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『鏡影』プレイレポート


はじめに
◆セッション1◆
◆セッション2◆
◆セッション3◆
◆セッション4◆


はじめに

 もう、ずいぶん前になる。1998年の夏頃に某書店の掲示板に「キャンペーンマスター募集」のA4サイズのカラーのポスターが貼られていた。実際のところ、私は地元のサークルのコンベンションというものをあまり信用していなくて、はやりものの無難なシステム“しか”やらないところが大半であると思っていた。

 1回かぎりのセッションではそれもやむなしかもしれない(知らないシステムの所に行って、それがはずれだったりしたら、目も当てられない。せっかくの休日が、まわりに適当に合わせるだけの実につまらない日に変わってしまうというリスクを背負うことになるから)。が、それでも東京あたりに行けば、たいていどんなシステムをやっても一人、二人くらいはやってみようって人が現れるものではないだろうか?信用していないというのは、この地元ではそういう挑戦心のある人間はいないのではなかろうか、という意味で信用していなかった。

 が、キャンペーンで長期的にプレイすれば、まだ、「知らない人」でもやり方を覚えていく時間が十分あるから、まだ1度限りよりは何とかなるんじゃないか?と考える人が現れることを期待して手紙を出してみた。

 「募集人数が多かった場合は抽選で…」とか書かれていたが、幸い返事の手紙が来た。
 チャンスは与えられた、ということである。


◆セッション1◆

 当日、主催者の方がGMの選定は「サイコロで決めました」とか言っていたが(笑)、実際はそれは方便であったのではないかと勘ぐっているのだがどうだったのだろう?まあ、どちらでもいいことだ。

 ちょっと奇をてらって「ヒロイン募集中です」と言って笑いを取って、メンバーを募ったのだが、意外にも2人はすぐ決まった。それからやろうという人がなかなか現れない(予想通り)。2人はさすがにつらいので、「せめてあと一人…」と言っていたら、その日GMをやる予定だった人が「今日はGMやめます」と言ってメンバーに加わってくれた。その人は「深淵」のGM(?)もされたことがあるそうで、実に頼もしい。最初の2人もわざわざ遠くから、仕事を休んでまで「深淵」をやりに来てくれたそうで、強者揃いのメンバーとなった。

 弊害として、「平均年齢が高い」というのが…。
 やはりどこも、ある程度以上やった人でないと「他の変わったシステムをやってみよう」という気にならないらしい。

−キャラ選択−

 6人分の配役を考えていたのだが、3人ということで、1人は主役、1人はヒロイン、もう1人は好きに…というのを勧めたのだが(その方が絶対面白いので)、結局完全にランダムにサイコロで決めることになった(TRPGゲーマーには困ったらサイコロで決めるという優柔不断者が多いらしい(笑))。

 が、私の念が通じたのか(笑)、「主役(記憶を失いし者)」「ヒロイン(犠牲者)」「封印の破壊者」と、実に理想的な割り振りになった。

−導入−

 とりあえず「主役」と「ヒロイン」には相思相愛になっていただいて(笑)、「封印の破壊者」の人には裏から悪いことを吹き込んでおいた。「封印の破壊者」の命の恩人を誰にしたいと聞いたら「ヒロイン」ということで一気に三角関係に突入。

ヒロイン:「えぇー!」
主人公:「照れるぜ…」

−依頼−

 最初は無難に地下墓地に出る化け物を退治してくれという依頼を出した。

−魔物退治−

 わりと序盤に魔物(双魚)が地下墓地の壁面を通り抜けて襲ってきたのを三人がかりで退治。みな戦闘系だったので楽勝だった。

−探索−

 魔物はとりあえず退治してしまったのだが、PCたちは地下墓地の探索を始めた。依頼としてはすでに終わってたのだが、キャンペーンとしてはこの先の話がメインだったり。

 夢歩きで伏線を事前に張っておいて、実際の場面でも「地下墓地で墓を発見する」という場面を出す。

主人公:「調べてみるよ。」
GM:紙を渡す。

妖精代95XX年
かの者
深い悲しみに暮れるあまり
この地において自害す

(主人公の名前(笑))

主人公:「ぶっこわす。」
GM:「じゃあ壊れた(笑)」
主人公:「その下の地面を掘る!」
GM:(他のPLに)「彼はその墓石のようなものを壊してしまった。で、いま地面を掘ってるよ(笑)。」
ヒロイン:「それにはなんて書いてあったのか、わかりませんか?」
主人公:「完膚無きまでにぶちこわした!」
GM:「…ということで、もう、読めませんね(笑)。」

−屍体−

掘ると、棺があって、その蓋を開くと、子供の屍体が現れる。

主人公:「何でだ!何でだー!」と言って暴れます。
GM:「暴れてます(笑)。」

−短剣−

「破壊者」は血染めの短剣の夢を見て、はっと我に返る。

破壊者:「…その落ちてたところに何かありませんか?」
GM:「うん、何かあるね。」
破壊者:「よく見てみる。」
GM:「文字が書いてある。字は読めるかな?…

『死は正しき終わり。終わりなくば、節度もまたなし。』

(凍り付く場。この冷ややかな空気が気持ちいい(笑)。)

