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Gate-銀色の門を越えて-


手がかりと準備

メドウ・ヒル・・・・・・対決

幕間

銀色の門を越えて

祭壇の間

“門”を閉じる

後始末


手がかりと準備


◆儀式の行われるのはいつか?

 「日食の起こる時」

 

◆場所は?

 "光る石板"の行方を追うことで、それが町の北に運ばれたことまでわかります。
  ノースラップ博士の自宅を調べれば、北の"谷"に石板を運んだらしいことがわかります。
  北に何があるのかを調べれば、 魔女たちが集まって儀式をするという噂のあるメドウ・ヒルを発見できるというわけです。

 

◆アンリ=ナモットの家

 彼女の親戚の家です。ナモットは、家にはこれといった手がかりは何一つ残していません。
 失踪に関しては「旅行」とだけ言ってあります。
 彼女の親戚はナモットの秘密とかについてなにも知りません。

 

◆P.Nの自宅(ハーディングハウス)
 下宿の主人は何も知りません。
 P.Nは「旅行」に行ったということしか知りません。
 説得などして部屋を調べさせてもらうことができます?

□「石碑の人々」草稿。
□メモ「あれはH.Nに頼んで谷に運んだ。」。

 

◆P.Nの研究室

 調べるには許可がいるでしょう。

 □メモ(呪文の読み方)。ごみ箱の中。
   「ヴウサシャ ゼー オヴワベエル イデ イイイン フアア ズーク ウヴフワアク ロキ アコノトラ イイトクメ ホーマ サアアト ヘエエエ ロア ロオ ニアウウス」
   「スウアイン オオル アオル エエエフ タアアス アモー エムクティイ アルトノフカ イコル カアウフヴウ フクウズ アアウフ ニイイ エディ レエバウヴォ エエズ アフサソーヴ」
 □「夢幻の門の創造」の呪文。

 

◆助力

 警察もマスコミもあてになりません。たとえちゃんと事情を説明したとしても一笑に伏されてしまいます。
 彼らは「北の"谷"」と言っただけで「またか」という顔をし、馬鹿にして、てんで相手にしてくれません。
 そんなわけで探索者たちは基本的に自分たちだけで事に当たらなくてはならなくなります。
 この時点では相手がたった一人だなどとは夢にも思っていないでしょうから、それなりの準備をしなければならないと思うでしょう。
 一般に手に入らないような強力な武器(ダイナマイトとか手榴弾とか)は、一応「四葉のクローバー貨物運送会社」にそれなりのお金を払えば手に入れる事ができます。


メドウ・ヒル・・・・・・対決


 近くに今では打ち捨てられたチャップマン農場の家の焼け跡がありますが、その近くにピーター=ノースラップ博士らは潜伏しています。
 儀式の当日には邪魔なアンリ=ナモットをその場に縛り付けて儀式の場に向かいます。
 探索者たちがそこを調べれば彼女を救出することができます。
 その場合には彼女は探索者たちと協力して儀式の場に行こうとするでしょう。
 彼女は、自分がとある組織のエージェントで、ノースラップ博士が行おうとしている恐ろしい計画を阻止しようとしていることを打ち明け助力を求めます。
 彼女は嘘をつかずに巧妙に事実を粉飾し、探索者たちを利用して"宝石"を手に入れようとします。
 よって「心理学」などの技能を使っても無駄です。
 隠していることを追求しようとしても「それは事情がありましてあなた方には言えません」と言ってごまかします。
 キーパーはうまく探索者たちをたぶらかしてください。

 さて、メドウ・ヒルの向こうの薄暗い峡谷の底には魔女団がたびたび儀式を行っている場所があり、白い、巨大な石碑が立っています。
この石碑には魔法がかけられているため容易に破壊する事はできません。
 ところで今度の事件の儀式が行われるのはここではなく、ここからさらに秘密の入り口を通ったところにある地下の洞窟の広間です。
そこに「光る石板」は運び込まれ、最後の儀式が行われます。
 儀式の当日、ノースラップ博士は儀式の場に向かいます。
たとえ探索者たちが待ちかまえていたとしても「記憶を曇らせる」呪文のせいで阻止はまずできないでしょう。
また彼はもうすでにほとんど人間ではなくなってしまっていて、超人的な力を持っています。
 日食の時間になり、谷間に行くといつの間にか地下の洞窟へと続く道が開いています。
その洞窟の奥深くに入っていくと呪文の詠唱が聞こえてきて、さらに進んで行くと広い場所に出ます。
そこに着く頃には呪文の詠唱はやんでいます。
 広場の奥に、ぼうっと光を放ち、空中に浮いたまま立っている"光る石板"があります。
そしてその前に黒いローブを着た人物が立っています。
彼は探索者たちに気付いて振り向き、その顔に(よくは見えませんが)邪悪な笑みを浮かべます。

