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辛口TRPGシステム紹介

 昔書いた駄文の数々です(笑)。真に受けちゃいけません(^_^;)。


◆「蓬莱学園」−1996/03/20

 "学校"という閉鎖空間に対してあまりいい印象がないので、あまり学園ものは好きではないです。「蓬莱学園」は1度だけプレイしたことがありますが、なにかよくわからないまま終わってしまった気がする。どちらかというと"ロールプレイ派"のゲームだとは思いますが、あの"ノリ"のばかばかしさ、くだらなさにはついて行けないところがある。やたらに内輪受けに持っていきたがるあの雰囲気・・・・・・。つい何年か前までいわゆる"制服"を着て"学校"に通っていた自分がなんだか信じられない。やっぱり"学園もの"は肌に合わないな。


◆「格闘技のあるRPG」−1996/01/01

 はっきり言って、サイコロ振って、駒とか使ってややこしいルールで戦うくらいなら、コンピューターを使った方がはるかに楽になるしリアリティも増すと思うんだけどなあ。あるいは自分の体で実際にやる方のがリアリティが増すんじゃないだろうか。

 以前、ルール無しでRPGをやってた時には、戦闘シーンではただひたすら「こういう技を繰り出した」とか「それを避けつつこう反撃する」とか、言い合って、言い負かした方の勝ちにしてたなあ。

 思うのは、RPGの戦闘シーン(特に「格闘」に力を入れる場合)は、バランスとか何とかよりも、ビジュアル的にカッコイイものにして欲しいなと思います。カッコイイ戦いをしたいぜ。そういう面で凝っているシステムと言ったら「RPG福袋'93」の「プラネットナイツ」(だから〜、これは「聖○士星矢」とかみたいなのをやるRPGですよ。)なんか良かったんじゃないでしょうか?(え?何か方向が違う?)駒を使ってリアルな格闘をするというのであれば、1ユニット1キャラクターじゃ間接技とか細かい表現が出来ないんで、「腕」とか「足」とか体の各部分ごとにユニットを使って表現してみるとか・・・・・・。昔売ってた「戦闘メカザブングル」とかいうシミュレーションゲームがそういうあやしげなシステムだったと思いますが・・・・・・。


◆「ジャパネスクなシステム」−1995/11/06

 RPGではありませんが、今、いわゆるジャパネスクな感じの話で好きなのは、「送り雛は瑠璃色の」(思緒雄二、現代教養文庫、ゲームブック)と、「姑獲鳥の夏」(京極夏彦、講談社ノベルス、推理小説?)あたりでしょうか。やはり「和風」といったら妖怪とか幽霊とかの出てくるおどろおどろしい話が好きです。で、そういうシナリオをプレイしたいんですが、それが可能なシステムというものをぼくは知りません(知ってたら誰か教えてください。)。
 ・・・・・・全然システム評価になっていませんね。まあ、いいか。
 「天羅・・・・」にちょっと期待しています。


◆『クソゲーとは何ぞや!』−1995/09/09

 はぁ〜。

 「(最初の)ファイティング・ファンタジーをやったほうがましだ」と思えるようなシステムとか、「ジャンケンの方がまだバランスが取れている」とかいうのですかね。
 個人的な趣味で意見を言うなら、「(単純な)戦闘しかできないシステム」でしょうか。某D&Dのシステムをそのまま真似して、ダイスの振り方だけちょっと変えてごまかして、おまけ程度に適当な世界設定だけ付けてみて・・・・・・というのかな。例を挙げるといくつか出てきそうな気がしますが・・・・・・。 あと、「このシステムはこれが"売り"だ」と言いつつ、そのルールはサプリメントを買わないとわからないという"売り"の意味を取り違えたようなのとか、いろいろありましたね。