−反省−

「全然進まなかったでしょう?」
「いや、完璧に予想通りだったよ。」

 …ということで、単純にダンジョン探索して先の話の妖しい複線を見せるだけという実に単純なシナリオであった。
 進行は、もっとはやく終わるかと思ってたのだが、適度に脱線して話を膨らませてくれたおかげで、わりと内容の濃いものになった。PC同士も結構なじんで、互いの役割が決まってきたようである。
 キャラメイクに半分くらいの時間を費やすと踏んでたのだが、「主人公」役の人がルールをよく知ってて、ぱっぱっとまとめてくれたし、その後もことあるごとにルール解説してくれたおかげで、ずいぶん説明の手間が省けて助かった。


◆セッション2◆

−準備段階−

 最初、プレイヤーが3人のうち1人しか来なくて、動揺した私は急遽もう1人プレイヤーを募集することにした。一応あと1人くらいは入れられる余裕があったし。

「スミマセン。あと1人ぐらい欲しいんですけど…。」

 またまた結構年期のいった人が1人参加してくれることになった(笑)。
 キャラメイクに入ったが、PCが戦闘系ばかりで情報収集でかなり苦労しそうだったので、(実際の所、このシナリオではまともな戦闘は1回しかしなかったんだけど…)魔法系のキャラクターを作ってもらうことに。ちょっと変わり種の「アイズナ使い」(ネズミみたいな獣を使う術師)に決定。配役は《償う者》ということで、これで一通り裏設定まで使えるPCが揃った。

 …と、やっていたら、結局残りのメンバーもちょっと遅れてやって来て、全員勢揃いでスタートできることになった。

 …余談だが、キャンペーンをやってる途中で無断でPLが欠席し出すようだと、結構まずい。はっきり言ってしまえば「面白くない」とき、そういう現象が起きることが極めて多い。(と言いつつ、私自身も“いまいち”だと、つい休みがちになってしまうことが多かったのだが…。)なんで休んだか確認して、本当に重要な用事があって休んでいる場合はいいが、そうでない場合は気を付けた方がいい。そのPLがセッションに参加しているときに楽しんでいるかチェックして、つまらなさそうな様子だったら適当にフォローを入れて楽しませるよう気を遣った方がいい。
 さいわい、このキャンペーンでは最後まで全員が参加してくれて、それぞれの人がそれなりに楽しんでくれたようで良かった(PLの皆さんに感謝)。

−まつり−

『ビラ』

「吟遊詩人の大会!!」

 

「闘技大会開催!!賞金は・・・・・・」

 

「芸術祭!!最も優れた作品を捧げた者に賞金・・・・」

 

「天駆ける星の太守の巫女選び!!」

 

「墓掃除をしてくれる者求む。」

銀貨100枚。

 

「殺人鬼を捕らえた者に賞金***」

“町に出没するシェイドと名乗る殺人鬼を捕らえた者に

賞金***を与える。

外見は黒装束をまとった男ということ以外不明。

詳細は×××のデュエッサまで。"

 今回からが本編で、スタイルとしては、

・町で“まつり”が行われていて、何日目にどんなイベントが催されるかがあらかじめ告知されている。
・シナリオ上、裏でもスケジュールがあって、何日目に何が起こるか、だいたい決めてある。
・PCにはあらかじめ「運命」およびそれに付随する情報を与えてある。
・PCの個人情報、まわりの状況から、PCは自分で「目的」を決めて、好きに行動してもらう。
・PCが町から外に出ない限りは、ほとんどどんな展開にも対応できるよう、町の設定・NPCの設定は固めてある。
・(今回は)基本的にPCの行動にあわせてイベントを引き起こすだけ。

ということで、各PCに個人情報の紙をあげて、あと共通の情報として上のビラを渡した。

GM:「さて、どうしましょう?」

−開始−

 今回、多分PCが目的を模索する回なので、緊張感が続かなくてだれると思っていた。

 開始前にみんなの間で雑談が始まったので、いい雰囲気になるまで放っておこうということに。PLが雑談にいい加減飽きて、自分からやる気になって「そろそろ始めません?」と言ってくるまでひたすら待つことにした。
 結局、昼近くになってようやく「やろうか」ということになった。

−夢歩き−

《償う者》
 アイズナ使いは神殿の夢を見た。

《封印の破壊者》
 地下墓地で(血染めの?)短剣を手に入れた彼は、夢の中で老婆に、「その短剣を奴らに渡したら、その時、おまえの愛する女(別のPC(笑))は死ぬことになるであろう。」と告げられる。

