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TOKYO深淵コン+宿泊コンレポート020727-28


 仕事も忙しい最中、久しぶりに行ってきました。

 場所は秋葉原のイエローサブマリン、TRPG専門店のセッション会場にて。なかなかの盛況で5卓きっちり埋まってました。

 あいにくと深淵コンの卓で全部埋まっているというわけではなくて、周りがうるさくて声が届きにくかったのと、場所がやっぱり狭くて苦しいとか、セッションを始めるにあたってホワイトボードでもあるといいなとか、そんな辺りが気になりましたか。

 それ以外は、すぐ隣がゲーム屋で何でも揃ってるとか、飲み物、食べ物(軽食程度なら…)も持ち込み可で飲み物はすぐ側で買え、値段も安いらしい(イベントなので500円均等に取られましたが)、というところはかなり良い環境かなと。そんな感じでした。


TOKYO深淵コン シナリオ「青」プレイレポート


◆マスター募集

 やはり「深淵」というとコアなユーザが多いせいか、見慣れたような人が多いですね(^^;。それでもいつも半分くらいは知らない人も混じっていて面白いんですけど。

 マスター選択については、余計に「いつもの」人が立つケースが多いみたいなんですが、やはり同じマスター相手にプレイしてばかりじゃつまらないので、なるべく知らない人の卓に行くようにしています。ということで、あの金髪の兄さんのところに行こうか?とか考えてたら、ネットで妙に自分を卑下してばかりいることで名高い?(笑)がれっと氏であることが判明。

 ま、どーでもいいんだけど(w。


◆導入

 シナリオはネットでお世話になってる?在胡氏のシナリオ「青」であった。ちょうど内容をすっかり忘れてたのでよかった(笑)。人の悪意が表面化しない素直でなかなか初心者向けな良いシナリオですね。もらったキャラは「夢占い師」。どうも最近これ系のキャラをやらされることが多いような気がするんだが(^^;。最初キャラの説明を読んだ時は、「ひょっとしてこのキャラは現実には一切登場できず、夢歩きで話すことしかできないのか?」とびびる(笑。それはそれで前衛的で面白いなと思ったのだが…結局普通に生身で登場ということになった(w。

 導入は、「父親(PC)」が病気の娘を連れて治療師のところに行くことになるいきさつの辺りで結構手間取った。僕的には別にPLはちゃんと筋の通ったことを言っているし、キャラの良い味を出したプレイをしてたので、「このあとの場面はしばらく他の人に譲るつもりなのかな?」とか思って普通に見ていたのだが、GMの妙な介入で余計に長引いたりした(笑。その分僕のキャラの導入が非常におざなりになって、何がなんだかわからん状態だったのが少々納得行かなかったか。短いなら短いなりに最低限要点だけでも抑えてくれると助かるのだが。

 …ということでGMはあまり当てになりそうにないと早々に見切って(w、アクティブに動いてシナリオを動かしていく方向でプレイするという方針で行くことにした(w。

<余談>
 なんか「マスタリングが下手」だとかよからぬ噂を自らばら撒いている書き込みを良く見かけるような気がするのだが(笑、別にGMとして基本的なことはできてるしきちんとしゃべれるし、そんなに下手という感じはしなかった。「下手」と言うよりは、はっきり言うなら「センスが悪い」と言った方が妥当と思われる(w。まあ、深淵とかのストーリーゲームはGMのストーリーセンスが問われるから「センスが悪い」のは結構痛かったりするんだけど。

 ストーリーセンスがなくても何とかなってしまう系のシステム(D&Dとか…)をやってれば特に欠点は目立たないだろうなあとかいうのは思った。あるいは今後「良い作品」を見ることでセンスを磨いていけばいくらかましになるだろうなとか(w。

 あと、「しゃべりすぎ」も良くないかなあ?と。深淵のマスターってGMがストーリーに溺れやすいのかひたすら語りたがるGMが多いような気がしないでもないが…僕的には「PLが自ら物語を語り、みんなで共有する」という方向を目指した方が良かろうなとは思う。(ということで僕的には「PLが夢歩きを語る」は常識かと)


