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戦術指南/Fローズ編


論旨
1.能力値
2.武器
3.防具
4.武術
5.有利な状況を作る
6.「幸運な状況」
7.魔法
8.感情
9.魅力値
10.信仰
おわりに


論旨 ↑↑

 今回はFローズの「戦闘」における戦術について書いていきたいと思う。さらに、より高度でスリリングな戦闘をするために、各種のオプションルールおよび、「武術」に関しても言及していきたい。
 なお、現在手元に資料がないため、うろ覚えの記憶を元に書くため、細かい部分で誤りがあるかもしれないということをご了承いただきたい。


1.能力値 ↑↑

 Fローズでは戦闘の方法によって使う能力値が異なる。具体的には以下の通りである。

体力…格闘戦闘
運動…近接戦闘
感覚…射撃戦闘
霊感…魔法・夢想弓(メルエ=ユライド)

 Fローズの戦闘でよく使われる能力値の筆頭は、「運動」であろう。普通に武器を持って殴ると言えば、この能力値を使う。モンスターの場合、この値が高い敵は「強い」と取られる場合が多い。
 2番目によく使われると思われるのが「霊感」。Fローズでは魔法攻撃がわりと強い(防具が効かないことがあるため。GMの裁量次第だが。)。妖精族はよく武術:夢想弓を使うが、これも防具無視で霊感で判定する。
 3番目に使うと思われるのが「感覚」。普通に飛び道具を使うならこの能力。
 一番使わないと思われるのが「体力」。なぜなら、格闘戦闘に入るためにはまず「運動」の対抗RRを行わねばならないにも関わらず、概して「体力」の高いモンスターは「運動」が低い。よって自分の間合いに入る前にチクチクやられて倒されてしまうことが多い。

1−1.「体力」を使う

 体力の高いキャラクターは、その体力に比例してダメージが大きくなる。ので、攻撃を当てることさえできれば、通常の近接戦闘よりも効果的な打撃を当てることが可能になる。

 GMが「体力」の高いモンスターを使ってPCを苦戦させたい場合には、まずPCの「運動」を封じる必要がある。地形・場所・罠を利用して「動き回りにくい」状況を作るという手もある。が、それは場所が限定されてしまう。場所が限定されない方法としては「数を出す」という手が使える。動き回れないように数で取り囲んでしまえばいいのだ。幸いFローズでは「数が多いと命中に+5」という修正が加わるし、うまく背後を取れば+10くらいの修正が得られるであろうから、格闘戦に持ち込める確率がぐっと上がる。

 ほかに、クラーケンなどの巨大なモンスターの場合には、そもそも間合いを詰めなくてもいきなり格闘戦に入り込むことができる。PCの側からすれば、この手の敵には気を付けた方がいい。
 「運動」はそれほど高くない場合が多いので、こちらの攻撃も当たるが、相手の攻撃も当たる。殴り合いとなるが、相手の方が体力の分ダメージが大きいし、体力が大きいということはすなわちHPが高いということでもあるので、まともにいったら勝てません。

1−2.「運動」を使う

 通常の戦闘は「運動」で判定するので、これを高くしておけば相手の攻撃を食らわずに、一方的に相手を倒すことができる。場所とかの条件で、こちらの動きを封じられることや、自分たちより多い敵と戦わないように気を付けていれば戦闘において最も強力な能力になる。

1−3.「感覚」を使う

 Fローズにおいては射撃武器はあまり強力ではない。(2D6+3が通常のMAXと言っていいだろう)しかも夢想弓を使うならいざ知らず、普通に「感覚」で判定して飛び道具を使う場合には防具の効果もきっちり受けてしまう。従って、「あまりぱっとしない能力」として軽視されがちだが、意外と「運動」や「霊感」の高い敵であっても、「感覚」が低くて当たりやすいことがある。

1−4.「霊感」を使う

 おもに「魔法」「夢想弓」で使う。いずれも防具の効果を受けない(受けにくい)ため、強力である。さらに、間合いに関係なく、離れたところからでも攻撃できる点が良い。

1−5.能力の弱点を突く

 戦い方によって、使う能力が変わるということは、すなわちキャラクターによって戦いの得手不得手のスタイルができるということである。敵の、低い能力を使った戦闘を挑むようにすれば、戦闘を有利に進めることができる。