 とりあえず、スタートセットを買ってもまともにプレイできないようなのはダメだし、プレイできてもほとんど"人まね"というのは非常に問題ありでしょう。何年か前みたいにシステムばかりやたらにたくさん作られて売りに出るというのは、パソコンでハードばかりバージョンアップしていってソフトを作らないというのとあまり変わりなかったような気がします。

 最近はわりとちゃんとして、面白いのが出てるかなと思います。どれもちょっとばかり"重く"て、"プレイヤーを選んでし"まいがちなのが多いけど。スタンダードなのは出切ってしまったということでしょうか。僕は「こういうことをやりたいからこのシステムを使う」という選択の幅が広がっていいことだと思っていますけどね。


◆「N◎VA 2nd」−1995/07/12

 1の方は全く知らないので、知りません。
 2を初めて買いました。システムは非常に面白いなと思った。バランスは知らないけど。
 タローを使うのはとても面白いと思うのですが、キャラメイク時以外は非常に消極的な使い方しかできないのが少々残念に思いました。「カードを使ってプレイヤーの意志を反映させる」のならば、手札に大アルカナも入れてしまうとか(バランスが崩壊してしまう可能性もあるが)、大アルカナによって行える「奇跡」も、もっと柔軟性を加えるとか(難しくなるが)、いろいろ考えてしまった。背景世界をファンタジーにして、タローを使うシステムにしてしまえば非常に面白くなる気がするのだが・・・・・・。背景世界は背景世界でそれなりに面白いと思った。しかし、僕はいわゆるサイバー系というのがそんなに好きでもないんで、ちょっと・・・・・・。


◆『深淵』−1995/05/02

 軽コンでデザイナーのデモプレイを見て刺激されて、またちょうど自分のやりたいシナリオがイメージ的に合いそうだったので、正式バージョンではないけれどもプレイしてみました。長いシナリオで、まだ始めたばかりですが。はっきり言ってデザイナーの趣味丸出しで、妖しくも美しいシリアスなファンタジーをプレイするためのシステムなんですが、ゲームマスターがナルシスティックに自分の世界に酔ってしまいやすいです。

 さてシステムですが、基本的に「判定値+2D6(上方無限)」に統一されています。でもオプションルールとかいっぱいあって煩雑な感じがしました。

「カード」
 プレイヤーはカードゲームのように手札を何枚か持っていて、基本的に、何らかの判定の時に出すと達成値を増やしたりする事ができます。

「戦闘ルール」
 ひっじょ〜に重いです。やはりカードゲームのような感じでプレイするようになっているんですが、カードだとプレイヤーが色々と考えるようになるのでかなり時間がかかります。何か戦闘ルールだけ全く別のゲームみたいな感じがする。まあ戦闘は戦闘で面白いですが。戦闘のバランスは結構シビアで命がけです。

「寿命」
 ヒーローポイントとか潜在点のようなもので、消費する事で修正値として使ったりできます。でも使うと確実に死が近付きます。シビア。

「縁故」
 人(など)の縁です。ドロドロの人間関係ができあがります。深い縁故を持った人物はキャラクターに新たな運命を課してくれます。やれやれ。

「運命」
 運命は過酷なり・・・・・・。全てのPCには運命が与えられます。何かあるとすぐに運命を背負う羽目になり、運命を背負えば背負うほど話がズンズンと重くなっていきます。

「夢歩き」
 妖しい夢を見ます。プレイヤーがカードを選び、そこに書かれたキーワードをもとにした夢を見るんですが、ここでマスタリングの腕が問われます。既製のカードに意味ありげな言葉が書いてあるだけなんですが、ハマる。

「魔法」
 危ない魔法が多い。召喚するととんでもないものが出て来ちゃうし・・・・・・。

 個人的にこのシステムの好きなところはプレイヤーが自分のキャラクターの物語を作るのに色々積極的に介入できるようになっている点です。ドラマを作れる。
 数字面では「カード」「寿命」を用いることによってそれができます。
 "イメージ"面では、「夢歩き」の「キーワード」の選択によってプレイヤーとゲームマスターの間でのやりとりができるようです。

