浪漫の騎士〜深淵版〜
青の八弦琴 「語り残さん。これらすべてが夢で終わらぬために。」
§1 概要
§2 諸注意
§3 ハンドアウト
§4 キャラクター作成における注意点
§5 NPC・アイテム・設定
§6 シナリオ本編
プロローグ
第1章:四本腕の巨人
1−1.酒場にて
1−2.洞窟:見果てぬ夢
1−3.第一の守護者:四本腕の巨人マタゴーヘル
1−4.真実の鏡
幕間:夢歩き
第2章:千にして無限
2−1.ラヴィオラたちの村
2−2.吹き込む
2−3.噂話
2−4.森
2−5.祠:見果てぬ夢
2−6.第二の守護者:千にして無限
2−7.真実の鏡
幕間:夢歩き
第3章:鏡の騎士
3−1.霧:見果てぬ夢
3−2.第三の守護者:鏡の騎士
3−3.霧:見果てぬ夢
3−4.第三の守護者:鏡の騎士
3−5.真実の鏡
幕間:夢歩き
最終章:最後の試練
4−1.決断
4−2.第1の試練
4−3.第2の試練
4−4.第3の試練
4−5.真実の鏡
エピローグ
§1 概要
騎士であるPC1にはかつて、カラスコという名の友人にして助言者がいた。
カラスコは邪悪な「肉体の交換」の魔法を使い、PC1の肉体を奪ってしまう。
PC1はカラスコの年老いた肉体に取り残されてしまった。
PC1はカラスコを探す旅に出、その過程でPC2〜PC4らに出会った。
カラスコを追ううちPCたちは彼が「真実の鏡」を探し求めていることを突き止める。
真実の鏡は全部で4つあり、その中のひとつの「本物の真実の鏡」にはいかなる呪いも解くことが出来るという。
PCたちは真実の鏡とカラスコを追い、真実の鏡を守る守護者たちの試練を退け、ついに本当の真実の鏡を発見する。
そして真実の鏡を覗き込んだPC1は「真実」を見出す。
その真実とは
「いままで仲間と旅してきた過程はすべて夢だった。
PC1は眠りの呪いをかけられずっと夢を見ていたのだ。
そして、一緒に旅をしてきたPC2〜PC4こそがこの世界を現実と勘違いさせるための呪いそのものだったのだ。
PC1の肉体は長い眠りによって衰弱し、このままではまもなく死を迎えることになるだろう」
というものであった。
PC1は、仲間と旅をしてきたこの夢の世界にとどまるか、目覚めて現実の世界に戻るか決断し、最後の試練に赴く。
最後の試練とは、
PC2、PC3、PC4を倒すことであった。
§2 諸注意
このシナリオを運営する際の諸注意。
1)1本道シナリオである
シナリオの構成を見ればわかるとおり、このシナリオは1本道シナリオです。自分がプレイする環境が1本道シナリオに対して否定的な場合には、事前に告知しておいた方がいいかもしれません。まあ、1本道シナリオと言ってもガチガチの展開というわけではないので、多少の脱線をしてもかまいません(時間に余裕があるなら)。むしろやることが明確で、単純な1本道シナリオほど脱線しても補正するのは容易と思います。
<1>目的は「カラスコ」を探し出し、PC1にかけられた呪いを解くことである。
<2>そのためには「真実の鏡」を探す必要がある(カラスコはそれを追って先に進んでいる)
<3>それぞれの鏡は「守護者」が守っていて、試練がある
という3点さえ最低限守ればあとはどう転んでもそれなりに回ります。
2)第3章でとんでもないどんでん返しがあると、事前に予告すること
重要。
3)ラスボスはPC1を除くすべてのPCである
「負けプレイ」とか「PC間対決」が発生するので、そういったプレイに寛容な環境でプレイするのが望ましい。あるいは、PL同士が親和的で何があってもお互い許し合えるような良好な関係が期待できる環境。深淵の場合はPC間対決はわりとアリアリなはずなので多分大丈夫と思うのですが。
4)夢落ちの利点を生かす
夢落ちシナリオなので、究極的にはつじつまが合わなくて矛盾が発生しても問題ありません。むしろ終盤では矛盾が発生した方が面白いです。ということで、序盤は矛盾が出ないようきちんとつじつま合わせをすべきですが、中盤〜終盤にかけては制限をゆるめにしていってください。むしろつじつま合せに縛られない自由度を遊んでください。
§3 ハンドアウト
PCは3〜4人を想定しています。
・PC1:初老の男(騎士)♂
運命:「奪われた肉体」「しがらみ」
説明:あなたは邪悪な魔道師によって肉体を奪われた。あなたは本当の姿を取り戻すため、旅をしている。しかしあなたは善良過ぎる性格が災いして、たびたび面倒に巻き込まれる。
※とても善良な性格で、人から頼みごとをされると断れない(意思判定が必要)
・PC2:子供♂♀
運命:「失踪」「騎士の家系」
説明:あなたの母親は失踪した。あなたは母を探して旅をしている。母は常々「もし何かあったときには騎士の***様のところに行きなさい」と言っており、そうして出会ったのがPC1であった。
※「少年」ではなくて「子供」(テンプレート「母親」に付属)。技能的にほぼ何にもできません。40年パンチが撃てます(笑)。
・PC3:ラヴィオラ♂♀
運命:「魔族の血」「魔法の力」
説明:あなたを召喚した魔道師は去ってしまった。その肉体だけ(PC1)を残して。あなたには魔法の力がある。それは「嘘と本当」を見分けることができるという力であった。
※「嘘と本当」を見分けることができるという力
精神力3点消費で使用可能。
・事実/本心を言う→白い息を吐いているように見える
・嘘を言う→黒い息を吐いているように見える
※「ご主人様に捨てられた使い魔(外見は少年or少女)」
他のPCは「PC1の体を奪った悪い?魔導師を探してとっちめる?」という方向に流れやすいと思いますが、PC3は元々その魔導師の使い魔だったわけで、状況的に敵対する可能性があります(その辺が争点とか葛藤になりうる)。
あと「嘘を見分ける力がある」は、シナリオ上重要な設定となったりするので使いどころを考えられると良いです。
・PC4:獅子の戦姫♀
運命:「抑えきれない感情」「運命の出会い(異性)」
