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5.侵入


〜『ところで、
  あなたはいったい誰を生贄に捧げたんですか?』〜


◆誘い

「あなたの目的は何?
 あなたはいったい何がしたいの?」

「何をしたいのがわからないのであれば、私があなたに目的を上げましょう。
 私の同士になりなさい。
 共に力を合わせて、この世界を変えていきましょう。」


◆死霊

 …その扉の前に、女の死霊が立っている。(『失いゆく者』の縁故。)


◆亡者たち

 砦の地下にガレスの妻と娘(死なざる者)が閉じ込められている。

「死なせて」
「死なせて」
「生きているのか、死んでいるのかもわからぬこの不条理な生。」
「このような姿を、もう人に見せたくはありません。」
「だから」
「はやく」
「死なせて」


◆夢(運命:「運命の出会い」を持った者の夢)

 女が現れる。

「逢いたかった…」

 抱擁。


◆侵入者(運命:「運命の出会い」を持った者)

 細い路地。
 月の光が差している。
 誰か立っている。
 女だ。

「逢いたかった…」

 抱擁。

「あの剣が、欲しいの。ねえ。お願い。」
「あの剣と私と、どっちが大事なの?」


◆暴露(『記憶を失いし者』)

「あなたに秘密をひとつ、教えて差し上げましょうか。
 いえ、知らないほうがいいかもしれませんね。
 世の中には知らない方がいいことがありますから。」

「ところで、
 あなたはいったい誰を生贄に捧げたんですか?」

「覚えてないの?
 ひどい人…」


◆刺客

 女は、すっと、あとずさる。
 その口元に微笑が浮かぶ。

 物陰から、大きな蜘蛛が現れる。
 二匹。


◆ガレス

「それがたとえ、世間一般では間違っていると言われたとしても、だからと言っておとなしくあきらめることができるか?
 お前の愛する者が死んでしまったとしよう。もう一度、愛する者と会う方法があると知って、お前はそれをあきらめることができるか?
 それがもはや"ひと"と言えないとしても、あたかも生きているかのように話すことができ、その心を通わせることができる。それを『世間一般では間違っている』という取るに足らない理由で、すべて否定し、殺すことができるか?
 私にはできない。
 間違っていると言われようが、かまわない。
 私にとっては愛する家族が生きて、そこにあることの方がはるかに重要なのだ。」

「死んだら、すべては終わりだ。
 たとえその考えに従えないと思っていたとしても、
 生きてさえいれば、いずれ変わる時が来るであろう。」


◆儀式

 魔剣でもって、その魔族の首を切り落とす。
 黒い血が、だくだくと地面に流れ落ちる。
 地面に描かれた魔方陣に変化が生じ、そこに闇に包まれた穴が大きく口を開く。


◆深淵閉鎖(できる人がいる場合)

 その深淵への門が閉じようという時、中からひょいとガレスが現れる。『騎士の子』の手をつかむ。

「お前も来い。
 私に力を貸してくれ。」

 術者の目の前に、ふっと、赤い服を着た女、カーラが現れる。

「お前はそうやって私の邪魔をしようというのね。
 (笑う)
 お前にもうひとつ、運命をあげましょう。」

 …笑い声を残して彼女は消え去る。