◆邂逅

 PCの遭遇は適当に行われた(w。僕のキャラは「夢占い師」なので、こういうときは楽ちんである。とにかく

「夢に導かれてきました」

と言えばそれですべて済んでしまう(w。理由を他に考える必要がまったく無いのだ(笑。
結局PC同士同道して馬車で目的地(病気の肉親を治してくれる「治療師」のいるところ)へ向かうことになった。
馬車に乗った後で、

「つかぬ事を伺いますが、この馬車はどこへ向かうのでしょうか?」

と、ボケをかまして笑いを取る(w。


◆道中

 「夢占い師」系のキャラクターというのは(「通火の魔道師」「まじない師」なども同系)、とにかく情報がいっぱい入ってくる。素人思って知ることが出来ない情報というものはまず存在しない。ということで、役割としては

1)とにかく情報を集め、それを整理する
2)得た情報を、それが必要そうな人にひたすらばらまきまくる

というようなプレイが望ましいと考えられる。せっかく良い情報を持っていても自分ひとりで抱え込んでいてはつまらない。よってどんどんばらまく。

 ただ、無節操に情報をばらまくのもそれはそれで問題があるので(口が過ぎると口封じに殺されかねない事態になる危険もあるし)、「今この情報をこの人物に与えるとどう状況が変わるか?」を考慮して情報を流す必要がある。悪意を持って情報を流し人をおとしめることができる一方、良心的に情報を流し、後のドラマチックな展開に結びつける、ということもできる。

 今回は、何かキャラが“いい人”っぽかったので、本当に他意なく素直に情報を流していた。何しろPCの運命は「困った人を助けたい(という呪い)」だったし。しかし素直に流しても素直に受け取ってくれるとは限らないのが世の常である(w。


◆終盤

 もうすぐ死ぬ運命にある娘さんがPC全員と話をしに回りだす(笑。あの人のプレイは以前も見たことがあるのだが、おとなしそうに見えていざ行動しだすとめちゃめちゃアクティブに、ピンポイントを突いた行動をしてくる。あいかわらずめちゃうまである(笑。

 さて、ここまで典型的な「夢占い師」をプレイしてきたのだが、深淵の「夢占い師」には「夢占い師」なりの典型的かつ、核となる「決断」が存在する。他のテンプレートではPCの縁故に沿って、縁故対縁故のジレンマに悩むというのが典型的な「葛藤」パターンであるが、「夢占い師」の「葛藤」はそれとはまったく違うものである。

 「夢占い師の葛藤」とは、

「他人の運命に同情し、自らその運命の渦に飛び込む」
「あくまで客観的立場を貫き通す」

の2択なのである。で、ここでさらに重要なのは

「共感するに足る運命を見つけることができるであろうか?」

であるが、今回のシナリオは全員の運命が相似形を描いており、共感するのはたやすかった。その点よく出来ているシナリオであった。あとは実際のキャラクターに共感できるかどうかであるが、PLにみなさんが良いプレイしていてくれたのでこれも感情移入しやすかったですね。

で、自分の身の上話をとっぷりと語った後に

「あなたは幸せですね」

という殺し文句に殺されて(w、いざという場面では自らの命を賭ける覚悟をここで固める。


◆クライマックス前

 「初心者」と言っていたPLが一人浮いてしまう。しょうがないというか。運命的にも動機が弱いキャラであったし、いきなり初回でそんなには入り込めんだろうとあきらめる(w。助言しようにも、「何をしたいのか?」が良くわかってないし、何かをしたくても「実現するにはどうすれば良いか?」という情報が入ってないので動けないという状況。自分のPCはもうクライマックスに向けて覚悟も決まってたし他のPCへの情報回しも完了しそれぞれ決意を固めている感じであったので、あとはGMに任せる。

 誰が重要な情報を把握しきれず準備態勢が整ってないかを見切って、早めにGMがアクセスしててくれるとこういうときの根回しが楽になるのだが…まあ、いたし方あるまい。


◆クライマックス

 クライマックスは魔族に会わずに終わるのかな?とも思ったが結局会うことになったらしい。

 「父親」に「娘を助けるためにおまえの命を捧げるのだ」と言う魔族。「娘」の方はそんなことは望んでなさそうだったので、お約束通り阻止に入る(w。で、このあと素直に父と娘の対話に入ればそれですんなり終わってたと思うのだが、なぜか娘と父親を会わせまいとGMの邪魔が入る(笑。ほっとけば勝手に誰かが命を捧げてくれるのにねぇ(w。