説明:あなたを侮辱し唯一生き延びた憎むべき騎士(PC1)。あなたは、その騎士に復讐するため旅をしてきた。しかしそこで見出したのは彼の変わり果てた姿だった。そしてあなたの心の中に芽生えた奇妙な感情。あなたはそれにおののいた。
※PC1にさくっと復讐に行ってしまうとあっという間に話が終わってしまうので、「元の姿を取り戻すまで勝負に値しない」とか「PC1を好きになってしまった(運命の出会い(異性))」といった障壁を作って抑制することを想定してます。ベタに言うと聖闘士星矢のシャイナさんみたいなのをイメージしてるがやりにくかったら改変してもよし。
§4 キャラクター作成における注意点
このシナリオにおけるキャラクター作成で極めて重要なことは「仲間意識を持たせること」です。PC同士を知り合いに設定してもらい関係を深めてもらいましょう。
§5 NPC・アイテム
・設定
1)NPC
・カラスコ
PC1のかつての助言者、友人であり、かつ宿敵。PC1の肉体を奪った張本人。
いかなる呪いも解けると言われる真実の鏡を探している。真実の鏡の力で世界を滅ぼすのが目的である。
PC1の肉体を奪ったというのは夢の中の世界で歪められた誤まった情報で、実際は真実を見せることによってこの世界が夢の中の世界であることをPC1に自覚させ、この夢の中の世界を滅ぼし、現実に引き戻すために画策している。敵ではなく友人であり、むしろPC1を助けようとしている。
・“鏡の案内人”サフィア
テンプレート:古鏡の魔導師
解説:
「真実の鏡」の管理者であり、案内人。「真実の鏡」を求めにやってきた者が鏡を誤って使わないよう助言する。使用するにあたっては代償を求める。「真実の鏡」に依存しており、離れることが出来ない。
<第1章の登場人物>
・【第一の鏡の守護者】〜四本腕の巨人マタゴーヘル〜
星座:海王
召喚値:78
外見:四本腕を持った岩の巨人
魔力:
《恐怖を与える》
影響値攻撃の意思判定失敗で「恐怖+1」の縁故を与える。
《魔力無効》
達成値20未満の魔法を無効化する
攻撃:
ぶん殴る:判定値8、効果値7打、四回攻撃
地面を殴る:達成値18 効果値3打打(衝撃)
→地面を殴り、振動でダメージを与える
解説:
「真実の鏡」の守護者。温厚な性格である。
<第2章の登場人物>
・ラヴィオラの村の村長
テンプレート:ラヴィオラ
解説:
ラヴィオラの村の村長。付け髭を付けることで威厳を出している(笑)。
ラヴィオラの村というのは主人に捨てられたラヴィオラたちが運命によって集うと言われる場所。
・角の大公セイシュドーマ
星座:野槌
召喚値:216
外見:銀色の一角獣
魔力:
《獣の王宮》
セイシュドーマとその下僕である獣たちが住む幻の王宮。
解説:
獣およびラヴィオラたちの神。モールの魔道書参照。
・【第二の鏡の守護者】〜千にして無限〜
星座:原蛇
召喚値:110
外見:無数の黒いイナゴの群れ
魔力:
《嘘つき》
影響値攻撃の意思判定失敗で「嘘つき+1」の縁故を与える。
嘘つきの縁故を持った者は重要な話をするときに10+嘘つきの縁故の意志判定に失敗すると嘘をついてしまう。
また、千にして無限は人々が嘘をつくたびより力を強めていく。
攻撃:
範囲攻撃:半径110m範囲全部に対して毎ターン効果値11のダメージを与える(防御・回避無効)。
弱点:
群れの中にたった1匹だけ「白いイナゴ」がおり、これが本体である。本体の名は「たった一つの真実」と言う。ダメージ判定で【叙事詩に残る一撃】を出した場合にのみ、攻撃が当たる可能性がある(防御/回避で避けられなければ)。攻撃が命中した場合は一撃で消滅する。
千にして無限の謎かけに対して「たった一つの真実」を正解として答えると退散するという噂がある。
解説:
「真実の鏡」の守護者。陰湿で人の揚げ足を取るのが好きな性格である。
<第3章の登場人物>
・【第三の鏡の守護者】〜鏡の騎士〜
・鏡の大公ルドラウ
星座:古鏡
召喚値:226
外見:鏡の騎士
魔力:
解説:
モールの魔道書参照。
2)アイテム
・真実の鏡
世界に4つあると言われる魔法の品で、真実を明らかにすることでいかなる呪いも解くことが出来る。
ただし、4つのうちの3つはダミーで、呪いを解くほどの力はないが、本物の真実の鏡への道を導いてくれる。
<ダミーの真実の鏡>
以下の能力を持っている。
・別の真実の鏡の近くまで鏡面転移で飛ばすことが出来る
・自分以外の身近な人の運命を垣間見ることが出来る
<本物の真実の鏡>
真実を明らかにすることでいかなる呪いも解くことが出来る、と言われる。
重要なのは「真実を明らかにすることによって、真実でないものをすべて消去してしまう力がある」という点であり、そこが危険視されている。
3)設定
・騎士道とは
PC1用心構え。
「忠誠」 二心を持たず、主人(国家)のために働くこと。まごころ。
「公正」 特定の人だけの利益を守るのではなく、だれに対しても公平にふるまうこと。
「勇気」 通の人が不安・恐れを懐(イダ)いたり躊躇(チユウチヨ)・恥ずかしさを感じたりする所を屈しないで、自分が正しいと思った通りやってのけること。
「武芸」 騎士として身に付けるべき武術に秀でること。
「慈愛」 自分の血を分けた者に対する(ような)愛情を持って人々に接すること。
「寛容」 失敗などをとがめだてせず、他のいい面を積極的に認めること。
「礼節」 その社会の秩序を保つため、礼儀作法や節度のある行動をすること。
「奉仕」 報酬を度外視して国家・社会・人のために尽くすこと。
・見果てぬ夢
「ラ・マンチャの男」より。「守護者」の遭遇前に聞く歌。
不可能を夢み
無敵の敵に挑む
堪え得ぬ悲しみに堪え
勇者も行かぬ地へ向かう
正せぬ誤りを正し
遠くより清きを愛す
疲れきった腕で
とどかぬ星をつかむ
これがわが旅
星に向かって行こう
叶わぬ夢でも
いかに遠くても
正義の為に戦う
問いも休みもなく
地獄へも行こう
天国に向けて
この栄光の旅に背を向ける事がなければ
死してもわが心は安らかに眠ろう
世の中は良くなろう
男は笑われ
傷を負い
最後まで戦うのだ
とどかぬ星をつかもうと...
