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<夢歩き〜たぶらかしのテクニック(笑)〜


<序論>

 「夢歩き」については「深淵」関連の多くのサイトでその方法論が書かれています。だから今さらここで書くのもあれなんですが(笑)、僕の方法論を整理して総括的に書こうかと思います。部分的に参考になるところでもあれば幸いです。


ー総覧ーーー

<序論>

<「夢歩き」ルール概略>
 1.「運命」の概念
 2.ルール上の記述

<夢歩きの機能>

<夢歩きは予定調和のためにある>

<簡単な「夢歩き」のやり方>

<「語り部」の選び方>


<「夢歩き」ルール概略>
1.「夢歩き」の概念
 「夢歩き」とは、キャラクターの魂がさまよい出て「深淵」の中へ行き、そこでさまざまな幻を見ることである。その幻(夢)の多くはそのキャラクター本人か、身近な存在の「運命」にまつわるものであることが多い。

2.ルール上の記述
 ルール上「夢歩き」については以下のようなことが記述されてます。

・「夢歩き」技能で目標値以上が出たら「夢歩き」に成功する。
・判定に成功したら手札を1枚補充できる。
・手札を1枚出さなくてはならない。
・手札の「語り部」をテーマに夢の内容を決める。
・判定に失敗したときは「語り部」の言葉を聞くのみ。
・夢歩きに大失敗した場合は悪夢を見る(帰ってこれないこともある(笑))
・達成値20以上になると深淵に棲む魔のものに遭う可能性がある(帰ってこれないこともある(笑))
・達成値25以上になると魔族に遭う可能性がある(帰ってこれないこともある(笑))
・夢の中には基本的に縁故を割り振った物品しか持ち込むことが出来ない
・夢の中でのダメージは「精神力」に変換されて適用される
・夢の中で死亡(精神力0)になった者は現実に帰ることができなくなる。肉体は塵のようになって崩れて果てる。
・夢の中では「刻印」は、そのポイント数の全身鎧として機能するようになる


<「夢歩き」の機能>
 夢歩きの機能には以下のようなものがあります。

・GMがプレイヤー(&PC)にシナリオ上のヒントを与える
・プレイヤーがGM&他のプレイヤーに自分のキャラクターの人となり&背景設定を見せる
・クライマックスの予行演習をする
・セッションの方向を調整する
・いまの現実の物語の補足情報を見せることで自分のキャラクターの物語を補完し、ストーリーとして完成させる
・シナリオ上の問題を端的にわかりやすく見せる
・「深淵」世界らしい雰囲気を醸し出す

 「深淵」では、基本コンセプトとして「美しいストーリーを作るゲーム」を謳っています。
 あるキャラクターのセッションを「物語」として完成させるためには、キャラクターの背景設定を見せることが必要になります。舞台背景の設定を見せるのも必要ですし、TRPGではリアルタイムに「物語」を創出していくので、その展開をGM&PL間で調整する必要が生じます。

 それらの機能を一手に担っているのが「夢歩き」です。

 これは、実に画期的なシステムです(でした)。キャラクターのストーリーの舞台が「冒険しているその場面」だけでなく「夢の中」という第2の舞台を得たということで、多元的(多視点的な)な物語が出来るようになったのですね。


<「夢歩き」は“予定調和”のためにある>
 <「夢歩き」の機能>補足ですが、夢歩きというのはGM&PL間で望ましい結末(予定調和)を創り出すためのシステムです。「TRPGで“物語”を協力して創り出したい」というスタンスでプレイする場合には、「夢歩き」は非常に有効に機能します。ですから、原則として「夢歩きは他のプレイヤーに見せるものである」ということになります。「見せるプレイ」を意識することは「深淵」では極めて重要です。


<簡単な「夢歩き」のやりかた>
 夢歩きは「「深淵」のGMは難しい」といわれる根拠としてもっともよく採り上げられるものです。

 しかし、本当に難しいのか?と言いますと、ちっとも難しくはありません。「深淵」というゲームにおける「セッション」の位置付けが他のシステムと根本的に違うがために「難しい」と言われますが、それは単純に「やり方を知らない(ルールブックを見てもよくわからない(笑))」からというだけです。

 以下に「夢歩き」の基本的なやり方を列挙します。夢歩きには以下の4つのやり方しか存在しません。あとは、それらの複合・応用だけなのです。

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[1]裏設定を見せる
 PCがシナリオに関わるために重要な裏設定を夢で見せるというものです。これは、あらかじめ作っておいてそれを読み上げるだけで構いません。プレイヤーが「語り部」を選びますが、それに合わせる必要は全くありません(笑)。プレイヤーが選んだ「語り部」によって夢の印象が微妙に変わります。このタイプの夢では、「語り部」にそれ以上の意味はありません。

