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背景


◆町の古謡

≪内容概説≫

1.かつて町に立派な領主がいた

2.ある日、領主は病に臥せった。

3.町じゅうの医者が呼び寄せられ、診たが、誰もその病を治すことができなかった。

4.ある日、男が現れた。男は娘を差し出せば、その病を治してやろうと言う。

5.最初、身代わりを立てて偽の娘を差し出すが、病は治らない。

6.男が再び現れ、本当の娘を差し出せと言う。

7.またも身代わりの別の娘を差し出そうとするが、男はすぐにそれを見破り、怒り出す。
 そして、本当の娘を探し出すと、彼女を連れ去って行ってしまう。


◆三つの呪い

◇第1の呪い
 オレアナという名の女がいた。彼女は実の兄を愛し、その子供を宿した。しかしその子供は「呪われた子」であった。彼女は「呪われた子」を宿していることを知られ、生きながら、子供を宿したまま焼き殺された。しかし彼女は魔物となって甦り、暴れまわったので、人々は魔法の力を借りてこれを封じたと言われる。その封じた者の一人が今の領主に連なる者であるそうである。

◇第2の呪い
 あるとき、とある女が「呪われた子」を産んだ。
 彼女はそれが「呪われた子」であることを知っていて、自分の子を殺すには忍びなかったので、その子供を隠した。
 ある日、人々は彼女が「呪われた子」を産んだことを知り、その災いが振り撒かれる前に何とかしようと、彼女にその子の居場所を言うよう、詰め寄った。しかし彼女は子供の事を言わず、結局人々はその女を殺してしまった。
 すると、巨大な魔物が現れ(それは、オレアナの時と同じ姿であったと、後に語られるようになった)、その町を焼き尽くし、滅ぼしてしまったという。

◇第3の呪い
 それは、このシナリオそのものである。


◆“聖水”の秘密

 この世には、紛れもなく「呪われた子」というものが存在しています。その存在は、何もせずとも、ただそこにいるというだけで、この世の災い・不運の数々を呼び込み、いずれ滅びをもたらすと信じられています。

 さて、もし、そんな恐ろしい「呪われた子」を授かってしまった時にはどうすればいいか?

 …このことは誰にも話してはなりません。もし言えば、あなたの身に恐ろしいことが起きることになるでしょう。周りに誰もいないことをよく確認してください。…

 たとえば、あなたが男で、あなたの妻か恋人に子供ができて、しかもそれが「呪われた子」だと知ってしまったならば、これを飲ませなさい。

 これは、“聖水”です。正真正銘の。

 世間一般に配られているような混ぜもののされた、そんな安物とは違います。これは、神殿の奥深くの、本当の神の力を授かった泉から採取された本物の“聖水”なのです。

 これを飲ませれば、その悪い子供を生まれる前に始末することができます。

 母親には何の害も与えることはありません。

 また、間違って本当は呪われていない子を殺してしまうようなこともありません。もし、これを飲ませて、その子が死ぬのであれば、それは「呪われた子」だったのです。そうでないのであれば、何も起きません。“聖水”を与えたのですから、むしろその子は健康に、すくすくと育つようになるでしょう。

 ひょっとして、あなたの子が「呪われている」とお疑いであるのならば、これを飲ませて見なさい。
 そして、確かめてみるといいでしょう。


◆消えた妖精の城

 かつてこの町には、巨大な妖精の城があった。
 200年ほど前、妖精たちが姿を消した頃、その広大な城は跡形もなく消え失せた。

 今では、ときおり占い師が、夢の中でそのおぼろげな影を垣間見ることがあるという。


◆巫女送りの儀式

 魔物が領主の夢に現れ、
 その命を奪おうという時、
 巫女を送って、魔物を鎮めると良い。

 巫女は、あらかじめ運命によって定められている。
 その身に宿りし呪われし子の血が、
 その魔物を呼び寄せるのである。

 巫女を探し出し、
 儀式によって扉の向こうへと送り出せば、
 魔物の憎悪は鎮まり、
 領主にかかった呪いも解けるであろう。


◆魔族の教団

 この町に封じられた魔族を調査し、もし味方に付けられるのであれば、開放して味方にしようとしている。
 彼らはこの近隣に現れる“龍”の力をも操ることができると言われる。