−邂逅−

・「主人公」と《償う者》の出会い

 《償う者》は「主人公」に親しげに話しかけるが、邪険にされる。

主人公:「それ以上しゃべると、たたっ斬るぞ!」

と言われて退散。

・《償う者》とその母親(?)の出会い

 神殿で、母親(?)に会う。

《償う者》:「か、かあちゃん!…(あれこれ言い訳(笑))」
その母親/神官(?):「どなたですか?覚えがありませんが…。」

−“とぐろ”の嵐(爆)−

 芸術作品のコンテストがあるということで、《封印の破壊者》は、その工芸の技術を生かして夢に見た“とぐろ”な作品を作ると言い出す(笑)。
 場に“とぐろ”の嵐が吹き荒れる(爆)。

−予言者−

 老人が現れて、「この町はもうすぐ滅ぶ」と予言する。

−彫像−

 ヒロインは、芸術作品のコンテストのために像を彫っている女に会う。その像は、地下墓地で見た子供(の屍体)に似ている(気がする)。

ヒロイン:「どうして、その像を彫ろうと思ったんです?」
女:「いや、夢でね、見たんだよ。」

女:「ところで、あんた、ひょっとして子供がいるんじゃない?」
ヒロイン:「ええー!?」まじですかー?いつの間に…。そういう話だったんですか?
女:「いや、何となくね、そんな感じがしただけなんだけど。…」
ヒロイン:(ホッ)「うーん」

女:「ところであんた、巫女選びには出るのかい?」
ヒロイン:「うーん。」
女:「あんたぐらいのべっぴんさんだったら、今度の巫女選びで選ばれるんじゃない?」
ヒロイン:「ほんと!?」じゃ、出てみようかな…
女:「うん、あたしが保証してやるよ。」

−使者−

 女の神官(《償う者》の母親?)が宿屋に現れる。

神官:「“短剣”を探しに来たんですが…。ご存知ありません?」

−繰り言(笑)−

神官:「あなたが“短剣”をもってらっしゃるとうかがったんですが…」
破壊者:「えーと、これかな?」
神官:「うーん」
破壊者:にせもの!
神官:「違うみたいですねぇ…」(笑)
破壊者:「これだったかな?」と言って別の偽物を渡す。(笑)
神官:「うーん。違うみたいですねぇ…」(笑)
(以下繰り返し(笑))

−闘い−

 −決勝戦

GM:面倒だから、達成値の高い方が勝ちということにしましょう。
   (サイコロ振る)
   …じゃ、全力でカード全部足して…達成値37!
主人公:マスターは俺に勝たせるつもりがないらしいぞ。…
   (サイコロ振る)
   足らん…
GM:縁故を使ったらどうです?ちょうどいい人がいるじゃないですか(笑)。
主人公:うーん…俺にやれってか?
GM:やりましょう(笑)。
主人公:じゃぁ…

“やられるかと思った瞬間、彼女の顔が脳裏に浮かぶ…

 『くそったれ!』

…悪態をつきながらもかろうじて必殺の一撃をかわし、返す刀で…”

GM:OKです。おめでとうございます。あなたの勝ちです。

−夢−

GM:その試合を観戦していると、一カ所、誰か高貴な方が座られているところがあってね、
   そこにいる人物を見た瞬間、あなたはこう感じる。

   『あのお方こそ、とぐろ様に間違いない。』(笑)

破壊者:「あのお方はどなたですか?」
観客:「この町の領主様です。」

−《償う者》の夢−

神官:「町を守るために…生け贄が必要です。」
《償う者》:「それは、回避する方法はないんですか?」
神官:「ありません。残念ながら。」

−夢−

その黒い人影は
ひょいと、ひと跳びすると、
その人形の横に立つ。
しゃがんで、その顔をじっと見つめる。
耳元に、そっと囁きかける。

『生きてみないか?』

辺りを見回し、走り去る。

−失踪−

女:「あの像がね、いなくなっちゃったんだよ。」

−−−反省−−−

 予想通り、今回はだれた雰囲気のセッションになった(笑)。が、PLにほっとくと突っ走って遊び出すタイプの人がいて、“とぐろ”の嵐が吹き荒れた。馬鹿すぎ(笑)。

 おかげで「今日はあんまり話が進まんだろうなー」と思っていたのに、その予想よりもさらに話が進まんかった(笑)。ゲーム内時間は1日半くらい。

 次はもうちょっと進めよう…と思ったのだが…(笑)。


◆セッション3◆

−開始前−

 例によってプレイヤーはコンベンションの開始よりちょっと遅れてやって来た。それにももう慣れたが。
 本当は日曜日にも仕事があるんだけど適当に理由を付けて来てくれているという人もいて、実にご苦労様というかありがたい気分であった。

−コンテスト1−

 「破壊者」が「とぐろ(笑)」を出品。

GM:子供を抱いた女神(?)の像が評判がいいみたいです。
一同:うんうん(笑)。
破壊者:
GM:「とぐろ」の前に審査員たちが来ました。皆さん顔をしかめてますが、神官らしい人が
   『こ、これは。ま、まさに神の本質を顕わしている…』
   『しかし…』
   『こ、この、とぐろなところが素晴らしい!(笑)』
   …議論になってるみたいです(笑)。
一同:(爆)