 このとき、多くの人はシナリオ上その時点で知られるとまずい情報(事件の犯人は誰だ?とか…)は伏せておいた方がいいと思うでしょう。

 それは間違いです。

 大抵の場合、思いっきりあからさまに言ってもプレイヤーには理解できません(笑)。そうでなくとも、プレイヤーは信じたがらないでしょうし(笑)、夢なのでそれが真実であるなどと保証する必要は全くないのです(笑)。

 このタイプの夢で本当に唯一重要なことは「本当のことを言うか?嘘を言うか?」という、ただそれだけです。

 本当のことを言う場合には、セッションは予定調和なメロドラマになります。嘘を言う場合には、悪意の混じった陰謀劇になります。そのセッションをどんな話にしたいかという目的に合わせて、本当のことを言うか、嘘をつくか決めて下さい。

[2]思い出話をさせる
 プレイヤーにPCの思い出話をさせて、その人となりを他の人にも見せるタイプの夢歩きです。オープニングの夢歩きは、多かれ少なかれこのタイプの夢にするといいでしょう。このタイプの夢の場合、状況設定はプレイヤーに考えてもらう方が楽ですし(笑)、その方が「らしい」話になります。

 気を付ける点は「どの縁故を夢に登場させるか?」だけです。

 NPCの場合には、GMが適当に合わせて会話してあげるといいでしょう。NPCが夢に登場するときはチャンスですので、そのキャラクターの運命上の問題提議をすると良いです。縁故がPCの場合にはさらにプレイが楽になります。せっかく担当のプレイヤーがいますので、その人に話してもらうといいでしょう。ただ、話の調整のためにNPCを登場させた方が話をまとめやすくなると思います。

[3]問題提議をする
 シナリオ上の問題提議をして葛藤を演出するための夢歩きです。これは完全にパターン化できます。やり方を以下に箇条書きします。

<1>対話の相手(縁故)を登場させる
<2>PCの意見を聞いてはっきりさせる
<3>登場した縁故に必ず反対意見を言わせる
<4>結論が出る前に夢を強制的に中断する

[4]運命の予行演習をする
 運命によってもたらされるであろう結末を見せるタイプの夢です。プレイヤーに心の準備をさせるための夢です。実際その通りになるかどうかを考慮する必要は全くありません。個人的には、「意識的に全力で逆らおうとしない限り、どんなにあがいてもそうなってしまう」というくらいの強制力があった方が「運命」らしいと思います。

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 夢歩きには、コンセプト的には以上4つのタイプしか存在しません。以上の4つのタイプを使い分けることが出来るようになれば、もう夢歩きはばっちりと言っていいと思います。ただ、ここであげているのはあくまで「コンセプト」に過ぎません。要するに「骨格」です。とりあえず、骨格さえしっかりしていればあとは何とでもなりますが、その上にどれだけ肉付けできるかがあなたの表現の豊かさに繋がります。まあ、その辺は良いものを観て感性を広げるしかありませんけど…。


<「語り部」の選び方>
 夢歩きというのはイメージの世界です。「語り部」を選ぶというのはプレイヤーがGMに対してイメージを提示するということです。語り部の内容の解説に関しては在胡先生のHPに詳しい記事が載ってますので、そちらを参考にして貰えるとよいと思います。ここでは、「語り部」を選ぶ際の心構えについて解説したいと思います。

[1]現状分析の語り部
 オープニングの夢歩きや、迷ったときなどに自分のPCの現状にいちばんふさわしそうな「語り部」を選ぶというものです。これはGMに「このPLは自分のPCの現状についてこんなイメージを抱いているのだな」というのが伝わり、それを加味した夢歩きをすればイメージの共有が深まるでしょう。

[2]希望の提示
 これは、実は決断の夢になります。PC/PLは「こうしたい」と望んでいますが、実際は運命でそうなるとは限りません。GMが語り部の意を汲んで夢歩きを創出した場合、「希望」がかなうか、かなわないか、その選択/分岐の状況を見せる夢になる可能性が高いと思います。

[3]イメージ合わせ
 プレイヤーがGMのイメージに合わせようとして語り部を選ぶ場合です。その方向の夢が深まるでしょう。その方面についてより深い知識が得られるような夢になる可能性が高いです。


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