 「夢歩き」は妖しい夢を見て、それによってキャラクターが何かの"お告げ"を読みとるというもので、一種の情報を与える手段でもあるのですが、その夢の「キーワード」をプレイヤーが選んで決めるようになっているのです。それによって「どんな夢を見たいか」というのを漠然としたイメージでゲームマスターに伝えられるようになっている。そして夢というのはたいていキャラクターの「運命」に関わったものなので、間接的に「運命」に対するイメージをゲームマスターに対して言っていることにもなる(ようです)。

 ちなみに世界は過酷です。「運命」を扱おうとしているので、キャラクターは否応なく人生の中でも最大級の試練に立ち向かわざるを得なくなる。生き残れる保証は全くないし、たとえ生き残ったとしても冒険を続けられるとは限らない。冒険を続けられるとしてもそれがそのキャラクターにとって幸せとは限らない。でも過酷だからこそドラマが生まれるとも言える。

 まあこの辺はもう好みの問題ですね。目いっぱいシリアスなファンタジーRPGをやりたい人向きでしょう。


◆「ローズ・トゥ・ロード」シリーズ−1995/01/10

「Bローズ」

 僕はこのシステムは、伝説・神話あるいはそれ以上のレベルの壮大なファンタジーシナリオをプレイするためのものだと思っています(特にFローズと比較して)。

 「潜在点」のルールを突き詰めると、マジックアイテムの所持者同士がお互いに「潜在点」かき集めてその合計が多い方が勝つという別次元のゲームになる。英雄レベルならば100点単位、神様レベルなら1000点単位くらいにすればいい。さらに「加護値・嘆願」のルールもからめれば、より多くの潜在点を持った神をよりたくさん味方につけた者が勝つという風にすることもできてしまう。恐るべし。

 かなり融通のきくシステムで、やろうと思えば何でもできますが、はっきり言ってバランスはあってなきがごとしです。キャラクターのレベルが高くなるともはや緊迫感のある戦闘など「複製」の魔法でも使わない限り不可能になります(モンスターは1〜3レベル程度のキャラクターを対象にしかバランス取りがされていない)。粗いシステムです。

「Fローズ」

 Bローズよりはバランスがとれてるし、ある面とっつきやすくなったと思う。

 とても奥の深いシステムで「魅力値」「技能」「戦闘」「魔法」「感情」「マジックイメージ」「武術」「魔術」「アーティクル(精霊の宿った物品)」「幽魔族」「精霊」など、どれかひとつを使いこなそうとするだけでシナリオやキャンペーンができてしまう。興味を持ったルール・設定をひとつかふたつメインに持ってきて、ファンタジックなシチュエーションを楽しもうというようなプレイに向いているでしょう。

 本当にいろんなことができて面白いですが、問題はひとつひとつのルール・設定がどれも重くて、欲張ってたくさんのことをやろうとし過ぎるとゲームマスター・プレイヤー共々自滅してしまいかねないという点でしょう。段階を追って徐々にルール・設定を取り入れてプレイするようにしないと初心者には太刀打ちできない。

 ちなみに、個人的には「感情ルール」がいちばん気に入っています。このゲームでは「プレイヤーとキャラクターの感情は必ずしも一致しない」ことを思い知らされる。また逆にキャラクターが何を感じているかわかるから、それをもとにかなり感情移入してロールプレイできるようになったと思う。感情面の表現に関して通常のシステムでは限界を感じていたのでこれは大いに助けになった。精神的な試練とかも簡単にできるようになったし。


◆「GURPS」−1994/09/15

 実際にプレイしたことはないので何とも言えないのですが、プレロールドのキャラクターでプレイする場合にはキャラクターの性格などを操作しやすくて良いということ(パーティー内でのキャラクター間の人間関係を面白くしたりもできる)、プレロールドにしない場合でもキャラクターを作っているだけで面白いということなどの利点があるようです。
 問題は、プレロールドにしない場合、一旦キャラクターを作ってもらってからシナリオの調整をしなくてはならないという手間がかかることがあります。コンベンションではプレロールドでなければプレイはとても難しいでしょう。