…結局、特別賞ってことに(笑)。

−悪い夢−

「もしそれを返していただけないのであれば、
 恐ろしいことが起きるかも知れません。
 ひょっとすると
 (声をひそめて)町が滅ぶことにも。
 もちろん我々としても、
 むざむざとそんなことにはさせません。
 が、短剣を返していただけないのであれば、
 それなりの代償を払わなくてはならなくなるのです。
 よろしいですか?」

−ヒロインと少年の会話−

少年:「おばさん、だれ?」
ヒロイン:「名前は?」ピクピクと青筋を立てながら(笑)…
少年:「オッツ。」
ヒロイン:「どこから来たの?」
少年:「あっち。」
ヒロイン:「おかあさんとかは?」
少年:「しらない」
ヒロイン:「あの女の人じゃないの?」
少年:「ううん。あのおばさんは違うって言ってた。どっか別のところにいるんだって。」
ヒロイン:「そう…」
少年:「あなたが僕のおかあさんなの?」
ヒロイン:「えっ!?」えっ!?

−密談(笑)−

謁見の間。
向こうの方に段の高くなったところがあって、
御簾がかけられている。
その御簾の向こうに黒く人影が見える。
あれは太守様か?

「よく来てくれた。
 お前に来てもらったのは、他でもない、
 ひとつ、祭の最中だというのに困ったことが起きてな。
 秘密裏に処理してもらいたいことがあるのだ。
 引き受けてくれるな?」

「最近、人死にが出ている。
 何でもその不届きな奴は
 “シェイド”と呼ばれているらしい。」

「そこでだ、
 お前のその腕を見込んで言うのだが、
 ぜひともそいつを捕らえてほしい。
 ただ、今は大切な祭の最中であるから、
 あまりことを荒立てないようにしてほしい。
 どうだ、頼めるかな?」

「ところで・・・・・・

“ ・・・・・・おまえは、私が誰だかわかるかね?」

 その太守の体はじっとしたまま、
 人影の首だけがするすると蛇のように長く伸び、
 宙にとぐろを描く。
 そしてこちらに寄って来て、
 御簾が上げられようとする・・・・・。”

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破壊者:「う、美しい…」

 彼はその完璧な“とぐろ”に見とれて、思わずため息をついた。(笑)

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・・・・・・頼んだぞ。一刻も早くだ。
 ただし殺してはならん。
 生きたまま奴を捕らえるのだ。」

---------------------------

領主:「この件が解決した暁には、おまえを『とぐろ教』の創始者として正式に認めよう。」
破壊者:「ははっ。かしこまりました。」

−間奏−

主人公:もう、何もかも投げ出してこの町から逃げ出したい気分だぜ。いや、これはプレイヤー発言だけど…。
GM:それはこまるなあ。いや、これはゲームマスター発言ですが(笑)。

−夜へ−

主人公:ガキの胸倉をがしっと、ひっつかんで「おまえはいったい何なんだ!」
GM:少年は泣き出したよ。
主人公:そりゃそうだろうなぁ…
ヒロイン:少年をよしよしと慰める… 「こんな子供に何するの!」

主人公:歩き出す。
GM:どこに行きます?
ヒロイン:あとについてく
破壊者:あとについてく
《償う者》:あとについてく
主人公:女の人とか立ってる妖しげな通りに入っていって…
ヒロイン:ピクピクとこめかみの辺りがけいれんします(笑)
主人公:そこでは何もせず、通り過ぎて(笑)、そのまま墓地に向かう。
GM:着いた。
主人公:そのまま地下に潜ってく。
GM:他の人は?
他の人:何もせず、そのままついてく。
GM:で、どこに行きます?
主人公:例の墓のところに
GM:着いた。で、どうします?
主人公:おもむろに墓を掘る。
GM:じゃあ掘った。
主人公:棺桶はあります?
GM:あります。
主人公:じゃあ、開けて中を見る。何か変わったところは?
GM:別に。前と同じで死体がある。

主人公:(ほっ)ひょっとして、なくなっているとか言われたらどうしようかと思ってたぜ…
GM:それはいいですねぇ。じゃあ、そういうことにしましょう。(笑)
   『そこには、何もない…』
主人公:嫌な世界だ…

主人公:「どうしてなんだ!どうしてなんだー!」と言って暴れます。
GM:「暴れてます(笑)。」
他の人:見てる(笑)

主人公:荒い息をしながら、通路の奥をじっと見つめて立ちつくす。
GM:…………
主人公:GMはここでは何も起こすつもりがないようだ。
GM:…………

ヒロイン:…彼の側に行って「…もし、よかったら、あなたが何をそんなに悩んでるのか、私に話してくれない?」
主人公:…「…いや、これは俺1人の問題だ…君を巻き込むわけにはいかない…」そのまま、じっと立ちつくしています。
ヒロイン:…そのままじっとその側の壁にもたれて座ってます。
GM:…………

