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彼女はそのことを

悔いているけれども、

大好きなあの人に

それを言うことは決してできない。

 

たったひとりだけの秘密。

 

それは、彼女の心を

ときおり掻きむしる。

彼女はその痛みに耐える。

 

でも、もう、

慣れてしまった。

 

それでもときどきそれは

胸のなかでかすかにうずく。

 

彼女はその痛みを

抱きしめる。