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6.崩壊


〜『おまえはだまされている。いい加減に目を覚ませ!』〜


◆白い樹の下に

 白い樹の下を掘ると、布に包まれた長いものが出てくる。布を取り去ると、するりと大きな刃が現れる。それは月に照らされて、鈍く輝きを放つ。
 鎌だ。大きな鎌。

参考:「破封の大鎌」

修正:+4/効果値:4打/防御:2/硬度:40

運命:「呪われた出自」【翼人】:吸血鬼

・社交+6/他の能力値+3/寿命+6
・日中1ターンごとに効果値1のダメージを受ける。
・新月の晩ごとに寿命1年減少し、血に飢える。
・毎晩、前回血を吸ったときからの日数を目標に意志の判定を行い、失敗すると血を吸わずにいられなくなる。
・人間一人の血を全身に浴び、その生気を吸うことで寿命1年増加。

備考:
 この大鎌には封印を破壊する力があります。1度の使用で封印の強度を40減らすことができます。その代わり硬度が10減少します。この硬度の減少は半永久的なもので、修理しても直すことはできません。
 ただし、人一人分の新鮮な血に1晩浸しておけば、その生気を吸収して硬度10回復します。硬度の上限は40です。

 持ったとたん、手のひらに熱を感じ、それが全身に伝わってくる。
 あかいイメージ。まっか。すべてが、あかく染まって。

「すべては汝の意のままにある。
 汝は巨人。
 すべては汝が定めたとおり、そこにある。
 すべては汝が定めたとおり、変化を遂げる。
 すべては自在。意のままに。」

「それで」

 彼女の声がする。

「封印を壊しなさい。」

(運命:[魔法の武器]獲得)


◆洞窟

 岩肌に、下へと続く闇がポッカリと口を開けている。
 ぞくっとするほど冷たい風が、耳元を吹き抜ける。


◆魔導師

 暗闇に、明かりが灯っている。
 広間の中央の岩の上に、人影が見える。
 その身体は獣毛に覆われている。
 光る眼が、こちらを凝視する。

「だれ、だ?
 ここに、立ち入る、ことは、禁じられて、いる。
 ひき、かえせ。」

「おまえは騙されて、いる。
 いい加減に、目を、覚ませ。」


◆影

 …奴にとどめを刺したと思った瞬間、それは闇に溶け込むようにして、消える。

 …激痛がして、振り返ると、そこに奴が立っている。
 その手に、血に染まった短剣が握られている。


◆鎌

 金切り声を立てて、その刃が地面に突き刺さる。
 地面が揺れ、亀裂が走る。
 その裂け目から、風が吹き出す。


◆解放

 もう一度振り下ろすと、ひびはさらに広がり、轟音と共に砕け散る。そこからものすごい勢いで白い風が吹き出し、辺りを見えなくする。風は広場全部に吹き荒れ、渦巻く。ガラガラと岩の崩れる音が聞こえる。ずしんと地響きが起こり、どこか遠くで悲鳴が上がる。

『からだを、かえせ』

 声が、ひびく。


◇右腕

星座:風虎
召喚値:93
影響値:10

出現形態:巨大な、獣毛に覆われた腕。

魔力:
 「風」:西風を支配する。
 「真実の風」:風の中に、真実の影をかいま見せる。

下僕:なし。

子供:「風の子」

魔剣:「西風」

運命:『吐息の大公タンキン』の右腕。(基本ルール「世界の書」参照)

関連教団:なし。


◆壊れる(『破封の鎌』の硬度が0になった場合)

 それは最後の一撃を放ったあと、粉々に砕け散る。


◆陽光(『愛人』用。[魔法の武器]を受け取った場合)

 あさ。陽の光。
 その手が、ぶくぶくと水膨れのように腫れて、灼ける。
 痛み。