§6 シナリオ本編
プロローグ
・PC1のプロローグ
PC1がカラスコに肉体を奪われ、老人のまま旅に出たいきさつをPLと話し合って語る/語ってもらう。
自分の肉体を取り戻すことへの意気込みをPLに語ってもらう。銀髪の女が現れて言う。「真実など、知っても何もいいことはありませんよ」
・PC2のプロローグ
母親が失踪し旅に出たこと。母親から「もしものときには***さんを(PC1)頼りなさい」と言われていたこと。母親からPC1にあったら手紙を渡すよう言われていたこと(PC2がPC1の子供である旨が書いてある)。PC1と遭遇したことなどを適当に語る/語ってもらう。黒い巨大な影が現れて言う。「真実など、知っても何もいいことはないぞ」
・PC3のプロローグ
PC3はご主人様(カラスコ)の元で働いていたが、PC1の肉体を奪ったのちご主人様はいずこかに去ってしまった。それ以後、ご主人様との間にあった精神的リンクもふっつりと途切れてしまった。ご主人様を追ううち、ご主人様と同じ姿をしたPC1と遭遇した旨などを適当に語る/語ってもらう。カラスコが現れ、PC3を哀れむように見つめている。
・PC4のプロローグ
PC4はかつてPC1に侮辱された。(PC1&PC4と話し合って演出する)。PC4は復讐を誓い、PC1を追ってきたが、見出したのは老人の姿になってすっかり落ちぶれたPC1であった。しかし、その心の中に浮かび上がった想いは、ただ復讐したいという想いとは違う何ものかであった。……という経緯を適当に語る/語ってもらう。鏡のように磨かれた全身鎧を着て馬に乗った騎士が現れて言う。
「2つ選択肢がある。
第1は、PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりお前は死ぬ。
第2は、PC1は肉体を取り戻すことが出来ない。
第1章:四本腕の巨人マタゴーヘル
1−1.酒場にて
PCたちは酒場に勢揃いしている。
酒場にやってきた理由は「この辺りにカラスコがやってきたらしい」など。
たった今遭遇したばかりなのか、もうすでに同行しているのかはPLの任意とする。酒場の主人に話を聞いたり知識判定に成功したりすれば以下の情報が得られる。
・カラスコという名の騎士は数日前に近くの「帰らずの森」へと向かった(難易度:易)
・その奥の山に洞窟があり、そこには四本腕の巨人マタゴーヘルという恐るべき魔物が棲んでいる(難易度:易)
・奥の山に洞窟には「真実の鏡」という宝があるらしく、四本腕の巨人マタゴーヘルはそれを守っているそうだ(難易度:易)
・「真実の鏡」には何かすごい魔力があるらしい(難易度:易)
・「真実の鏡」は真実を明らかにすることでいかなる呪いも解くことが出来るそうだ(難易度:中)
・「真実の鏡」は全部で4つあり、そのうちのひとつだけが「本物の真実の鏡」である。「本物の真実の鏡」にはいかなる呪いも解く力があると言われる。それ以外の「真実の鏡」はそれほどの力はない(難易度:高)
・カラスコは「真実の鏡」の力で世界を滅ぼそうとしている(PC2のみ。難易度:中)
・かつて旅の騎士がその真実の鏡を探して旅をしたという。その騎士は、『四本腕の巨人』を打ち倒し、『千にして無限』という名の恐るべき雲かのごとき魔族をも打ち滅ぼし、その他にも数々の偉業を成し遂げた。しかし、最後に『鏡の騎士』と呼ばれる騎士と対決し敗れ去った。命は失わなかったものの、方法の体で自分の故郷にまで逃げ帰った。故郷に戻ったその騎士は、すっかり老け込み、失意のまま死んだという(難易度:高)
<終了処理>
何はともあれPCたちがカラスコを追って帰らずの森に行くことに決定したらシーン終了。
1−2.洞窟:見果てぬ夢
PCたちは帰らずの森の奥の岩山の洞窟にたどり着く。
洞窟に入っていくと洞窟は1本道でしばらくして行き止まりに到達する。
・知覚判定に成功すると「ズズン」という音が背後からするのに気付く。引き返してみると入り口は岩の壁が降りて閉じている。
・地面を調べると、数日前に付けられたと思われる足跡が残っている。足跡は奥の行き止まりまで続いている。
・奥の行き止まりを調べると「不可能を夢み、無敵の敵に挑む」という文字(共通語)と、壁に手形をしたくぼみがある
<イベント:行き止まりの壁>
・PC2がいる場合
PC2が手形に手を当てはめると奥の壁が上に上がって、さらに億へと続く道が現れる。
・PC2がいない場合
PC1が手を当てると奥の壁が開く。
<イベント:歌>
PCたちが奥へと進んでいくと低音の重々しい歌が聞こえてくる。
→「見果てぬ夢」
<終了処理>
PCたちが洞窟の壁を開き、歌を聞き、奥へと進み始めたらシーン終了。
1−3.四本腕の巨人マタゴーヘル
前方から地下水脈の音が聞こえてくる。やがて地下水脈の上に岩の天然の橋が出来た空間にたどり着く。その橋の向こう岸に天井に頭が届きそうなほど巨大な四本腕の岩の巨人が立ちはだかっている。
PCたちに気付くと巨人は言う。
「この先に行かんとする者は選べ!