………………
………………
………………

…そのまま、朝になった。…

−“散華”−

「死は安寧。限られし命の者の定めなり。
 それを拒むことこそ、悪なり。」

「樹木は枯れて、地に帰り草を育てる。
 獅子は死んで虫を育てる。
 死は、決して無駄ではないのだ。」

−樹の夢−

「“楽園”を探すのじゃ。」

「それはずっと、高いところにある。
 途方もなく、  高いところに。」

“木に登って上を見ると、
 光る無数の蝶が、空を舞っている。
 それは渦を巻いていて、
 その真ん中に、【月】が見える。”

−巫女選び−

GM:あの神官の女の人が来て「巫女選びに参加していただけるという話だったんですが…」
ヒロイン:もう、あんまり参加する気なかったんだけど…しょうがない、行きますか…

GM:…ということで、残る13人の中の1人に選ばれました。
   あとは最終審査で、一人一人個室に呼ばれます。
   あなたは…7番目ですね。

ヒロイン:まさか残るとは思わんかった。
GM:前に審査を受けた人たちはみんな青ざめた顔をしています。
ヒロイン:!?
GM:次はあなたの番で…席を変えましょう。

−−−(離れたところに2人だけで場所を移動)−−−

GM:じゃ、よろしいですか?
ヒロイン:はい。

「まず誓ってください。
 ここでの話はここより出た後にはみだりに話さないということを。
 あなたが巫女となるためには秘密の儀式が必要なのです。」

ヒロイン:「はい」

「“巫女”になろうという者よ、
 あなたは大義のために 死ねますか?」

ヒロイン:えー!うーん…

「あなたは愛する者のために死ねますか?」

GM:まだ答えなくていいです。

「汝は秘密を守ることができますか?
 これは、ここより外では、
 いかなる存在にも話してはなりません。
 それを誓えるというのであれば、
 あなたに全てを明かしましょう。」

ヒロイン:「はい」

 ・・・・・・では、秘密を明かしましょう。
 “巫女”となる者は、
 79年に一度の特別の儀式において
 生け贄として捧げられなくてはならないのです。
 そしてその『死の運命』を受け入れられる者だけが
 その資格を得ることができる。

「儀式には二つの意味がある。
 第1は、
 この町の地下に封じられた“荒ぶる神”の目覚めを阻止するため、
 この生け贄の儀式を行わなくてはならない。
 第2は、
 あなたの愛する者を救うため、
 この儀式を行わなくてはならない。」

「あなたの愛する者は、過去の記憶を失ってしまっている。
 そして彼に“真実”を思い出させるためには汝の“死”が必要なのです。
 ただし、それは、その者が自分自身で思い出さなくてはならない。
 記憶を取り戻すための『鍵』は、自分自身の力で思い出させなくてはならない。
 そしてその記憶を取り戻させるための“舞台”として
 この『儀式』が必要なのです。」

「あなたに聞きます。
 あなたはこの『儀式』を成就させるために死ねますか?」

ヒロイン:えー!そういうシナリオだったんですか?
GM:そういうシナリオだったんです(笑)。
ヒロイン:…うーん、それは、『はい』としか答えようがないですねぇ。
GM:本当に?
ヒロイン:「はい」

神官:「よかった。本当にありがとうございます。」
ヒロイン:
神官:「あ、そうそう、一つだけ、あなたの身体を調べさせてもらってかまいませんか?」
ヒロイン:「?はい。」
GM:では、彼女はあなたのお腹に手を当てて、やがてうなずきます。
ヒロイン:??
神官:「間違いありません。あなたこそが巫女に選ばれるべき運命を持った者に間違いありません。」

「あなたのお腹には、子供が宿っています。
 それこそが巫女に選ばれるための最後の条件でした。」

ヒロイン:いつの間に…って心当たりが…(笑)

−セッションが終わって−

 今回のセッションが終わったあとは、たそがれた雰囲気であった。
 「ヒロイン」役の人も、私も「このまま消えてっちゃいそうな顔してた」そうである。
 うーむ。


◆セッション4◆

−開始前−

 例によってプレイヤーたちはちょっと遅れてやって来た(やれやれ)。が、なんだかんだいって全員集合した。
 今回は会場が混んでたせい(?)で、いつも別室でプレイできてたのが、他の卓と同じ部屋でプレイすることになった。しかも場所が狭かった関係でプレイヤーのうち2人は押入の中に座ってプレイという実に狭苦しい(何だか貧乏くさい)プレイ環境であった。

 「深淵」をプレイする場合、テーマがテーマなだけに静かにしんみりプレイした方が雰囲気が出て良いのだが、今回はあまりいい環境とは言えなかった。しかも、プレイ中に外から話しかけてくる人がいて、(自分が話しかけているせいで、プレイが中断してしまっているのに気付かないのだろうか?)非常に邪魔くさかった。
 なんというか、ごく基本的なマナーの問題だね。

−夢1−

GM:鏡がある。
   そこにはあなたが映っている。
   映った人影が話し始める。

影:「忘れたのか?」
主人公:(何か言おうとする)
影:(無視して)「忘れたのか!」
主人公:剣持ってますか?
GM:(うなずく)
影:「なぜ忘れたんだ?」
主人公:剣で鏡を壊そうと試みます。
影:(無視して)「どうして忘れたんだ!」
主人公:鏡を殴る。
影:(無視して)「思い出せ。」
主人公:ひたすら鏡を殴る!
影:(無視して)「思い出せ!」
主人公:ひたすら鏡を殴る!