「よくぞここまでやって来たな。
 ・・・・・・そのとおり、わたしの名前はピーター=ノースラップだ。
 いや、今となっては"そうであった"と言うべきだろう。
 ・・・・・・わたしが何をしようとしているかだと?
 それは・・・・・・これだ! ("光る石板"の中に飛び込んで姿を消してしまう。)」

 後で見ると彼の立っていたところに肌色のものが残っています。
 それは、"脱皮した"「ノースラップ=ニャルラトテップの落とし子」の皮です。
 "光る石板"はぼうっと不吉な光を放ちながらその場に制止しており、その表面には赤い文字で12人の生け贄たちの名が英語で浮かび上がっています。
 「夢幻の門の創造」の呪文を調べた人はわかりますが、"門"を閉じるための"印"はどこにも記されていません。
 ノースラップ博士はそんな事にはまったく無頓着で、取り立てて"門"を閉じようとさえ考えていません。
 ほかに助力をしてくれる人はいません。
 探索者たちの手で"門"を閉じなくてはならないのです。


幕間


 門を閉じるためには「こちらから向こうに行く門」「向こうからこちらに戻る門」の両方に"印"を記さなくてはなりません。
 おまけにこの二つの"門"が重なり合っているとは限りません。つまり"向こう"に行ったらこちらに戻ってくるための門を探さなくてはならないのです。
 ただし、こちら側に関しては"光る石板"が二つ以上存在しない限り、同じ場所に戻ってくる事ができるはずです。
 また「夢幻の門の創造」の呪文を知っている者が必ず行かなくてはなりません。
 閉じるための呪文を唱える者が、自分自身の血で"印"を描かなくてはならないからです。
 ということでここでパーティーの中で話し合い、"門"を越えて"印"を付け、それを閉じるための儀式を行う者、こちらで待つ者の二手に分かれる事になるでしょう。(このときアンリ=ナモットが一緒にいれば、彼女は必ず"向こう"に行くと言います。)
 話し合っているときに「聞き耳」の技能でロールしてもらいます。
 成功した者は、"門"の中からかすかに、次のような音を聞きます。

「ゴトン!ズーン・・・・・・。ガタン。

 さて、話し合いで中に入る者が決まり、"門"を抜けようとすると、その表面に赤い文字が浮かび上がります。

"敬虔なる者は『道』を見いだすであろう。"


銀色の門を越えて


 暗い、途方もなく巨大な洞窟の中に出ます。
 こちらへやってくるために使った"門"は、光を放ち、やがて消え失せます。
 探索者たちはもとの世界に戻るための道を探さなくてはなりません。
 洞窟はその幅が20メートルほどもある巨大なものです。
 いわゆる"鍾乳洞"のタイプではなく、何者かによって掘られたものらしいことがわかります。
 道は一方向にしか続いていません。
 そして地面は土で、足跡が一筋、奥へ向かって続いています。

※ここは、実はドリームランドです。この"門"は、物を持ったまま現実世界とドリームランドを行き来できるという画期的な"門"でもあるのです。
 そしてドリームランドに物を持ち込んだ場合、それらの物は中世風の道具に変化します。
 例えば銃器のたぐいは弓に変わっているでしょう。
 懐中電灯などはランタンに変化し、服装もそういった古い感じの物に変わってしまいます。
 「クトゥルフ神話」のロールに成功すれば、それらの事が分かります。
 またドリームランドでは精神的に大きなショックを受けるとそれが現実にも作用する(体に突然奇形が生じるとか・・・・・・)という事がありますが、それを今回の場合にも適用するかどうかはキーパーの方で判断してください。

 ・・・・・・足跡を追っていくと、広大な広間に出ます。
 そこから出る道は幾つもあり、その中のいくつかはドリームランドの外の世界へと続いています。
 しかしその道はとても長いものでしょうし、途中探索者が始めてみるようなおそるべき生き物に何度も出会うことでしょう。

※実際の話、寄り道している時間はあまりありませんし、クトゥルフのキャラクターでは精神的にも肉体的にもそんな冒険には耐えられません。
 寄り道をしたがる場合にはそれとなくそういったことをほのめかした方がいいかもしれません。
 もっとも、自分から進んでそういった方向に進み、ドリームランドの住人として生きる(死ぬ?)ことを望むのならば、もう止める必要はないかもしれません。
 彼は現実の世界に永久に戻ってくることはないでしょうが、何かのひょうしで探索者が夢の世界に紛れ込んでしまったときに偶然彼の消息とかを聞くことがあるかもしれません。

 ・・・・・・さて、足跡はまっすぐ広場を横切り、さらに奥へと向かっています。
 足跡を追っていくとまた少し開けた場所に出ます。
 道はさらに奥へと続いていますが、足跡はこのあたりで途切れています。
 そしてその広場の中には四角い台があり、その上に巨大なぼんやりと光を放つ宝石が乗っています。