戦いか!謎か!」
<巨人からの情報>
カラスコのことを質問すれば騎士が数日前に通った話を教えてくれます。
<戦うことにした場合>
PC全員で全力で戦えば何とかなるかもしれません。
→「四本腕の巨人マタゴーヘル」
<「謎」を選んだ場合>
巨人の出す「謎」を解ければ先に進めることになります。
謎:
「わしの本当の名前は何だ?」
正解:
(PC2がいる場合)「PC2の母親」
(PC2がいない場合)「おかあさん」
<ヒントのための代償>
ヒントなしでこの謎を解くのは困難なので(笑)、PLからヒントを求めてくる公算が高いです。ヒントはないかと聞いてきたら「代償を払え」と返してください。代償の内容は「PCの運命にまつわるもの」です。
代償例)
下記のような質問をしてその反応を楽しんでください(笑)。
・誰かが「代償」に値する面白いネタを考え出したとき
・PC4にPC1のことを愛しているか?と尋ねる。
・PC3に、ご主人様に捨てられた気分はどうだ?と尋ねる
・PC2に自分の探している人にもう二度と会えないことがわかったらどうするか?と尋ねる
・PC1に肉体を取り戻す代わりに全てを失うとしたらどうするね?と尋ねる
<ヒント>
巨人は以下の歌を歌います。
『その名は揺らぐ。
あるときは懐かしさを持って。
あるときは尊敬の念を持って。
あるときはやすらぎを持って。
あるときは憎悪を持って。
あるときは軽蔑の念を持って。
その名はたった一つしか存在しないが
時とともに2つに増えることもある。
かつては呼んでいたその名を
この世の半分の者は
自身が呼ばれるようになる
この世に生まれたものが1番目に覚える
その名とは何か?』
<正解を答えた場合>
正解を答えた者は魔族に縁故を振ってください(1点以上)。
・PC2がいない場合
正解を答えたPCの母親はこの魔族である、という設定が追加されます。
適当につじつま合わせをしてください。答えた者がPC3か4の場合は、そのPCは魔族によって作り出された偽りの存在である、という裏設定が付きます(運命追加)。PC1の場合は現実世界の母親が、夢の中に介入してきてこのような姿で現れたのだ、という設定が付加されます。
・PC2がいる場合
PC2は魔族に造り出された存在で、母親がいて探しているという記憶すら捏造されたものであることが明らかになります。
<終了処理>
PCたちが謎を解くか魔族を倒し、カラスコ/真実の鏡を求めて奥へと進み始めたら終了。
1−4.真実の鏡
PCたちが奥へ進んでいくと広場に巨大な鏡を発見する。その側に銀髪の女(古鏡の魔導師サフィア)が立っている。
サフィア「こんにちは」
<サフィアとの会話>
・何者か?
「私は古鏡の魔導師サフィアと申します」
・ここで何をしているのか?
「ここにいる鏡の管理をしております。世の中の人が誤った使い方をして不運に見舞われないように」
・これは本物の真実の鏡なのか?
「いいえ。しかし、この鏡の力を使えば、真実の鏡の元へと導くことが出来ます」
・カラスコ/騎士はやってこなかったか?
「つい先日来ましたよ。鏡の力を使って旅立たれました」
・鏡の力を使って本物の真実の鏡の元に行きたい!
「代償を払ってもらえれば」
・代償とは?
「この鏡には運命を解決するほどの力はありませんが、人の運命を見ることが出来ます。ただし、自分自身の運命を見ることは出来ません。自分の身近な誰かの運命を見ることが出来ます。その運命を一つ一緒に見させていただければ。」
・人の運命を見て何が嬉しいのか?
「この世で、人の運命を覗き見ることほど面白いことはないでしょう」
・誰の運命が見えるのか?
