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5.鏡の中へ

〜狩猟の時が近い。張りつめ、合図を待ちわびよう。〜

「鏡の奥底を見よ。
 そして真実を見いだせ。

 …決して、
  目をそらしてはならない。」

 〜師の言葉〜


5−1.向こう側へ

5−1−1.師の夢
5−1−2.地下墓地の夢
5−1−3.ユーナ(プレイヤー)への手紙
5−1−4.ユーナの夢

5−2.迷宮

5−3.影との対決


 ◆解説◆

 この章は《犠牲者》が巫女となり、
その後、シェイドにさらわれたのを前提として書きます。

 巫女がさらわれました。
 町中が捜索されますが見つかりません。
 巫女の部屋に鏡があったことから、
魔法によってさらわれたのだろうということがわかります。
 問題の焦点は“鏡”です。
瞬間移動できる「鏡面転移」の魔法を行うためには鏡が必要です。
だから、その鏡のある場所に行けば、
その近くにシェイドらがいるであろうと予測できます。
 では、その鏡はいったいどこにあるのか?
 プレイヤーたちが町の魔法陣をすでに把握していれば、
その《古鏡》の位置に鏡があるのではないかと思い付くことができるでしょう。
そこは、主人公《眠れる者》のかつて家があったところで、
現在では瓦礫ばかりがころがる荒野になっています。
この場所にPCたちが気付いたのであれば、
夢歩きなどを駆使して全員集合させてください。
 ちなみに、8日目がタイムリミットです
(シェイドが新たなユーナを完成させてしまう日。
 この日、魔族は目覚める。その場合、8章へ。)。


5−1.向こう側へ

5−1−1.師の夢 ↑↑

 《眠れる者》(主人公)のかつて師であった人物が現れる。

「鏡の奥底を見よ。
 そして真実を見いだせ。
 決して、目をそらしてはならない。」

そして足元の地面を指し示す。

「ここに、鏡がある。」

そこを掘ると、大きな鏡が現れる。
それは、ぼんやりと光を放っている。
その表面に触れると、
手はそのまま突き抜けて中に入ってしまう。

 

5−1−2.地下墓地の夢 ↑↑

 地下墓地に《眠れる者》のかつて師であった人物が現れる。

「鏡の奥底を見よ。
 そして真実を見いだせ。
 決して、目をそらしてはならない。」

地下墓地の、
通路が崩れて通れなくなっているところを指し示す。

「ここに、お前の運命がある。」

その通路の先からかすかに詠唱の声が響いてくる。

 

5−1−3.ユーナ(プレイヤー)への手紙 ↑↑

 瓦礫の山のあるところ
(主人公の家があった所)の地面には鏡が埋まっています。
それは主人公たちがこちら側へやってくるための扉の一つです。
地下墓地の一角に通路が崩れた場所があります。
そこもこちら側への入り口の一つです。
主人公らがそのいずれかに来たら、夢を見ます。
あなたはそこに現れて、主人公に道を指し示すことができます。

 

5−1−4.ユーナの夢 ↑↑

 「5−1−1.師の夢」「5−1−2.地下墓地の夢」
で現れる人物がユーナに変わるだけである。
プレイヤーに話をまとめる力量がありそうだったら任せてみると良い。


5−2.迷宮 ↑↑

 PCたちは迷宮の中をさまよう。

 

5−3.影との対決 ↑↑

 狭い通路をしばらく行くと、
 大きな両開きの扉の前に黒装束の人影が立っている。

「ついに、こんな所にまで来てしまったか。」
「全ては運命を変えるためだ。」
「聞こう。おまえはこの扉の向こうに行き、
 何をしようというのだ?」
「そう。ならば、俺とお前の目的は同じだ。
一緒に彼女を助けよう。」

“「鏡の奥底を見つめよ。
 そして真実を見いだせ
 決して 目をそらしてはならない。」”

「真実を見定めるだと?
 真実とは、いま見て、
感じている全てのものではないのか?」
「この扉の向こうに、運命がある。」

“「それは運命なのだ。もはや変えることはかなわぬ。」”

「運命そのものを変えなければ、
 彼女の命を救うことはできない。」
「迷うことはない。彼女を救うのだ。
 それこそがおまえの望みであろう?」

“「・・・・・・もし、運命に逆らうのであれば、
  ここで出会った全ての者たちは ことごとく死に絶え、
  この町は滅ぶであろう。
  そして最後には、
  お前はお前自身をも 殺さねばならなくなるであろう。」”

“赤い空。町が燃えている。
 悲鳴、怒声。逃げ回る人々。
 あなたは顔も服もボロボロに薄汚れたまま、ふらふらと町を歩いている。
 何かを探して歩いているような気がする。
 自分にとって大切な何か。
 しかし、それが何か思い出せない。
 思い出せないまま、だが何か焦がれるような気持ちで
 その何かをひたすら探し続ける。
 彼方から地に轟く笑い声。
 天を衝くほどの巨大な、蛇のような姿をしたその大きな影が、
 巨大な口を開いて町を喰っている。
 空を見上げると大きな星が真上で晄々と輝き、渦を巻いている。
 その中心には大きな眼のようなものがあって下界を見降ろしている。
 やがてその中からひとつ、ふたつ・・・・・・
 全部で12の光の筋が地上に降り注ぐ。
 閃光のあと、そこに先ほど見た大きな蛇のような魔物がまたも現れる。
 赤く光る邪悪な眼。
 全部で13のその影たちが町を喰らいつくしてゆく。

 ・・・・・・周りは燃えていて、ところどころ死体が転がっている。
その中にはあなたの知っている人もいる。
老人が倒れていて、かすかに息をしている。

「・・・・・・わしの・・・・・・息子が・・・・・・」

 探しに行くと、やがて子供が倒れているのを見つける。
それは、幼い頃のあなた自身だ。
しかし、もはや息はない。
老人に声をかけると、
もう、彼も冷たくなっている。”

おまえは俺だ。おまえ自身が俺を創り出したのだ。
 そして変えられぬ運命を変えなくてはならない。
 ここでならば、それが可能だ。」
「では、おまえは全てを受け入れることができるというのか?
 全てを見届け、それを受け入れることが・・・・・・。」
「好きにしろ・・・・・・」

※シェイドは主人公の影なので、主人公と常に逆の立場をとります。
 主人公がユーナを助けると言えば「助けてはならない」と言い、
助けないと言えば「どうして助けないんだ」と問い詰めます。
 常に逆の立場をとることで主人公の信念をぐらつかせるようにしてください。
 そして悩ませ、考えさせるようにしてください。
 そうすることによって「本当はどうしたいのか」を、
もっと心の奥深いところから引き出してプレイできるよう
プレイヤーを導いてあげてください。
 (難しいですが、頑張りましょう)


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