〜迷える魂あり。迷い迷って、迷いをさらに広げる。我、これを滅す。〜
〜・・・その時から、
あなたは、
そこに在った。〜
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3ー1―1.オープニング
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◆《眠れる者》:「主人公」 ↑↑
風。歌声。
草原に大きな樹が1本立っている。
黄金色の葉。
女性が髪をなびかせながら歌を歌っている。
その側に小さな子供がいて蝶を追いかけている。
しばらくして子供は彼女の前に立って、
その両手をぎゅっと合わせたまま差し上げる。
笑みを浮かべながらその手をそっと開く。
一瞬の間。
子供の表情が崩れ、目が潤む。
彼女は子供の顔にそっと手を触れる。
◆《犠牲者》:ユーナ ↑↑
赤い空。
町が燃えている。
悲鳴、怒声。逃げ回る人々。
あなたは顔も服もボロボロに薄汚れたまま、
ふらふらと町を歩いている。
何かを探して歩いているような気がする。
自分にとって大切な何か。
しかし、それが何か思い出せない。
思い出せないまま、
だが何か焦がれるような気持ちでその何かをひたすら探し続ける。
彼方から地に轟く笑い声。
天を衝くほどの巨大な、
蛇のような姿をしたその大きな影が、
巨大な口を開いて町を喰っている。
空を見上げると大きな星が真上で晄々と輝き、
渦を巻いている。その中心には大きな眼のようなものがあって
下界を見降ろしている。
やがてその中からひとつ、ふたつ
・・・・・・全部で12の光の筋が地上に降り注ぐ。
閃光のあと、
そこに先ほど見た大きな蛇のような魔物がまたも現れる。
赤く光る邪悪な眼。
全部で13のその影たちが町を喰らいつくしてゆく。
◆《灰色の蛇の探索者》 ↑↑
暗闇の中、
ぼぅっと光る中に大きな石造りの門が建っている。
門の扉の表面には何か波のような文様が描かれていて、
しばらく見ているとそれがざわざわと動き始める。
そのただの波と思っていた中に、
大きな灰色の蛇の姿をした奴がいて、
こちらをじっと見つめているのに気付く。
『大いなる力を求めし者よ、
我を見いだせ。
深き淵の奥底を探るのだ。』
門扉に手を触れる。
動いていた波は何事もなかったかのようにぴたりと静止する。
扉がすぅっと開き、
あなたはその中に入っていく。
闇の中から微かに囁き声がする。
『・・・・・・かの・・・・・・に・・・・・・げよ・・・・・・』
◆《償う者》 ↑↑
どこかの町の中。
霧が立ちこめている。
あなたは建物の前の石の上に座って、
ただ向こうの方を見つめている。
いずれ待つべき者が現れるであろう。
あなたには確信がある。
やがてやってくる者のために
あなたは力を尽くさなくてはならない。
そんな気がする。
あなたは歩き出す。
しばらくして広場に出る。
広場の向こうにぼんやりと大きな建物が見える。
あそこにはあなたの運命がある。
◆《ありうざる者》 ↑↑
石造りの大きな部屋。
遥か前方で段が高くなっていて、
そこに白い幕がかかっている。
幕の向こうでろうそくが燃えているらしく、
ゆらゆらとした光が見える。
その向こうに何か威厳を漂わせた男の影が
左右に行き来するのが見える。
『この世界はもうすぐ滅ぶであろう。
事態は急を要する。
《楽園》を探せ。
いや、そうしたところでお前が
助かるわけでは・・・・・・』
◆《秘儀探索者》 ↑↑
机の上にろうそくが1本ともっていて、
その向こうにローブを着た小さな人影が座っているのが見える。
「例のものはどこにあるのですか」
あなたは彼女に尋ねる。
彼女はまず下を指差す。
続いて、その指をぐるぐると回して円を描く。
「それはいかにして解き放てるのですか」
彼女はヒッヒッと押し殺した笑い声をあげ、
三本の指を立てる。
「それはどういう・・・・・・
何か、必要なものが三つ、そういうことですか?」
老婆はうなずく。
「それは何なのですか?」
「光と、影、そして門を開く者・・・・・・」
「では、それはどこに」
彼女はあなたの背後を指差す。
あなたは振り向く。
3−1―1.オープニング ↑↑
あなたは草原にいる。
立っているか座っているか、
あなたはそうしたいようにしている。
辺りは夜で、
空に星が輝いている。
星の中に長く尾を引く“彗星”が輝いているのに気が付く。
ふと見ると、他にも人影がいる。(他のPC)
向こうに明かりが見える。
近付いていくとそこに大きな町の門がある。
税を払うと町に入れる。
「やあ、なつかしいなぁ」
主人公に衛兵の一人が声をかけてくる。
見覚えはない。
「家には寄るのかい?
弟さん(妹さん/主人公の性別と同性)がいたと思ったけど・・・・・・」
「ほら、昔よく一緒に遊んだじゃないか」
3−1―2−1.《眠れる者》&《犠牲者》 ↑↑
突然、
あなたは自分がその人物を
愛してしまっているのに気が付いた。
いや、それはただ愛と言うよりは、
何かなつかしいような、
そう、ずっと前から知っている、
そんな感じがする。
今のこの表向きのこんな関係ではなく、
ずっと昔にもっと別の出会いがあって、
自分たちは知り合い、
そして、もっと親しい、
そんな関係があったような気がするのだが、
具体的に出会って何があったのか、
どういう訳かさっぱり思い出すことができない。
(「その人」に縁故5を割り振る。)
3−1−2−2.《混沌の蛇の探索者》&《秘儀探索者》 ↑↑
あなたは
あなたの探すべきものをたった今、
ここで見つけた。
それはまだきっかけにすぎないが、
いずれ、
あなたの目的を成し遂げるための道しるべとなるであろう。
3−1−2−3.《償う者》 ↑↑
ここにあなたの運命がある。
あなたはそれを見つけた。
あなたはこれを待っていたのだ。
しかし、まだ何かが足りない。
何か重要なものが抜け落ちている。
3−1−2−4.《ありうざる者》 ↑↑
ピシリ、
と、どこか(気のせい?)
で何かが砕けるような音がした。
あたりを見ても何もない。
しかし、何かが違って見える。
ほんのついさっきまで慣れ親しんできた、
どうということもないこのありふれた風景が、
全てどこか僅かに歪んでぎこちなく見える。
皆、どこかよそよそしく、
親しげにかけられる言葉も何か空々しい。