PC3がいる場合:「PC3の運命が見えます。なので、鏡を見ていただく方はPC3以外の方でなくてはなりません」
PC3がいない場合:「PC1の運命が見えます。なので、鏡を見ていただく方はPC1以外の方でなくてはなりません」
……というような感じで、仲間の運命を除き見る代償を払うことで真実の鏡&カラスコを追う道が切り拓かれるということを示してください。で、誰が運命を覗き見るか、PLたちに決めてもらってください。
<運命を覗き見る>
・PC3の運命を見る場合
「PC3がご主人様に捨てられたのはPC3が嘘つきだからだ」ということがわかります。
・PC1の運命を見る場合
「PC1が真実の鏡を見て自らの肉体を取り戻したとき、代わりにほかの全てを失うことになる」ということがわかります。
<例外処理>
・PCたちがサフィアを殺しに走ったりした場合など(笑)
サフィアは鏡面転移で逃げようとします。事前に準備しているため、1アクションで逃亡することが可能です。
ここの「(偽)真実の鏡」の「運命を覗き見る」力はPCたちが普通に覗き込むことで見ることが可能です。(みんなで一斉に覗き見ると、該当PCを除くみんなに運命が見えてしまうことになります)
「鏡面転移」で「(真)真実のの鏡」に近付くのは、PCが鏡面に手を触れることで可能で、サフィアの手を借りなくても先に進むことが可能です。
実のところ、サフィアはPCたちの「運命を覗き見たい」という興味本位でPCたちをカモっているだけです。
<終了処理>
何はともあれPCたちが鏡の力で転移したらシーン終了。
幕間:夢歩き
夢歩きをしてください。
幕間の夢歩きは毎回毎回同じ夢を繰り返すのがポイントです。
同じ夢が繰り返されることによって、夢を見る当人自身の変化が浮き彫りとなります。
PC1の夢歩き
銀髪の女が現れて言う。「真実など、知っても何もいいことはありませんよ」
PC2の夢歩き
黒い巨大な影が現れて言う。「真実など、知っても何もいいことはないぞ」
PC3の夢歩き
カラスコが現れ、PC3を哀れむように見つめている。
PC4の夢歩き
鏡のように磨かれた全身鎧を着て馬に乗った騎士が現れて言う。
「2つ選択肢がある。
第1は、PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりお前は死ぬ。
第2は、PC1は肉体を取り戻すことが出来ない。その代わりお前は生き延びる。
選べ。」
第2章:千にして無限
2−1.ラヴィオラたちの村
PCたちは草原に投げ出され、辺りを探索して村を発見します。
そこは外見が子供のような者たちばかりの村です。
PC3がいればわかりますが、彼らはPC3のかつて知り合いや友人や仲間だったラヴィオラです。ここはラヴィオラばかりの村なのです。
<終了処理>
PCたちの元に村長からの使いのラヴィオラが現れ、PC3に村長が話があるそうだと言ってPC3を連れて行きます。
PC3一人だけ連れて行き、同行は認めません。
<例外処理>
・PC3が村長に会うことを拒んだり、単独になることを拒んだ場合
村長との会見は取り止めとなります。「2−2.吹き込む」のシーンは飛ばして「2−3.噂話」に進んでください。
2−2.吹き込む
PC3は付け髭をしたラヴィオラたちの村の村長と会見します。
村長「(ひげをなでながら)どうじゃ、いい髭じゃろう!」
村長「おぬしもご主人様に捨てられたのか」
村長「この村は、ご主人様に捨てられたラヴィオラが運命に導かれてたどり着く村なのじゃ」
<依頼>
村長はPC3に依頼をします。
村長「実は森に住まわれていたセイシュドーマ様が森を去られてしまった。理由はわからん。」
村長「セイシュドーマ様が去られた後の森に『千にして無限』という名の恐るべき魔物が棲み付いた」
村長「『千にして無限』はこの村を滅ぼすと言っておる、ある条件を呑まなければ」
村長「この村にいずれ***という名の男(=PC1)が現れる。そう、『千にして無限』は言っていた」
村長「***(PC1)を『千にして無限』の元までだましてつれて行き、生贄にささげるのじゃ」
村長「そうすれば村は救われる」
村長「***(PC1)は、お前にとってご主人様でもなんでもない赤の他人じゃ。それはお前もわかっているであろう?」
村長「村を救ってくれ」
<終了処理>
PC3が村長の依頼に対して回答したら終了。
<例外処理>
・PC3が村長の話を仲間にばらす、とか宣言した場合
一応、哀願してみてください(笑)。この村にはかつての友人、仲間、肉親がいると。それでも抵抗する場合は意思判定で15以上を出せば抵抗できます(10+セイシュドーマへの縁故)。抵抗した場合は村長は説得をあきらめます。
2−3.噂話
酒場などで情報収集すれば以下のような情報が得られます。
・カラスコという名の騎士は数日前に近くの森へと向かった(難易度:易)
・その森の奥に祠があり、そこには『千にして無限』という恐るべき魔物が棲んでいる(難易度:易)
・その祠はかつて『角の大公セイシュドーマ』の住んでいた祠である(難易度:中)
・祠には「真実の鏡」という宝があるらしく、『千にして無限』はそれを守っているそうだ(難易度:易)
・『千にして無限』は、“嘘”によって塗り固められた魔族で、その身体は嘘ばかりで出来ている。世の中の者が“嘘”をつくたび、その嘘の言葉は黒い小さな虫?となって『千にして無限』の元へと集う。そのたび、『千にして無限』はより力を強めていき、今では魔族の大公すら脅かす力を得ているそうだ(難易度:中)
・かつてとある旅の騎士が『千にして無限』を撃ち滅ぼしたことがあるという。その騎士は『たった一つの真実』の力によって辛くも勝利できたという(難易度:高)
途中でPC3が戻ってきます。情報交換なり、会話なりしてもらってください。
PC3の様子がおかしいのに気付くかもしれません。
<終了処理>
PCたちがカラスコを追って森へ行くことを決めたら終了。
2−4.森
ターン1)
PCの誰かが「野槌」のカードを出せば無事祠にたどり着きます。さもなければ森で道に迷ってしまいます。森で迷った場合は夢歩きをしてください。PC3が知力で15以上を出せば「誰かが嘘を吐いて、その吐き出された黒い息を追っていけば『千にして無限』の居場所に行ける」ということに気付きます。(前のシーンで情報を得ていれば)
ターン2)
PCの誰かが「通火」のカードを出せば無事祠にたどり着きます。さもなければ森で道に迷ってしまいます。森で迷った場合は夢歩きをしてください。
ターン3以降)
以下「原蛇」「古鏡」「牧人」「八弦琴」「翼人」「指輪」「風虎」「黒剣」「戦車」「海王」「青龍」の順に出す人がいないかを聞きつつ夢歩きやPC同士の会話を行ってください。
<終了処理>
PCたち祠にたどり着いたら終了。
2−5.祠:見果てぬ夢
PCたちが祠の奥へと進んでいくと数千、数万の、完全に同期した合唱の歌声が聞こえてくる。
→「見果てぬ夢」
2−6.第二の守護者:千にして無限
PCたちが祠の奥の大広間にたどり着くと声がする。
「わが名は『千にして無限』」
「PC3よ、よくPC1をつれてきてくれた」
辺りを見回すと、周りじゅうにびっしりと黒い影が渦巻いて取り囲まれているのに気が付く。
黒い影をじっくり見た者はそれら1つ1つが黒いイナゴの姿をしていることがわかる。
「この先に行かんとする者は選べ!