 ちなみに素晴らしいことに、Fローズにはこの戦術を特に生かせる武術が存在している。それは「鷲撃刀」である。


2.武器 ↑↑

 Fローズの戦闘では、武器選びは極めて重要である。特に「打通効果」の存在が大きい。あらかじめ戦うべき敵がどんな敵かわかっているのであれば、それに合わせて武器を選ぶ必要が出てくる場合がある。

2−1.防具の無い(薄い)敵

 防具のない一般市民や、装甲の無い(薄い)敵と戦うには単純にダメージの大きい武器が有効である。能力値が低くても使いやすいのは槍系の武器など。

2−2.防具のある(厚い)敵

 通常のダメージは無視して「打通効果」の高い武器が有効である。「突剣」「大槌」などが強力。

2−3.総合的に…

 何と言っても最強は「大槌」であるが、これは能力の制限が極めて厳しい。
 安定して強いのは「刀」系の武器。能力値の制限も厳しくない。また、Fローズでは、剣より刀の方が明らかに強いので可能なら刀を選ぶべし。
 予備の武器を持つ余裕があるのであれば、装甲の分厚い敵対策に「突剣」がぜひ欲しいところである。
 ちなみに「体力」が低くて武器の制限の厳しい小人族の場合には、最初からダメージの大きな武器は持てないと割り切って、制限の意外と緩い「突剣」を持たせてプスプスやるのが極悪だ(笑)。

2−4.飛び道具

 近接武器の選び方ではいろいろ考えどころがあったのに対して、飛び道具の場合にはほとんど考慮の余地はない。単純に、能力の許す限りなるべく大きい弓にして、矢は金が許すなら「鉄矢」にしようというくらい。クロスボウのたぐいが使いづらい(矢の装填に時間がかかる)のはFローズでも他のシステムと同様である。


3.防具 ↑↑

 Fローズでは「打通効果」というものがあるため、いくら防具を着ても完全にダメージが止まることはない。したがって、防具を身につけるのは「受ける平均ダメージを最小限にする」ためということになる。

 そういうわけで、やたらと厚い防具にすると却って「打通効果」でプスプスやられることが多いので、Fローズでは防具は程々の厚さにした方がいい。GMが悪い人だと、こぞって「突剣」を持たせてプスプスやりに来たりすることがある(私がやりました(笑))ので気を付けよう。
 まあ、それはかなり特殊な状況だが、私自身の経験から言うとFローズの戦闘で一度に食らうダメージは平均13点くらいになると思う。「打通効果」は1D6で平均3.5点のダメージを食らう。理想的には「防御点を超えてダメージを食らっても、『打通効果』でダメージを食らっても、同じくらいのダメージになる」というのが良いと思う。で、結果として10かそれより少し少ないくらいの防御点が一番効率よくダメージを止めることができると思う。
(厳密にはGMがどの程度の強さの敵を出して来るかによって、状況が変わってくるのだが…)


4.武術 ↑↑

 ここでは主だった武術の解説と、戦闘でどんな効果があるかを説明したいと思う。

4−1.終始剣

 命中に+5修正、最初の一撃は必ずクリティカルするという極悪非道の武術である。これで何度かわいいモンスターを一撃で葬られたことやら(笑)。

4−2.波斬剣

 Bローズの頃は「終始剣よりも強い?」と言われた波斬剣もFローズではめっきり弱体化した(まるで格ゲーの続編みたいである(笑))。ゾロ目が必ずクリティカルするそうだが、あまりそれが決まったところは見たことがない。わざわざこの武術を使わなくとも、自分が常に「幸運な状況」になるよう工夫した方が手っ取り早かったりする。

4−3.夢想弓

 弓でしか使えないが、防具無視でダメージが行くという強力な武術。Fローズでは弓のダメージが比較的少ないというのが唯一の救い。

4−4.月光刀

 いわゆる二刀流。ダメージ2倍である。当たればかなり強い。

4−5.戦旗楯

 防御に成功したときにもダメージを与えることができるというひどい武術。強い。能力の高いPCを敵の群にぽいっと置いとくだけで、みんな掃除してくれるという、雑魚を片づけるには打ってつけの武術である。