 苦労してようやく再会し、結局娘が死ぬことで落ち着きそうだというところで、似たような境遇にある「伝書使」が邪魔に入った。そして

「本当の望みは一緒に生きることだろう?」

と言って状況をひっくり返す(笑)。挙句の果てに自分が恋人を助けるためにここに来たということを放り出して、自らの命を捧げると言い出す(w。正直、「娘」が素直に死ぬことで納得していたのであれば、それは「お互いが望んだことである」から、そのまま放っておくつもりだったのだが、この場に来てそれぞれの「望み」が変わってしまったので、それをかなえるべく割り込みをかけた。(そういうこともあろうかとずっと前から狙っていたのだが(w))。

「君は生きて恋人を助けたいんじゃないのか?」
「両親と同じ、人のために命を捧げる、その生き方をやっと達成できるのだ」

と言って、ためらうことなく命を捧げる。

その後、「伝書使」がまた納得いかんと言ってなにやらうやむやなエンディングになったが、個人的にはやりたいことはみんなやったし、それぞれ納得したっぽかったので放っておいた。


◆エンディング・補足

 結局みんな生きてるんだか死んでるんだか良くわからない終わりになった(w。

「人間が運命を切り拓く新たな時代が来たのだ」

とか言ってるし(w。個人的にはこういう死んでるんだか生きてるんだか良くわからない終わり方は「イデオンエンディング」と呼び習わしている(なんだそりゃ?)。何なら「ニュータイプエンディング」でも良い(w。深淵みたいに救いのない世界観とシステムだと、そういうエンディングを求めたがるのもわからんでもないね(w。

 いちおう、そういうときに深淵世界の設定に沿った対処法としては結構たくさんある。

1)深淵の底にたゆたう夢ということにする
 そういう魅惑的な夢に溺れたがるPLは数多いでしょう(w。

2)蛇の公子辺りを出してPCを魔族化して好き勝手やらせる
 魅力の高い女性PCでもないと認めがたいですが(w、魔族(神)になってしまえば何でも出来るよってことで。人類の新たな脅威がまた一つ増えるというわけだ(w。

3)“龍”に世界を滅ぼしてもらう
 バール=ゴラン辺りが良いでしょう。「すべてを焼き尽くし、世界を1から創り直すのだ」と、喜んでやってくれるでしょう。この世のすべての人が死んでしまえば「死に分かれる」こともなくなってばっちりOKですね(w。死の世界に無理やり連れ去ろうとする「死の翼」が脅威となってきますので、翼の王が支配する死の世界と、死霊+魔族+龍王たちの戦いなどが始まれば楽しげなことになるかと。本当に「世界が変わる」でしょう(w。


宿泊コン


 東大の近くの閑静な旅館にて宿泊。なかなか落ち着いた良いところであった。朱鷺田氏は新作TRPGのセッションのマスタリングをされる。面白そうだったが、仕事+電車+昼のセッションでかなり疲れていたのでパス。情報過多な文系システムかなあ?とか思った。僕は「最低限の情報とシステムをひたすらひねくり回す」のが好きな理系人間なもので、ちと辛いかなと。まあ、他のシステムと一線を画した方向性で、これはこれで需要があるかなあと。

 夜中は「ブルーローズ」をプレイ。GMがシステムを把握しておらず、システム説明だけでかなり眠くなる(^^;。正直夜中はもう疲れてたので、「新しい情報をたくさん覚える」とか「(初対面のPL同士で)PC同士の絡みを考える」とかいう精神的に疲れるプレイは避けたかったのだが…そのせいでかなりのりが悪くて申し訳なかった。話のヒロインが追われてるシーンも、「別に完全に赤の他人だし、やれることはいっぱいあるけれども、どっちかっつーとクール系のこのキャラが能天気にそんなの追っかけるわけないし、PL的にも好みでもなんでもないしなあ」と、かなり気分が乗らないままプレイ。辛かった(w。むしろPCのお嬢様との掛け合いの方が上手く転べば面白くなりそうではあったのだが、序盤であまりに膨大な時間を消耗しつくして、序盤だけで終了とあいなった(^^;。

 となりでやってたD&D3rdがかなりプレーしたかったのだが、眠気には勝てず断念。

 参加者とそれなりにいろいろ話が出来たのは楽しかった。また懲りずに来たい(w。