戦いか!謎か!」
<戦うことにした場合>
戦いによる勝利は極めて困難です。
→「千にして無限」
<「謎」を選んだ場合>
不正解の場合は「千にして無限」の攻撃が始まります。
・PC3がいる場合
謎:
「PC3はなぜご主人様に捨てられたのか?」
正解:
「PC3が嘘つきだからである」
・PC3がいない場合謎:
「PC1が本物の真実の鏡を見たとき、どうなるか?」
正解:
「そのほかの全てのものを失う」
<終了処理>
PCたちが『千にして無限』の試練をクリアすれば終了。
2−7.真実の鏡
PCたちが奥へ進んでいくと広場に巨大な鏡を発見する。その側に銀髪の女(古鏡の魔導師サフィア)が立っている。
サフィア「こんにちは。また会いましたね」
<サフィアとの会話>
・どうやってここまで来たのか?
「魔法ですよ」
・どうして自分で来れるのに最初にここまで導いてくれなかったのか?
「そんなことをしたらつまらないじゃないですか」
・これは本物の真実の鏡なのか?
「いいえ。しかし、この鏡の力を使えば、また別の真実の鏡の元へと導くことが出来ます」
・カラスコ/騎士はやってこなかったか?
「ついこないだ来ましたよ。鏡の力を使って旅立たれました」
・鏡の力を使って本物の真実の鏡の元に行きたい!
「代償を払ってもらえれば」
・代償とは?
「この鏡には運命を解決するほどの力はありませんが、人の運命を見ることが出来ます。ただし、自分自身の運命を見ることは出来ません。自分の身近な誰かの運命を見ることが出来ます。その運命を一つ一緒に見させていただければ。」
・人の運命を見て何が嬉しいのか?
「この世で、人の運命を覗き見ることほど面白いことはないでしょう」
・誰の運命が見えるのか?
PC4がいる場合:「PC4の運命が見えます。なので、鏡を見ていただく方はPC4以外の方でなくてはなりません」
PC4がいない場合:「PC1の運命が見えます。なので、鏡を見ていただく方はPC1以外の方でなくてはなりません」
……というような感じで、仲間の運命を除き見る代償を払うことで真実の鏡&カラスコを追う道が切り拓かれるということを示してください。で、誰が運命を覗き見るか、PLたちに決めてもらってください。
<運命を覗き見る>
・PC4の運命を見る場合
「次の鏡の守護者である鏡の騎士の出す謎に正解した場合、その瞬間PC4は死亡する」ということがわかります。
・PC1の運命を見る場合
「PC1が真実の鏡を見て自らの肉体を取り戻したとき、代わりにほかの全てを失うことになる」ということがわかります。
<例外処理>
・PCたちがサフィアを殺しに走ったりした場合など(笑)
サフィアは鏡面転移で逃げようとします。事前に準備しているため、1アクションで逃亡することが可能です。 ここの「(偽)真実の鏡」の「運命を覗き見る」力はPCたちが普通に覗き込むことで見ることが可能です。(みんなで一斉に覗き見ると、該当PCを除くみんなに運命が見えてしまうことになります)
「鏡面転移」で「(真)真実のの鏡」に近付くのは、PCが鏡面に手を触れることで可能で、サフィアの手を借りなくても先に進むことが可能です。
実のところ、サフィアはPCたちの「運命を覗き見たい」という興味本位でPCたちをカモっているだけです。
<終了処理>
何はともあれPCたちが鏡の力で転移したらシーン終了。
幕間:夢歩き
夢歩きをしてください。
幕間の夢歩きは毎回毎回同じ夢を繰り返すのがポイントです。
同じ夢が繰り返されることによって、夢を見る当人自身の変化が浮き彫りとなります。
PC1の夢歩き
銀髪の女が現れて言う。「真実など、知っても何もいいことはありませんよ」
PC2の夢歩き
黒い巨大な影が現れて言う。「真実など、知っても何もいいことはないぞ」
PC3の夢歩き
鏡の騎士が現れる。
「お前がその魔法の力で見ていた『真実』とは“かりそめの真実”に過ぎない。
お前に『本当の真実』を見る力を与えよう。
『本当の真実』とは、言った言葉が事実であるかどうかに加えて、言った本人が『本物』であるかどうかが問われる。
言った本人が『本物』でない場合、どんなに事実を述べてもそれは『嘘』となる。
カラスコが現れ、PC3を哀れむように見つめている。
「嘘つきめ。おまえは自身の息を見たことがあるか?」
※「真実を見る力」のルール変更
ここからPC3にとっての「真実」の意味が改変されます。GMは以下のように処理してください。
・PC1が事実を言った場合→白い息を吐いているように見える
・(夢歩きなどで)カラスコが事実を言った場合→白い息を吐いているように見える
・上記以外→すべて黒い息を吐いているように見える
PC4の夢歩き
鏡のように磨かれた全身鎧を着て馬に乗った騎士が現れて言う。
「2つ選択肢がある。
第1は、PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりお前は死ぬ。
第2は、PC1は肉体を取り戻すことが出来ない。その代わりお前は生き延びる。
選べ。」
第3章:鏡の騎士
3−1.霧:見果てぬ夢
気が付くとPCたちは霧に覆われた荒野に投げ出されます。
× × ×
耳を澄ますと、霧の向こうから何か歌が聞こえてきます。
× × ×
PCたちが歌声の方へと進んでいくといつものあの歌が聞こえます。
→「見果てぬ夢」
3−2.第三の守護者:鏡の騎士
PCたちの行く手に、磨き抜かれて輝く銀の鎧をまとい、馬に乗った騎士が立ちはだかる。
「わが名は鏡の騎士。
この先に行かんとする者は選べ。
戦いか。謎か。」
<鏡の騎士との対話>
・次の真実の鏡は本物なのか?
「本物だ」
・最後の4つ目の真実の鏡の意味は?
「行ってみればわかるであろう」
「いずれにせよ、我を倒さねば先に進むことはかなわぬ
PC1が自らの肉体を取り戻すこともない」
・真実とは何か?
