。そして今では彼女はいったいどこに行ったのだろうなどと考えています。  「女」とは「大叔母様」のことなのですが、彼女は「大叔母様」の秘密には気が付いていないのです。


◆「老母」
 「妻」の「母」です。実質、領主の家のことはすべて彼女が取り仕切っていました。そして領主の家に伝わる多くの「秘密」は彼女が握っていました。彼女はごく最近ぽっくりと亡くなってしまい、現在では「死霊」として城の地下や町をさまよっています。


◆「老召使い」
 「老母」の元で働いていた年老いた召使いで、彼女が死んだ後も領主の家に残っています。多くの「秘密」を断片的に知っていて、「老母」の指示や遺言を忠実に実行しようとしています。
 ただ、この人物がすべてを知っているわけではないので、いろいろと破綻をきたしてくることになるでしょう。


◆「大叔母様」/「女」/サーラ
 領主の義理の祖母にあたる人で、その年齢は相当なものだと言われており、神の恩恵を受けているだの魔族の血が混じっているだの怪しげな噂が囁かれています。領主の家に魔族の血が混じっている証拠ではないかと勘ぐる者もいます。
 実は、彼女は逸話【樹】の「女」です。領主の祖父にあたる人物がそのたぐい稀なる腕でもって彫り上げられた樹の彫像なのです。そのため、彼女は全く歳を取らず、いまだに少女のような若く、美しい外見を保ち続けています。領主の家の内部ではこのことは公然の秘密となっており、このあまりにも不自然な「大叔母様」の若い外見を隠すため、常に「病気で臥せっている」ことにしています。その代わり彼女は、しばしば「お忍び」で外に出ることがあります。


◆語り部
 謎の語り部。魔族、あるいは神々と何かつながりがあるのかも知れません。
 白昼夢の中にたびたび現れます。
 いわゆる「狂言回し」とでも言うべき存在でしょう。


◆「想いの鏡ルサンティマン」
星座:古鏡
召喚値:50
影響値:5

出現形態:
 魔族としては非常に弱々しい存在で、その実体は鏡の中にぼぅっと見える銀色の光る影でしかなく、それ自体に大きな力はありません。
 ただ、その鏡を見る者のさまざまな激しい感情を体現化し、吸収することで大きな力を得ます。そして、吸収する感情の種類によって大きくその姿を変えますが、その中でも比較的有名なのは、「怒り」「憎しみ」の相の時の姿で、それはおそるべき怪力の一つ目巨人の姿をしていると言われます。

魔力:
 感情の吸収、狂乱。
 何か激しい感情に捕らわれている時にこの魔族の棲む「鏡」を見ると、そこにぼんやりとした銀色の光る影を見いだすことができます。これは、犠牲者から感情を吸収すればするほどその姿がはっきりしていくことになります。
 鏡の中のこの魔物の影を見てしまった者は、意志の判定「10+影響値」に成功しないと、意志の基本値を3点奪われてしまいます(吸収した分「召喚値」が一時的に上昇する。)。そして、その犠牲者の意志基本値が0になってしまった場合、鏡の像そっくりに犠牲者の姿が変貌し、その感情の権化となった魔物がこの世に出現することになります。

下僕:なし。

子供:人としての実体を持つことはないので、ありません。現世に出現する魔物はあくまで犠牲者の"化身"に過ぎません。

魔剣:なし。

運命:
 かつては荒々しい感情と共に暴れまわるおそるべき巨人だったのですが、そのあまりの無秩序ぶりから、感情を奪われ、鏡の中に封じ込まれてしまいました。今では、その鏡をのぞき込む者から感情を吸収することで、一時的にその力を甦らせることしかできません。現在この魔族の封印された鏡はミレルの町にあります。

関連教団:ありません。

※備考
 逸話【鬼退治】に出てくる「一つ目の鬼」とはこの魔族のことです。


◆「沙羅樹」
 森の奥深くに生える樹です。 本来は「沙羅双樹」と言うように、2本の樹が夫婦のように寄り添って生えており、夫婦円満の証として貴ばれています。そして2本の樹のどちらか一方が枯れてしまうと、もう一方も悲しみにくれて死んでしまうと言われています。
 逸話【樹】の「樹」も、そうして枯れかけていたのを「男」に救われたのでした。
 そして現在、その「樹」の子供である「沙羅樹」が、連れ合いを失って枯れかけています。


◆「森の大公タンローズ」
 ミレルの町の近くの森を守護しています。


◆「沼の主マギラーガ」
 逸話【蛙の王子】に出てくる「蛙」とは、この魔族のことです。
 ミレルの町の領主の家系にはこの魔族の血がわずかに伝えられてきており、そこに男の子どもが生まれた場合、この血の影響を受けた「蛙と人間の中間のような顔をした異形の子供」が生まれてしまいます。この異形の子供は不吉のあかしとして捨てられたり殺されたりして、この魔族の血はかろうじて世間には隠されてきました。
 不思議なことにこの町の領主の一族に女の子どもが生まれた場合には、どういう訳かごく普通の外見の(場合によっては人間離れした美しさの)子供が生まれ、そのためにこの一族は女系の一族となっています。


◆「人形使いラプティーク」
 逸話【樹】に出てくる「男」は、この魔族の恩恵を受けたたぐい稀なる彫刻師で、話の中で「樹が女になった」と思われる描写は、本当は「男がその樹を削って妻の姿を彫ったところ、それが命を得て動き出した」のです。 そして、「男」とは現在のミレルの町の領主の死んだ義理の祖父でもありました。