できたーーーーーー(1999/06/29 04:32)。

 

このシナリオを最初に作ったのは今から4年以上も前(1995年の春)のこと。

「夢落ち」「失われた記憶」「大切な人の死を目の当たりにする」というテーマでシナリオを考えていて、

いざ、できるシステムと言ったら「深淵」しかなかった。

当時まだ発売されていなかったけれども、リプレイ等読んで「これしかない!」と思い、

友人に頼んでネットからテストプレイ用のシステムをもらい、

延々、1週間かけてプリントアウトし、

当時はもちろん運命カードは無かったので

自分で作って何とかプレイしました。

(よくあんな時間があったものだ。)

 

最初は「母親」にするつもりは無かったんだけれども、

主人公となる運命を引いた人のキャラクターシートを見たら

「母親:死亡」

とあって、それを見た瞬間「これだ!」ということで、決まりました。

 

このシナリオは、プレイヤーに

「かあさん」

と言わせる、

ただ、それだけのためのシナリオです。

誰にでも言うことができ、しかも、

誰にも、何の感情も交えずには言うことのできない、

そんな重くて、切なくて、素敵なせりふのひとつです。

 

はじめの頃は、その言葉の重みに耐えるのにずいぶん苦労したけれども

もう7回もプレイして、

すっかり馴れてしまいました。

本当は、あともう1回やりたかったけれども(やっと本当の“終わり”が見えたから)…。

 

とりあえず、この、つらいシナリオのプレイに参加していただいた方々に

(面白い人にいろいろ会えたんだけれども)

この場を借りて感謝の意を述べたいと思います。

ありがとう。

 

by紙魚砂