Diary -ニコラス=パーカーの日記-
7月30日(土)
私は自らの心の安息を得るため、日記を書くことにした。
私は昨日の、あの恐るべき出来事を永久に忘れないだろう。
そしてあの恐るべき言葉のことも忘れないであろう。
8月23日(月)
"石碑の人々"と題された詩集の草稿を偶然手に入れることができた。
ある儀式の光景を描いたものらしい。
運命よ、ついに我が前に現れたのか?
10月3日(日)
人とは必ず何かしらの秘密を持っているものだ。
この日記は私にとっての秘密を打ち明ける場なのかも知れない。
ナモットと名乗る留学生に話しかけられた。
どういう訳か、私の手にいれたあの草稿のことを知っているようだ。
11月17日(水)
彼女の勧めに従い旅をした。
あの本以外の様々な知識の助けもあり、
『光る石板』を幸運にも発見することができた。
大いなる秘密への戸口はわが前に開かれるであろう。
2月28日(月)
帰郷。
旅は成功であった。
多くの収穫とともに無事帰ってくることができた。
3月7日(月)
ふとひらめく。
「その名を刻む」ことができるかも知れない。
たいへん奇妙な方法だ。
3月8日(火)
"門の傍らの存在の名が
生け贄の血によって刻まれるとき、
汝の前に、戸口は開かれるであろう。
そして輝く罠の奥底に
宝石を見いだすであろう。"・・・・・・・・・・・・ 素晴らしい!
彼らは儀式のために魔法の名を与えられたという。
もしかするとうまく行くかも知れない。
想像をするのは人の自由というものだ。
4月4日(月)
計画は完成した。
もしかしたら私は頭がおかしくなっているのかも知れない。
驚くほどの狂気に満ちた計画だ。
しかし面白い。
4月6日(水)
おそるべきことに気がついた。
この計画は封印しなくてはならない。
あの本とともに焼き捨てることにしよう。
4月20日(水)
手紙が来た。
差出人の名はない。
誰だ?
これまでの軽率な行動のせいで
奴らに私のことが知られてしまったのかも知れない。
すぐに行動を起こさなくては。
4月25日(月)
手紙を送った。
もうすぐ彼らがやってくるはずだ。
しかしこれも軽率な行動だったかも知れない。
いや、彼らがやってくれば何とかなるだろう。