−夢2−

GM:とりあえず、あなたが彼女に命を助けられた状況を語って下さい。

破壊者:戦いで傷ついて、野垂れ死にしそうだったところに彼女が通りかかったと…(笑)
ヒロイン:倒れている人がいたので、何となく助けたと…(笑)
破壊者:「…あ…あなたの…お名前は…?」
ヒロイン:答えるかなー?(笑)
GM:社交と意志で対抗ロール。(笑)

………………

GM:ところが、その助けてくれた人の顔は、『ヒロイン』とは似ても似つかない。その名前も、全く別の名前であったことを、あなたは思い出す。
破壊者:は?
GM:(黙って紙を渡す)


縁故に関して、以下の3つの中からその態度を選んで下さい。

1)『ヒロイン』のことはきっぱり忘れて、思いだした人物にすべての縁故を割り振る。
2)思いだした人物のことはきっぱり忘れて、『ヒロイン』にすべての縁故を割り振る。
3)『ヒロイン』と「思いだした人物」は、同一人物だと思い込むことにする。

破壊者:(笑)

−救出−

 “巫女”に選ばれた『ヒロイン』は神殿に連れて行かれた。《破壊者》は、彼女が生け贄に捧げられることを知り、救出するために神殿に潜入した。
 いろいろ困難があったものの何とか彼女の囚われている部屋の前までたどり着く。扉が開かないので、扉越しに話しかけて彼女に逃げるよう説得するが、彼女自身がそうすることを望んでいると知って、結局引き返した。

(会話の内容は、周りがうるさくて聞こえませんでした(謝))

−誘拐−

GM:ちょっと来て下さい(『ヒロイン』のプレイヤーを別室に連れ出す)

“鏡が光を放ち、その中から黒装束の人影が現れる。
 その顔は、(主人公)だ!

「ユーリナ、さあ、来るんだ。
 この向こうに行こう。
 そうすれば、君は死なずにすむ。
 君は、もっと生きたいんじゃないのか?
 俺は、君にもっと生きて欲しい。
 この向こうに行けば、それが可能だ。」”

ヒロイン:その人は本当に『主人公』ですか?
GM:あなたにはそう見えます。
ヒロイン:いつもはこんなこと言わないんだけど…(笑)
GM:どうします?
ヒロイン:「…でも、これは、あなたのためなの…」

“「儀式がなんだ!運命がなんだ!
 そんなものはくそ喰らえだ!
 何者も、
 自らの意志で生きようとする者を止めることなどできやしない。
 そんな権利などない。
 たとえ神であろうとも。
 ユーリナ、愛してる。
 だから、生きてくれ。
 俺のことなんてどうなったっていい!
 一緒に来るんだ!」 ”

ヒロイン:うーん…
GM:彼は、あなたの手を掴んだ。
ヒロイン:プレイヤー的にはこのまま逃げたいけど、キャラクター的には…
GM:では、そのまま引っ張られて、鏡の中に…

………………

GM:これ見といて下さい(密書を渡す(笑))
ヒロイン:えー!(笑)

−翌朝−

GM:えーっと、朝からなんか町が騒がしいです。衛兵とか神官とかがばたばた走り回ってる。
主人公:町の人に何が起こったのか聞いてみる。
神官:「あまり大声では言えませんが、巫女様がさらわれたそうで…」
一同:えー!
ヒロイン:初めて知りました(笑)。
GM:あれ、言ってなかったっけ。…とりあえずそういうことで(笑)。

−楽園の夢−

神官:「“楽園”は、月にあります。」
《償う者》:は?
神官:「彼は、運命を受け入れることができないかもしれません。
    その時、この町は滅ぶでしょう。
    そうなってしまったら、あなたが彼らを“楽園”へと導いてあげて下さい。」
《償う者》:「それにはどうしたらいいんですか?」
神官:「言い伝えがあります。」

“・・・・・・4度目の、その悪夢の星の現れる時、
 町は滅ぶであろう。
 ・・・・・・その《樹の子》を大いなる守りの《樹》に捧げよ。
 さすれば《樹》は楽園への道を開くであろう。・・・・・・”

《償う者》:(笑みを浮かべて)「解りました。」

−地下墓地−

 一行は、3たび地下墓地に赴く。
 夢に『ヒロイン』が現れて、「運命の間」への道を指し示す。

−影−

 狭い通路をしばらく行くと、
 大きな両開きの扉の前に黒装束の人影が立っている。

「ついに、こんな所にまで来てしまったか。」
「全ては運命を変えるためだ。」
「聞こう。おまえはこの扉の向こうに行き、
 何をしようというのだ?」
「そう。ならば、俺とお前の目的は同じだ。
一緒に彼女を助けよう。」