 ルールの中身そのものについても、汎用RPGというのは方向としてはいいんですが、汎用性を持たせるために基本能力値を少なくしたことで"一見"すっきりしたルールのように見えて、実はけっこう煩雑でめんどうなルールになってしまっているのが問題であるようです。 ・・・・・・以上がプレイした友人の感想などを総合した意見です。

 個人的にはプレイヤーとしては1度やってみたいなと思いますが、マスターとしてはあの分厚い本を全部読み切る気がおきませんでした。キャラクターポイント制で妙にいろいろ調整しなくてはならないとか、能力値・技能がそのルールの関係で、けっきょく平均かそれよりも多少ましかぐらいの幅しか持たせられないのもちょっと気に入らなかったし。まあ好みの問題ですが。


◆『D&D』に関しての極論−1994/06/01

 かなりきつい意見を書きます。

 僕が、D&Dというシステムに関して評価しているのは「魔法ルール」「アライメント」の2点だけです。

 「魔法ルール」に関しては何か元になった本(?)があるようですが、マジックポイント制にせずにただ「何回魔法が使えるか」だけが決まっているというのは、なかなかいい雰囲気を出しているように思います。レベルの低い魔術師は魔法を使うのにとても苦労しますが、レベルが上がるとほとんど何でもできるようになるという感じがよくでている。

 「アライメント」はおもしろいルールでロールプレイの指針にもなりますが、ちょっと強烈すぎるきらいがある。そこまでシステマティックに性格を分類してしまうか!と思う。キャラクターの性格を決めるルールとしては大まかすぎて極端すぎると思う。まあ、マスター次第ではありますが。

 その他の点に関しては、まず、全体的に言って「ルールに統一性がない」。
 「キャラクタークラス」のルールはそれぞれのキャラクターが自分のフィールドで活動している分にはちゃんとルール的にサポートされていて行動しやすいのですが、ちょっとそこから逸脱しようとするとルールがなくて動きづらい。そこでまた新しくルールをつけ加えればいいじゃないかと言う人がいますが(それがD&D、AD&Dでのやり方ですが)、それはルールを作るのが好きな人にはいいでしょう。しかし統一性のあるルールであれば「慣れないことをするのは難しいよ」と言うだけですんでしまう。まあ、どちらが好きかということでしょうが。

 「戦闘ルール」について言えば、あれはまったく再現性のないきわめて抽象的なルールで、簡単ではありますが、悪く言えば"数字のお遊び"にしか見えない。シミュレーションゲーマーが初めてRPGのルールを作ってみて、気がついたら数字と確率をこねくり回すのに熱中してできちゃったっていう感じですね。確率的には計算されているのでバランスはいいですが、ちっとも現実的でないし、現実的なイメージを喚起してくれることもない。

 ・・・・・・以上のようなことから、D&Dは僕の嫌いなシステムのうちの一つです。ずいぶん昔に作られたせいでおかしなところがたくさんあるし、プレイしていてひどく束縛を感じてしまう。ファンタジーRPGの"元祖"と言われ、それ以後の大半のファンタジーRPGに影響を与えていることからちょっとかじる分にはいいでしょう。ファンタジーRPGの基本スタイルの勉強にはなります。しかし、RPGというものがわかってきて、自分から何かいろんなことをしたくなったときには、もう今日ではもっと手軽でいいルールがたくさん出ているのでそちらに乗り換えた方が賢明だと思います。「いろんなことを再現できるように、いろんなルールをつけ加えていく」なんてやり方は、ルールを作るのが好きな人(マスター?)に任せておきましょう。僕はルールをこねくり回して遊ぶよりも、ロールプレイングゲームがしたいんです。