8−3.滅びの歌
1.決着
「俺の負けだ。
もはや神の加護もない。
いさぎよく負けを認めよう。
・・・・・・・・・・・・
しかしまだ勝負は終わっていない。
何故、おまえたちをここにおびき寄せたかわかるか?
わからなければおまえたちの負けだ。
たとえわかったところでおまえたちにそれを止めることができるか?
さあ、やってみせろ!」「"銀の竪琴"を知っているか?
あれは別名『激情の竪琴』と言う。
あの竪琴にある種の宝石をはめて演奏し、
その聴き手の心の壁を一度崩すことができれば、
その者は永久に死ぬまでその感情に溺れ続けることになるのだ。
月の神殿のあのほこらの女神像の左目には何がはまっていたか分かるか?
あそこには『イーヴォの涙』と言われる宝石がはまっていた。
そして俺は竪琴とその宝石の両方を手にいれ、ある人物に渡した。
『イーヴォの涙』はいかなる感情をもたらす?
それは『慈しみ』だ。
俺が竪琴をやった人物はその力を用い、時の執政の心に働きかけるであろう。
そして執政は『慈しみ』に溺れ、命を愛惜しむがあまりにデュラの蹂躙を許してしまうのだ。
そして神の計画通りこの世は滅びの道を歩むことになる。」ゲラゲラ笑い出す。
「『慈しみ』がこの世を滅ぼす!
何という皮肉だ!
そして、何と愉快なことだ!」
2.演奏会
この時点で演奏会まで1、2日しかなく、しかもここに来るまでに5、6日かかっているので、通常の方法では間に合うように戻ることができません。
また何らかの方法でPCらの意志をファラノウムにいる人物に伝えたとしても、まさか「慈しみ」によって世界が滅びるとなどという話を信じるとは思えないし、吟遊詩人はごく清廉潔白な人物なのでやはり信じてはもらえないでしょう。
PCらが何としても帰るほかはないですが、それには魔法ぐらいしか手がありません。
強力な"瞬間移動"の魔法を使うか、あるいは鳥などに変身して死ぬ気で全速力で帰るか、あるいは、第2部の最初のシナリオで作った《オザンの飛翔》の魔法で光になって帰るくらいしか手がないでしょう。
いずれもできなければPCらの敗北です。できたとしてもどのようにして阻止するか。
吟遊詩人(名前は「ナユタ」)は賓客として迎えられているのでうかつなことはできません。
説得しようとしてもナユタはある程度事情を知った上でことを成そうとしているので、その意見を変えさせることは無理でしょう。
表面上、彼の考えの方が一般的には正しいということになってしまうでしょうから。「・・・・・・あれは、神の啓示だったのだ。
この竪琴 は神から与えられた物だ。
神は言われた、力に対して力でもって立ち向かうというのは間違っている。
それでは永久に争いがなくなることはない。
時の執政がこの災禍にあたって極めて危険な力を用いようとしているそうだ。
確かにそれを用いればこの災いの波を止めることはできよう。
が、それによって刻まれる大きな傷は永久にこの世に影を落とし続けるであろう。
だからそれは阻止しなくてはならない。
たとえ一時この国が滅びようとも、『慈しみ』による救済を信じ続ければ必ずこの世に真の平和が訪れるはずだ。
あれは何があっても解き放ってはならぬのだ。」☆"薄暮の"ナユタ
種族:??? 性別:男?夢見:?
クステ:闇? 地縁:? 霊縁:?
体力:20 運動:20 感覚:20 霊感:20(+5)
愛敬:5 美麗:10 威厳:15 畏怖:1(+5)
HP:20 /20 /20
幸運:文化の香りの高いものを身につけている
不運:嵐の中
武術・魔術:《終始剣》《夢想弓》
技能:古代神聖語10 精霊古語20 古代龍語10 馬術10 社交15 植物学5 美学10 歌唱15 竪琴演奏15 詩歌15
信仰:メディート
攻撃:2D6+3※(光剣)
魔法:"イーヴォの戒め"
備考:赤銅色の髪、白肌、鳶色の目。ファラノウムに住む者たち全てを敵に回してでも、ナユタの成そうとしている企てを阻止すれば、最後の試練はクリアしたことになります。
やらなければジ・エンド。
シビアですが仕方ありません。
PCたちがナユタの成そうとしていることを完全に阻止すれば、ファラノウムにいるすべての人たちがPCの敵となります。おそらく逃げることになります。
その時、ヴァレリアが巨大な緑色の蛇に変身し、PCらを運んで再び神の国へと導いてくれます。