〜波乱の予感がする。新たな何かが生まれ、世界に飛び立っていく。〜
「汝は愛する者のために死ねるか?」
〜司祭の言葉〜
シナリオはPCの一人
(もしくは極めて重要なNPCの一人)
であるユーナが祭の巫女に選ばれ、
しかも彼女が生け贄に捧げられると判明することで急展開を始める。
しかもその直後、彼女は何者か(シェイド)にさらわれ、
表舞台から消え失せる。
「…ユーナ、愛してる。
だから、生きてくれ!…」
〜影のささやき〜
4−1.巫女選び(予選) ↑↑
祭の3日目、
神官たちが大勢町を歩いて巫女の候補を選んで行きます。
町の女性たちは
「町でいちばん綺麗な人が選ばれる」と思っているので、
みんな着飾って歩いてまわっています。
選ばれると歓声があがったりします。
《犠牲者》も、もちろん選ばれます。
4−2.巫女選び/試練 ↑↑
劇場で審査が続けられ、最終的に13人に絞られます。
そして残る13人は、一人一人舞台の裏に呼ばれて試練を受けることになります。
“巫女”になろうという者は一人一人部屋に呼ばれ、質問される。
「まず誓いなさい。 ここでの話はここより出た後にはみだりに話さないということを。
汝が巫女となるためには秘密の儀式が必要なのだ。」
「“巫女”になろうという者よ、
汝は大義のために 死ねるか?」
「汝は愛する者のために死ねるか?」
「汝は秘密を守ることができるか?
これは、ここより外では、
いかなる存在にも話してはならない。
それを誓えるというのであれば、
汝に全てを明かそう。
・・・・・・では、秘密を明かそう。
“巫女”となる者は、
79年に一度の特別の儀式において
生け贄として捧げられなくてはならないのだ。
そしてその『死の運命』を受け入れられる者だけが
その資格を得ることができる。
「儀式には二つの意味がある。
第1は、
この町の地下に封じられた“荒ぶる神”の目覚めを阻止するため、
この生け贄の儀式を行わなくてはならない。
第2は、
汝の愛する者を救うため、
この儀式を行わなくてはならない。」
「汝の愛する者は、過去の記憶を失ってしまっている。
そしてかの者に“真実”を思い出させるためには汝の“死”が必要なのだ。
ただし、それは、その者が自分自身で思い出さなくてはならない。
記憶を取り戻すための『鍵』は、自分自身の力で思い出させなくてはならない。
そしてその記憶を取り戻させるための“舞台”として
この『儀式』が必要なのだ。」
「汝に聞こう。
汝はこの『儀式』を成就させるために死ねるか?
・・・・・・しばらく、考えなさい。」
◎「YES」&「候補者が《犠牲者》」の場合
「よく言った。」
「実は、巫女となる者にはもうひとつ条件があるのだ。
どうかその体を、調べさせてはもらえないだろうか。」
彼女のお腹に手を当てる。やがてうなずく。
「うむ、間違いない。
そなたこそが巫女として選ばれるべき運命を持った者である。」
ほっとした表情をする。
「そう、そなたのお腹の中にはな、子が宿っておる。
それこそが巫女に選ばれるための最後の条件なのだ。」
◎「NO」&「候補者が《犠牲者》」の場合
その年は残念ながら巫女が選ばれなかったことになる。
儀式は執り行えず、やがて魔族が地の底からよみがえる。
町は滅びに瀕する。
◎「YES」&「候補者が《犠牲者》以外」の場合
「よく言った。」
「実は、巫女となる者にはもうひとつ条件があるのだ。
どうかその体を、調べさせてはもらえないだろうか。」
彼女のお腹に手を当てる。やがて首を振る。
「残念ながらそなたは運命に選ばれた巫女ではなかったようだ。
よく、決心してくれたというのに、すまないことをした。」
「このことは、他言無用にな。」
◎「NO」&「候補者が《犠牲者》以外」の場合
別に何も起きません。
次の候補所が(いれば)呼ばれるだけです。
4−3−1.巫女が決まる ↑↑
巫女が決まると神殿の司教がこう言います。
「・・・・・・たいへん素晴らしい巫女が今年は選ばれました。
79年に一度のこのわが町にとってもっとも重要な祭において、
彼女が巫女として選ばれたというのはたいへん名誉なことです。
祭は大成功に終わることでしょう!」
そして、巫女とあと12人の女性たちが神殿に連れてゆかれます。・・・・・・
4−3−2.巫女が決まらない ↑↑
本当は正式な巫女を選べなかったのですが、
まさか「巫女が選べませんでした」と言う訳にはいかないので、
最後の候補者が便宜上巫女として立てられます。
あとの12人も巫女の付き添いとして神殿まで連れて行かれます。
あとで司祭が《犠牲者》の元へもう一度説得にやってきます。
が、生け贄となるかどうかを選ぶのは本人の自由です。
ただ、《犠牲者》が巫女となってくれないのであれば、
実際に魔族が復活して町に大惨事が訪れることになるであろうことは、
よく理解してもらってください。
巫女にならない場合、次は8章に飛んでください。
4−4.彼女が巫女に選ばれた ↑↑
・・・・・・ 彼女が巫女に選ばれた。 ひそひそ声が聞こえる。
「かわいそうに・・・・・・」
「知らないの?今年は79年に1度の儀式だから・・・・」
神官たちに連れられて目の前を通り過ぎて行く。
彼女はあなたに気付いただろうか?
4−5.鏡の中から ↑↑
(以下は巫女が選ばれてしまった場合に起きる。)
鏡が光を放ち、その中から黒装束の人影が現れる。
その顔は、***(《眠れる者》)だ!
「ユーナ、さあ、来るんだ。
この向こうに行こう。
そうすれば、君は死なずにすむ。
君は、もっと生きたいんじゃないのか?
俺は、君にもっと生きて欲しい。
この向こうに行けば、それが可能だ。
儀式がなんだ!運命がなんだ!
そんなものはくそ喰らえだ!
何者も、
自らの意志で生きようとする者を止めることなどできやしない。
そんな権利などない。
たとえ神であろうとも。
ユーナ、愛してる。
だから、生きてくれ。
俺のことなんてどうなったっていい!
一緒に来るんだ!」
・・・・・・シェイドは、可能ならばあまり手荒なことはしたくないと思っていますが、
《犠牲者》がどうしても従わないようであれば、
強引にでも(命を削ってでも)連れ去ろうとします。