“「鏡の奥底を見つめよ。
 そして真実を見いだせ
 決して 目をそらしてはならない。」”

「真実を見定めるだと?
 真実とは、いま見て、
感じている全てのものではないのか?」
「この扉の向こうに、運命がある。」

“「それは運命なのだ。もはや変えることはかなわぬ。」”

「運命そのものを変えなければ、
 彼女の命を救うことはできない。」
「迷うことはない。彼女を救うのだ。
 それこそがおまえの望みであろう?」

“「・・・・・・もし、運命に逆らうのであれば、
  ここで出会った全ての者たちは ことごとく死に絶え、
  この町は滅ぶであろう。
  そして最後には、
  お前はお前自身をも 殺さねばならなくなるであろう。」”

“赤い空。町が燃えている。
 悲鳴、怒声。逃げ回る人々。
 あなたは顔も服もボロボロに薄汚れたまま、ふらふらと町を歩いている。
 何かを探して歩いているような気がする。
 自分にとって大切な何か。
 しかし、それが何か思い出せない。
 思い出せないまま、だが何か焦がれるような気持ちで
 その何かをひたすら探し続ける。
 彼方から地に轟く笑い声。
 天を衝くほどの巨大な、蛇のような姿をしたその大きな影が、
 巨大な口を開いて町を喰っている。
 空を見上げると大きな星が真上で晄々と輝き、渦を巻いている。
 その中心には大きな眼のようなものがあって下界を見降ろしている。
 やがてその中からひとつ、ふたつ・・・・・・
 全部で12の光の筋が地上に降り注ぐ。
 閃光のあと、そこに先ほど見た大きな蛇のような魔物がまたも現れる。
 赤く光る邪悪な眼。
 全部で13のその影たちが町を喰らいつくしてゆく。

 ・・・・・・周りは燃えていて、ところどころ死体が転がっている。
その中にはあなたの知っている人もいる。
老人が倒れていて、かすかに息をしている。

「・・・・・・わしの・・・・・・息子が・・・・・・」

 探しに行くと、やがて子供が倒れているのを見つける。
それは、幼い頃のあなた自身だ。
しかし、もはや息はない。
老人に声をかけると、
もう、彼も冷たくなっている。”

おまえは俺だ。おまえ自身が俺を創り出したのだ。…

GM:あ、失敗。しゃべりすぎた(場が白けた。ホントの失敗(笑))。

影:「彼女を助けるんだな?」
主人公:「ああ。」
影:「好きにしろ。」消えた。

−運命の間−

GM:儀式が行われている。
   神官たちが詠唱している。
   祭壇の向こうにはひときわ大きな“とぐろ”が描かれている。
   《償う者》の母親(?)であるである神官が祭壇の向こうに立っている。
   『ヒロイン』が、白い衣装を身にまとっていて、その壇を登っていく…

主人公:ダッシュする!
GM:神官たちが取り押さえようとするよ。
主人公:たたっ斬る!
GM:では辺り一面血の海になる。それでも神官たちは止めようと寄ってくる。
主人公:…いい加減止めてくれ。
GM:じゃあ、君は取り押さえられた。

破壊者:でも、『短剣』は俺が持ってるはずだから…
GM:じゃあ、神官たちは君を取り押さえようとする。
破壊者:逃げる!
GM:すでに囲まれてるよ。
破壊者:じゃ、力ずくで…
GM:えーっと、1,2,3,4,5,6…人だから、とりあえず目標値50で振ってみようか(笑)。
破壊者:(顔をしかめながら)駄目…
GM:じゃあ、君は取り押さえられて、その短剣は奪われた。

ヒロイン:しゃべっていいですか?
GM:どうぞ

「ヒロイン」は、「主人公」に“真実”を認めるよう説得。しかし、どうしても彼はそれを認めようとしない(笑)。
(これまた周りがうるさくて、詳しい内容は聞こえませんでした(謝))

主人公:だめだ!だめだ!
ヒロイン:もう、これ以上は説得できないです。…
GM:しょうがないですねぇ。じゃぁ…

神官:「“真実”から目をそらしてはなりません。」
主人公:
だめだ!だめだ!
神官:「彼女は、あなたのいったい何ですか?彼女とあなたの本当の関係は?」
主人公:わからん!わからん!
神官:「それは、『解らない』のではなく、『解りたくない』の間違いではありませんか?」(笑)
主人公:いやだ!いやだ!
神官:「あなたは“それ”を言わなくてはなりません。」
主人公:やだー、やだー

破壊者:(しびれを切らせて)…“かあさん”なんだろ?早く言っちゃえよ。
GM:(笑)
主人公:やだー!やだー!俺は絶対に言わんぞ!
GM:はやくはやく(笑)。
主人公:どうしても俺に言わせたいってか?
GM:ぜひ言って欲しいですねぇ(笑)。

主人公:しょうがねえなあ…
   (すぅっと息を吸って…)「かあさーん!」ぜえ、ぜえ…

GM:(うなずく)
ヒロイン:では、段を登って…
GM:…寝台のようなものがあって、あなたはそこに横たえられます。そして、神官は手に持った短剣を振り上げて…
破壊者:ちょっと待った!その短剣は偽物…いや、偽物かどうかはそっちで判断してくれ…

GM:どうします?何かする人はいますか?
一同:
………
GM:…では、よろしいですね?