「行ってみればわかるであろう」
「いずれにせよ、我を倒さねば先に進むことはかなわぬ
PC1が自らの肉体を取り戻すこともない」
<戦うことにした場合>
「人間ふぜいがこのルドラウと一騎打ちとは、実に天晴れな心がけだ」
鏡の騎士は止めを刺す気はないので、峰打ちを狙ってください。具体的に言うと「×」印のあるダメージカードはすべて「精神力−1」のダメージとなります。ルドラウの戦闘力は下記参照。
判定値:23
効果値:23
→「鏡の騎士」
<「謎」を選んだ場合>
・PC4がいる場合
謎:
「答えるチャンスは1度だけだ」
「2つ選択肢がある。
第1は、PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりPC4は死ぬ。
第2は、PC1は肉体を取り戻すことが出来ない。その代わりPC4は生き延びる。
選べ」
正解:
「PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりPC4は死ぬ」
正解を答えた瞬間、PC4の胸に激痛が走る。
左胸にいつの間にか金の矢が突き刺さっており、見る見るうちに胸から血があふれ出る。
PC4はまもなく死亡する。
鏡の騎士「おまえ自身がそう望んだであろう?」
・PC4がいない場合
謎:
「答えるチャンスは1度だけだ」
「2つ選択肢がある。
第1は、PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりほかの全てのものを失う。
第2は、PC1は肉体を取り戻すことが出来ない。その代わりほかのものを失うことがないが、まもなく死ぬ。
選べ」
正解:
「PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりほかの全てのものを失う」
間違った場合、敗北である。
<終了処理>
・PCたちが「鏡の騎士」に勝利した場合
→「3−5.真実の鏡」へ
・PCたちが「鏡の騎士」に敗北した場合
「3日間の猶予を与える。
あくまで先に進もうとするか、あきらめて引き返すか、選べ。
次の敗北は確実な死を意味すると覚悟せよ。」
→「3−3.霧:見果てぬ夢」へ
3−3.霧:見果てぬ夢
気が付くとPCたちは霧に覆われた荒野に投げ出されます。
× × ×
先に進むべきか、あきらめて引き返すか話し合うといいでしょう。
夢歩きなどするといいでしょう。
× × ×
耳を澄ますと、霧の向こうから何か歌が聞こえてきます。
× × ×
PCたちが歌声の方へと進んでいくといつものあの歌が聞こえます。
→「見果てぬ夢」
3−4.第三の守護者:鏡の騎士
PCたちの行く手に、磨き抜かれて輝く銀の鎧をまとい、馬に乗った騎士が立ちはだかる。
「この先に行かんとする者は選べ。
戦いか。謎か。」
<鏡の騎士との対話>
・次の真実の鏡は本物なのか?
「本物だ」
・最後の4つ目の真実の鏡の意味は?
「行ってみればわかるであろう」
「いずれにせよ、我を倒さねば先に進むことはかなわぬ
PC1が自らの肉体を取り戻すこともない」
・真実とは何か?
「行ってみればわかるであろう」
「いずれにせよ、我を倒さねば先に進むことはかなわぬ
PC1が自らの肉体を取り戻すこともない」
<戦うことにした場合>
「人間ふぜいがこのルドラウと一騎打ちとは、実に天晴れな心がけだ」
全力で正々堂々戦ってください。
→「鏡の騎士」
<「謎」を選んだ場合>
・PC4がいる場合
謎:
「答えるチャンスは1度だけだ」
「2つ選択肢がある。
第1は、PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりPC4は死ぬ。
第2は、PC1は肉体を取り戻すことが出来ない。その代わりPC4は生き延びる。
選べ」
正解:
「PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりPC4は死ぬ」
正解を答えた瞬間、PC4の胸に激痛が走る。
左胸にいつの間にか金の矢が突き刺さっており、見る見るうちに胸から血があふれ出る。
PC4はまもなく死亡する。
鏡の騎士「おまえ自身がそう望んだであろう?」
・PC4がいない場合
謎:
「答えるチャンスは1度だけだ」
「2つ選択肢がある。
第1は、PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりほかの全てのものを失う。
第2は、PC1は肉体を取り戻すことが出来ない。その代わりほかのものを失うことがないが、まもなく死ぬ。
選べ」
正解:
「PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりほかの全てのものを失う」
間違った場合、敗北である。
<終了処理>
・PCたちが「鏡の騎士」に勝利した場合
→「3−5.真実の鏡」へ
・PCたちが「鏡の騎士」に敗北した場合
鏡の騎士に止めを刺される。
→END エピローグを行うこと
3−5.真実の鏡
PCたちが進んでいくと巨大な鏡を発見する。その側に銀髪の女(古鏡の魔導師サフィア)が立っている。
サフィア「こんにちは。とうとうここまでやってきてしまいましたね」
サフィア「真実など見出しても、何もいいことはありませんよ」
<サフィアとの会話>
・これが本物の真実の鏡なのか?
「本物ですよ」
・カラスコ/騎士はやってこなかったか?
「真実の鏡を見ればわかるでしょう」
・真実の鏡を見るとどうなるのか?