4−6.鷲撃刀

 相手の弱点を自在に突ける悪い武術。敵に回すと実にいやらしい。

4−7.暗夜刀

 暗殺者用「終始剣」と言ったところ。普通の人間相手なら良く効くが、霊命値の大きいデカ物には火に油を注ぐようなもので効果が薄い。奥義が「殺さないと修得できない」ところが笑える。


5.有利な状況を作る ↑↑

 Fローズでは、相手より人数が多いだけで+5の修正、背後など突けば+10と、かなり修正値が能力以上に大きい。可能であれば少しでも有利な状況に持ち込めるよう考えて戦闘すると良い。


6.「幸運な状況」 ↑↑

 「幸運な状況」にあると、判定の際ゾロ目がクリティカルとなる。一撃で相手を葬れる場合もあるので、可能な限り常に「幸運な状況」になるよう配慮すると良い。


7.魔法 ↑↑

 戦闘に使える魔法について解説する。

7−1.攻撃魔法

 遠くに離れていても使えるし、防具も効かないので安定して強い。
 ちなみに最強は、何と言っても「闇のひづめ」。「霊感」ポイントダメージは、はっきり言ってゲームバランスを崩している。魔法使い用に強化したキャラクターなら、10〜20くらいのダメージが防御無視で行ってしまう。T&Tの「これでもくらえ」よりも強いかも。

7−2.補助魔法

 「運動」2倍の「ザリの加護」など、強烈なのが目白押し。パーティーでコンビネーションを組んで「魔法をかけて能力値強化→攻撃」とやれば、強力な敵とでも結構戦えるようになる。

7−3.回復魔法

 速攻で回復する手段が魔法の他には「感情を捨てる」しかないので、回復魔法はかなり重要。可能な限り修得した方がよい。「イーヴォの癒し」が安定して一番強いか?

7−4.その他

 「感情を増やす」魔法がかなり強烈である。相手を「激情」させることができれば劇的な効果を生む。


8.感情 ↑↑

 Fローズの売りの一つである「感情」ルールも戦闘においては大きな影響を与える。

8−1.激情

 自分が「怒り」や「憎しみ」などで激情すれば一時的に「運動」が2倍となって極めて強力である。逆に相手を「恐れ」や「やるせなさ」などで激情させれば、無力化することができる。

8−2.感情を捨てる

 HPが全回復し、全能力値・魅力値が1段階成長する「感情を捨てる」は極めて強力な戦闘オプションである。最終手段。最後の切り札という奴である。

8−3.感情共有

 魔法は1人でしか所持できず、その人物が感情共有すると実質2倍の感情を持てるようになる(2倍魔法が使えるようになる)という意味で極めて強力かつ有用である。


9.魅力値 ↑↑

 魅力値は、敵を敵でなくさせたり、相手の感情を増やしたりできるという意味で、戦闘においても有用に使うことができる。


10.信仰 ↑↑

 すっかり書き忘れていたが、信仰する神によっては特定の能力値・魅力値の判定にプラス(たいていは+5)されるものがある。
 たとえば、メディートを信仰した場合には「霊感」のRRに+5だったはずである。これはかなり大きい。ガルパニなら「体力」のRRに+5。などなど。サプリメント「ユルセルーム博物誌」には他のマイナーな神とその加護について書かれているので、それも可能なら参照してみると良い。


おわりに ↑↑

 Fローズは、ゲームバランスは結構どんぶり勘定で大ざっぱではあるが、状況を有利にするためにあの手この手でいろいろなことができるところが面白い。どうも細かいところまで凝って戦術を考えると「マンチキン」と取られる節があるのではないかと感じることがあるが、いかに少しでも有利になるように頭を絞って考えるか(そうして競い合っていくか)というのはゲームとして非常に面白いところであると思う。

 ということで、他の人に「ひどいー」とか言われてもめげずに、どんどん強力な戦術を考え出して取り入れていくと良いと思う。Fローズではそういった遊び方ができるところが好きですね。