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3.遠征


≪運命≫に関する実験その1


◆記憶のありか

 おそらく『騎士の子』がその村(小さな町?)のありかを思い出す。そこに行けば、ガレスは自分の記憶を取り戻せるかもしれない。
 『失いゆく者』は、その村に「縁故」がいる(らしい)ことを思い出す。


◆旅の目的

「君たちはいったい、何のためにこの旅をしようと思ったのだね?」


◆魔剣の憂い

「その魔剣は、何か悪い力を持っていて、いずれ持っている本人や、その周りの者に災いをもたらすかもしれない。その前にそれを何とかした方がいいのではないかな?」


◆密談(『騎士の子』)

「おまえのことを信用して言うのだが、私は、あの魔剣をどうにかして手に入れたい。
 私はある人に恩があって、その方があの魔剣を欲しておられるのだ。
 私に、力を貸してくれ。」

「いっとき病が流行ってな、妻と娘がその病にかかってしまった。
 直す方法はないと言われて。
 そんな時、その病を治す方法を教えてくれた方がいたのだ。
 だから、私はその方に恩がある。」

「その方は、クレド様と言う。
 今はどこか遠くの地に旅立たれている。
 その方が戻られた時に、それが必要となるのだそうだ。」


◆取引(『失いゆく者』の夢)

 赤い服を着た、黒い長い髪の女が現れる。

『悲劇はお好みですか?
 あなたはそういう運命をお持ちです。』

『あなたの運命を変えて差し上げましょうか?』

−承諾した場合−

 彼女はあなたの額に手を触れる。笑みを浮かべ、

『では、呪われよ。』

※補足
運命:「呪い」(バリエーション)
 「縁故(5)」を即座に0にし、「死霊の加護」の運命を解除する。「赤い服を着た、黒い長い髪の女」に縁故5を割り振る(相手に対する感情も決める)。
 以後、「縁故(5)」を思い出すためには知性のロールで達成値20が必要となる。
 もし思い出したのであれば「呪い」は解け、「死者の誘い」の運命を得る。
 思い出そうとする場合、「なぜ思い出そうとするのか」をプレイヤーに確認すること。そもそもPCにとって、わざわざ一生懸命思い出そうとする理由など、どこにもなくなってしまっているはずだからである。

※補足2
 これによって『失いゆく者』は、このシナリオに参加する運命的な意味を失うことになるかもしれません。その「疎外感」こそがこの呪いの本質です。

「やることがなくなっちゃった。」
「暇だ。」
「目的が無いんだよね。」

とかプレイヤーが言ったら

「これは、そういう呪いなんだよ。」

と答えましょう(笑)。


◆明らかになる記憶(『記憶を失いし者』の夢)

 『記憶を失いし者』の、失われた記憶の中にある「縁故」を作り出す。「肉親」「恋人」など、愛していたというような強い感情を抱いていた相手が良い。『記憶』への縁故をその相手に移し変えること。以下の場面をプレイヤーと協力して語ること。

1)「縁故」の死の場面
2)「縁故」の再生の場面
3) 『記憶を失いし者』が「縁故」に再び死を与える場面

※注意点
 甦った「縁故」は「死なざる者」であり、ひどく弱弱しく年老いた姿をしている。通常の方法では殺しても、即座に再生する。とどめを刺すにあたって、「死の力(翼人)」又は「破魔の力(戦車)」を用いたことを印象付け、その方法でしか滅ぼすことができないことを暗示すること(「暗示」であって「明示」ではない!)。
 さらに、PCの一人がその方法を行使可能にすること。(「翼人」「戦車」の魔力を使える者がいるか、あるいはそれらの魔力を持った武器が使えるよう、適当にシナリオを調整してください。)


◆介入

 「縁故」を滅ぼした場面を見た直後に、赤い服を着た女が目の前に現れる。

『あの人にもう一度会いたいですか?あなたは、あの人に会いたかったからわざわざ甦らせたんでしょう?その想いは今でもあるのではないですか?
 会わせてあげましょうか?』

『では、運命をあげましょう。』

 承諾したら『死霊の加護』の運命をプレゼントしてあげてください。