 短剣は振り下ろされた。
 血が…

主人公:もういいかげん駆け寄ってもいいですか?
GM:どうぞ。
主人公:もういいや(笑)。「かあさーん」と叫びながら駆け寄る。
   …もう、何も知らなかったから、あんなこともこんなこともしちゃったんですけど…(笑)
GM:(笑)…駆け寄りました。(『ヒロイン』の方を向いて)何か死ぬ前に言うことはありますか?
ヒロイン:いいえ。ほほえむだけです。

−決戦−

 風景が歪み、渦を巻いて消え失せる。
 気が付くと、一行は闇の中にいる。
 ぼぅっとまるく光る一角があって、そこに大理石の巨大な門がある。
 門の側に老婆が立っている。

「ついにすべては見いだされた。お見事。
 ただ、わしはもう疲れた。
 すべての夢を編み上げるのにはずいぶんと骨が折れたものじゃが、
 なんとかうまくいったの。
 さあ、あとは汝の出番じゃ。
 混沌の蛇の探索者よ、
 汝は汝のなすべきことがわかるな?
 さあ!最後の儀式を!
 汝のなすべきことを行うのじゃ!」

破壊者:門に近付いて触れます…
GM:…声がする…(紙を渡す)


『かの者をわれに捧げよ
それこそがわれを解き放つ方法なり』

破壊者:えーっ!そうなんですか?
GM:そうなんです。(笑)

…「破壊者」は門の向こうに「主人公」を誘い込む。
門の向こうには魔族がいて(笑)、魔族は主人公に襲いかかる。

GM:(『ヒロイン』に)一応亡霊としてそこにいるから、応援してもいいよ。
破壊者:え!?あの魔族って『ヒロイン』じゃないの?そうかと思って…
GM:違います(笑)。深淵の中だから亡霊だけど目に見えるし(笑)。
破壊者:じゃあ、魔族を攻撃します(笑)

戦闘の最中、「破壊者」が『叙事詩に残る一撃』を出す。

GM:うーん。避けれるけど…。
主人公:マスター、ここは彼に花を持たせようぜ。
GM:うーん…じゃ、そうしますか…
主人公:やられる前に「覚えておけ!」とか…
破壊者:それだけだとつまらんから、相討ちに…あの波動で寿命を吸い取られれば…
GM:…じゃあそうしましょうか…

魔族は撃退され、闇に沈んだ。「破壊者」も道連れとなった…

−エピローグ−

「主人公」
 記憶を取り戻した彼は、例の魔族に復讐を果たすための旅に出た。

「ヒロイン」
 守護霊となって「主人公」についていった(笑)。

「破壊者」
 深淵の底に沈んで、身も心も“とぐろ”になった(爆)。

「償う者」
 一応主人公に記憶を取り戻させることはできて罪の精算はできた。で、今後関わり合うのはごめんと主人公とは袂を分かって、旅に出た。

−−−反省−−−

 実に、レベルの高いベテランプレイヤーばかり集まってきてくれたおかげで、非常に充実したセッションができた。まずはプレイヤーに感謝。
 「主人公」をやってくれた人、もう、本当に自分の出番以外はグーグー寝てて(笑)、しかもあの巨体で机の上にごろんとしてるものだから(まぐろ…(笑))、結構目に毒だったが(笑)、ちゃんと自分の出番はきっちり決めてくれて、いや、良いプレイヤーだった(笑)。(普通のところだとたぶん煙たがれるんだろうが、私のところでは問題にならないね。)

 失敗したのは、エンディング付近の詰めの甘さであった。

第1に

「終わりは決まっていない(選ぶことができる)」

という趣旨を伝えられなかったのが実に残念であった(そこが面白いのに)。どうもストーリー主体のシナリオだと「終わりは決まっていて、プレイヤーはそれに従わなくてはならない」という先入観がプレイヤーにあるようである。

第2は

「ルール(特に戦闘)を生かし切れなかった」

点で、なあなあでプレイヤーが勝ったことにしてしまったが、「深淵」では「寿命」「カード」「縁故」といったルールを駆使することで、ほとんどの、プレイヤーの望むご都合主義的展開を実現できるようになっている。しかもそうやって無理した後にきちっと反動もあって、その辺がゲーム的に面白いのだが、それを生かせなかったのはせっかく「深淵」をプレイしたというのに、実にもったいなかった。
 まあ、このシナリオは、ほとんど戦闘がなくて、プレイヤーが不慣れだったというのもあるし、私自身も不慣れだったというのもあるし、その辺り、修行せないかんなと思ったものである。

 いずれにしろ、充実したプレイができたし、プレイヤーもそれぞれ自由に動けたみたいだし、いろいろ面白い話もできて、実に楽しいセッションでした。

おわり