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3.場面


〜『すべてが鏡に於いて等しくなりし時、それらは一つとなる。』〜


◆依頼(『片腕』とレーヴェの会談)

「腕を治して欲しい?
(魔導師は君の体をじろじろ見る)
 …ふむ、そうだな、できないことはないが…
 …ひとつ、仕事をしてもらおうか。
 それができたら、引き替えに治してやろう。
 その前にちょっと体を調べさせてもらってかまわないかな?」

「“緑の猟犬”というのを知っているかね?
 非常に危険な組織でね、最近この辺りで密かに活動しているという噂がある。
 それで、奴らがいったい何をしようとしているのか、秘密裏に調べてもらえないだろうか。
 奴らのメンバーがどこにいるか、知れたものではないからな。
 奴らの一員だという一番の証は「緑がかった白の痣」だ。
 少なくともおまえの体にはそれがない、ということはまだ、その一員ではないようだね。
 報酬は充分に払おう。危険な仕事だからな。
 もし必要があればそれなりに助力もしよう。
 どうだ、頼まれてくれないか?」


◆噂話

「ここだけの話なんだが、ザジとかいう名前の魔法使いがね、その、人を甦らせるとかいう術が使えるという話だよ。
 あれは禁じられた技だからね…。」


◆夢占い師−ベルダ

・『ザジ』に関して
「もう、おぬしはそやつに会ったことがあるのではないかな?
 (『双子』の外見をそっくりそのまま描写する。)
 そいつがザジじゃ。」
「もしそいつが自分がザジであることを否定するとすれば、考えられる可能性は2つある。
 1つ目は、何かの事情でそやつは自分の素性を隠さなくてはならないという可能性。
 もうひとつは、そやつは自分がザジであることに気付いていないという可能性じゃ。
 …たとえば、記憶を失ったとかな。」

・『双子』に関して
「鏡が見える。
 鏡の向こうに、お主の探し求めている者はいるであろう。
 鏡を探すのじゃ。」


◆町の封印に関して

 「吐息の大公タンキンの片腕」が封じられていると言われる。その封印は森の奥深くにあり、それが再び開かれぬよう、神が遣わした存在が森を守っているそうである。


◆鏡の都

 深淵の奥深くに沈んだ「鏡の都パレンティウス」という名の町が存在していると言われる。それは鏡の向こう側にあり、鏡を通じて行くことができるそうである。
 その"鏡"が現在どこにあるかは不明であるが、その所在に関して2つの説がある。

 1つ目は、地の底にあるという説。その説によると、町に封じられているのはその"鏡"であり、「吐息の大公タンキンの片腕」などどこにも存在しないとされる。その亜流の説で、"鏡"も「吐息の大公タンキンの片腕」封じられているのだというのもあるが、それは互いの魔法的影響が強すぎて不可能であろうという考えが一般的である。

 2つ目は、天界にあるという説である。[古鏡]座の星のひとつ[セレスト]こそが、その"鏡"であるとその説は主張する。しかし現実にはそのような星は観測されず、現在では「幻の星」と呼ばれている。
 非常に信憑性の低い言い伝えでは、その星を見た者はその星に導かれて星の世界に行ってしまい、二度と帰ることはないと言われ、不吉の星と恐れられている。


◆鏡の書

一.鏡に映らぬものは、その向こうに行くことはできぬ。
一.等しくないものは、その向こうに行くことはできぬ。
一.すべてが鏡に於いて等しくなりし時、それらは一つとなる。