←←


はじめに

 これは3〜5人程度のプレイヤーを対象にした「深淵」用のシナリオです。
 ただ、人数とその担う運命によってシナリオの内容がかなり変わってきてしまうので、気を付けてください。
 これはいわゆる「構造型シナリオ」で、一応どんなタイプのキャラクター(運命)であっても参加可能です。
 またこれは、いわゆる「ストーリーシナリオ」でもあります。ストーリーの中でさまざまな謎が立ち現れ、プレイヤーたちはその謎解きを楽しむことができますが、それに必ずしもこだわる必要はありません。時が至れば自然と事態は展開して行き、それに伴ってPCたちの為すべきことは明らかになることでしょう。
 ゲームマスターは、このひとつの大きな運命の流れの中で、PCたちがそれぞれの役割をそれらしく演じられるよう、気を付けてあげてください。


あらすじ

 水の国、ラルハースの東の外れ、ミレルの町の領主の家に異形の子が生まれました。
 しかし彼らは、その魔族の血の秘密を隠すため、その子供を殺してしまいました。
 この世界では必ずしも出生率は高くないので、母親はただ無念と失意の内に沈むことになりますが、そこで彼女はひとつの疑惑を抱きます。

"自分は、確かにちゃんと無事に子供を生んで、その産声も聞いたと思う。
 しかし、まわりの者は流産だったと言う。それは本当であろうか?
 彼らは、自分の愛しい子供を何かの理由で殺しておきながら、「流産だった」と嘘をついているのでは?
 そういえば、彼らが子供の死を話すときの口調はどこかぎこちなかったような気がする。・・・・・・"

 彼女は、その頃からたびたび地下の鏡の間にこっそり通い始め、そこで、彼女のさまざまな無念、疑念、それに伴う激しい感情が鏡の中に住む魔物に力を与えて行くようになります。
 そして、ある日とうとう魔物は彼女に取り憑き、覚醒してしまいます。「鬼」と化した彼女は、町の人々を殺してまわります。
 誰かが、その「鬼」を退治しなくてはなりません。