「真実の鏡を見ればわかるでしょう」
<真実の鏡を覗き見る>
鏡の中を見ると、本来の騎士の姿をしたPC1が映し出されます。
他には何も映っていません。
自分の手などを見ると、自分が元の姿に戻っているのに気付きます。
周りを見回すと、PC2、PC3、PC4、サフィアの誰もがいなくなっています。
中空からサフィアの声が聞こえてきます。
「真実が何かわかりましたか?」
「いままで仲間と旅してきた過程はすべて夢だったのです。
あなたは眠りの呪いをかけられずっと夢を見ていた。
そして、一緒に旅をしてきたPC2〜PC4こそがこの世界を現実と勘違いさせるための呪いそのものだったのです。
あなたの肉体は長い眠りによって衰弱し、このままではまもなく死を迎えることになるでしょう。
友人であるカラスコが、呪いをかけられたあなたを導き、やっとここまで来ることが出来たのです」
<終了処理>
PC1が「真実」を知ったらシーン終了。
幕間:夢歩き
夢歩きをしてください。
幕間の夢歩きは毎回毎回同じ夢を繰り返すのがポイントです。
同じ夢が繰り返されることによって、夢を見る当人自身の変化が浮き彫りとなります。
PC1の夢歩き
銀髪の女が現れて言う。「真実など、知っても何もいいことはありませんよ」
PC2の夢歩き
黒い巨大な影が現れて言う。「真実など、知っても何もいいことはないぞ」
PC3の夢歩き
カラスコが現れ、PC3を哀れむように見つめている。
PC4の夢歩き
鏡のように磨かれた全身鎧を着て馬に乗った騎士が現れて言う。
「2つ選択肢がある。
第1は、PC1が自らの肉体を取り戻す。その代わりお前は死ぬ。
第2は、PC1は肉体を取り戻すことが出来ない。その代わりお前は生き延びる。
選べ。」
最終章:最後の試練
4−1.決断
このシーンではPC2、PC3、PC4は登場不可です。
サフィアの声が続けて聞こえてきます。
「さて、どうしますか?」
<選択肢>
この状況からの選択肢は以下の3つがあります。
1)何もせずボーっとする
しばらく経過するとPC1の現実の肉体が滅び、PC1は消滅します。エピローグを行ってください。
2)夢の中の世界で生きることにする
サフィアが「最後の試練を成し遂げることが出来ればその望みはかなうでしょう」と言います。
3)現実に帰ることにする
サフィアが「最後の試練を成し遂げることが出来ればその望みはかなうでしょう」と言います。
一応、現実に帰ることを選んだ場合、夢の中のかりそめの存在に過ぎないPC2、PC3、PC4は消滅する旨を告げてください。PLが迷ったらこう問いかけてください。
「あなたにとって真実とは何ですか?」
PLが決断したら確認してください。
「一度始めたら二度と引き返すことは出来ません。
よろしいですか?」
そして、PC1の目の前に『扉』が現れます。
<終了処理>
PC1が扉を開けて中に入ったらシーン終了。
サフィアのことを信じずに他の道を模索しようという場合は、他の道はないので、そこでセッション終了にしてエピローグを行ってください。
4−2.第一の試練
<準備>
一番手のラスボスとして登場する人を決める必要があります(PC2orPC3orPC4)。選出方法は何でも良いです。PLの意志を尊重しましょう。
・立候補を募る
・PLに話し合って決めてもらう
・ランダム/じゃんけん
・GMが指名
<PC2、PC3、PC4が知っている情報>
サフィアが解説したような話はすべて知っていて良いです。洗いざらいぶっちゃけましょう。細かい補足設定が欲しくなった場合はみんなで話し合って決めませう。
・PC1の現実の肉体はまもなく死亡しようとしていること
・PC1が目覚めると、PC2、PC3、PC4は消滅すること
<対決条件>
このシーンのボスとなったPCは、下記の設定/条件を好きに決められます。
ボスPCの権限は絶対で、GMの権限よりも優先します。
・舞台設定
PLが困ったら普通に広い部屋の中で対決で良いでしょう。
もうちょっと凝るのであれば、PCたちにとっての思い出の場所で対決とかいう手もあります。
ボスPCの意向を尊重しましょう。
・対決方法と勝利条件
何でも良いです。いわゆる「王様ゲーム」と同じ趣旨と考えるがよろし。
例)
・普通に戦う
・殺し合うのか
・相手の力を試すための戦いなのか
・自分が敗れるための戦いなのか
etc...
・説得してもらう
・PC1の意志の強さを表明してもらって納得したらOK
・PC1に聞きたいことを聞いて納得したらOK
・PC1に自分のことが好きだ、と言わせる。言ったらOK
・PC1にとって自分が意味のある存在だと表明してもらう
・このままここで冒険の旅を続けるのはお前の本望ではないのか?とか聞いてみる
etc...
・謎を出す
まあ、何でも。
・特に対決する理由もないし良い手段も思いつかない
・エールを送って終わる
etc...
・その他
・じゃんけんとか
・博打とか
<FAQ>
・どうしてPC2、3、4は呪い自身であるにもかかわらず、ここまでPC1を助けてきたのか?
PLに自分で納得行くように設定を考えてもらってください。GMがわざわざ考える義務はありません。
・ありそうな動機付け→PC1のことが好きだから
・なぜPC1は呪いで眠り続ける羽目になったのか
みんなで考えてもらいましょう(笑)。
・PC2、3、4は現実世界ではPC1にとっていったいなんだったのか?
みんなで考えてもらいましょう(笑)。
・ありそうな設定→PC2、3、4はPC1の死んだ知り合いだったのだ、とか
<終了処理>
PC1がこのシーンのボスPCを倒し、先へと進んだら終了(扉を開いて次の部屋へ)。
→「4−3.第二の試練」へ
敗れた場合はエピローグへ。
4−3.第二の試練
「4−2.第一の試練」と全く同じです。PC1に敗れていないPCが次のラスボスとなります。
・勝利した場合
→「4−4.第三の試練」へ
・敗れた場合
→エピローグへ
4−4.第三の試練
「4−2.第一の試練」と全く同じです。PC1に敗れていないPCが最後のラスボスとなります。
・勝利した場合
→「4−5.真実の鏡」へ
・敗れた場合
→エピローグへ
4−5.真実の鏡
最後の扉を開くと、そこに真実の鏡があります。
鏡に触れると、そこから光が放たれ、目覚めます。
エピローグへ
エピローグ
ルール通りエピローグを行ってください。
PLに好きに語ってもらいましょう。
不可能を夢み 無敵の敵に挑む
語り残さん これらすべてが夢で終わらぬために
「浪漫の騎士」-fin-