※これは"レンのクモ"の罠です。宝石を取ろうとすると宝石につけられた紐が引っ張られて落とし穴の口が開きます。
 そしてさらに犠牲者が穴に落ちた後に上から石が落ちてくるという仕掛けです。
 ピーター=ノースラップはこの罠にかかってしまい、下の穴の中に閉じこめられています。
 現在ニャルラトテップの落とし子として目覚めつつある彼はやがて自力でそこから這い出てくるでしょうが。
 レンのクモは探索者たちの足音を聞きつけて再度罠を仕掛けました。
 石の落ちてくる仕掛けはもとに戻せませんでしたが、宝石を取ろうとすると落とし穴が開くという仕掛けはまだ働きます。
 そして洞窟のずっと上の暗闇の中に巣を張って、間抜けな探索者が罠にはまるのをじっと待っています。
 すでに獲物が一匹かかっているのでクモはあまり探索者たちには頓着しません。
 探索者たちが罠に気付いて落とし穴の中を調べようなどとしなければ、何もせずに傍観しているでしょう。

 ここで探索者たちが「聞き耳」のロールに成功すれば、足の下に空洞があるらしいこと、さらにそこから何かをこするような音が微かに響いてくることが分かります。
 ・・・・・・道は、さらに奥へと続いています。
 進んで行くと巨大な金属製の扉に行き当たります。
 表面に何か分からない文字がびっしりとかかれていますが、これは人間の言語によるものではありません。
 「クトゥルフ神話」などのロールに成功すれば何か神のようなものををたたえる言葉が延々と書かれているらしいことが分かります。

 さて、ここで「聞き耳」のロールをしてもらいます。
 まず最初のロールに成功するとこんな音が聞こえます。

「ゴトン!ガサガサ、ズルズル・・・・・・」

 さらにもう一度「聞き耳」のロールをし、それに成功するとこんな音が聞こえます。

「ガサガサ、ズルズル、バキッ、メリメリ、グシャッ、バキバキ・・・・・・」

そして最後にこんな音がこちらに近づいてきます。

「ズルズル、ズルズル・・・・・・」

 ・・・・・・さて、金属製の扉ですが、とても重いのでそこまできた人全員で協力してやっと開けることができます。
 ちなみに「ズルズル・・・・・・」という音は10分くらいしたら追いついてしまうことにしましょうか。
(怪物を目の前に登場させる必然性はありません。
 これはただ、前に進むことを促すのと、緊張感を高める意図でやります。
 探索者が自分で進んで見ようとすれば見ることはできますが、そのショックに耐えることはまずできないでしょう。)


祭壇の間


 半径50メートルくらいの、円形の途方もなく広大な部屋です。
 奥に巨大な石の段が築かれ、いちばん奥まったところに祭壇があります。
 祭壇の向こうの壁面には巨大な、ニャルラトテップの絵が掘られています。
 そしてその絵の下に銀色に鈍く光る金属製の板がはめ込まれており、そこから探索者たちはもとの世界に戻ることができます。
 祭壇の上には、黒い四角い箱が乗せられています。
 ふたは開かれていて、中に直径10pくらいの大きさの奇妙な多面体の形をした宝石が備え付けられ、光を放っています。

※これは、ルールブックに書かれている「輝くトラペゾヘドロン」です(?)。
 この"宝石"の近くに行った者はPOWの5倍以下をロールで出さなくてはなりません。
 さもないと「その箱を持ち、蓋を閉じたくなっ」てしまいます。
 いったんその箱を持ってしまったら、以後のラウンドごとにPOWの4倍、3倍、2倍・・・・・・をロールで出さなくてはなりません。
(POWの1倍でロールをしたら、以後は毎ラウンドPOWの1倍でロールする事になります。)
 さもないと"宝石"に精神を支配され、「箱の蓋を閉じ、あたりのすべての明かりを消す」という行動を実行しようとしてしまいます。
 そしてそれらがすべて成し遂げられてしまうと、闇の中にニャルラトテップが出現します。

 アンリ=ナモットが探索者たちと一緒に来ていれば、真っ先にそれを手に入れ、蓋を閉じ、「光を消す」魔法であたりを闇にしてニャルラトテップを呼び出そうとします。
 これを阻止できなかった場合にはニャルラトテップが従者を引き連れて出現します。
 彼女はその姿の時のニャルラトテップが光に弱いことを知っているので、自分に有利な取引をして力を得ようと思っています。
 最終的にはナモットは"宝石"を魔女団のために持ち帰ろうとします。
 ナモットがそれに失敗した場合には彼女の使い魔(?)の人面ネズミが"宝石"を持ち帰ろうとします。

 さて、門を閉じる者は、自分の血で"門"に"印"を記さなくてはなりません。
 ふつうに"門"に触れようとしても手は突き抜けてしまいますが、自分の血で"印"を描こうとするとちゃんと描けます。
 "印"を描いたら他にすることはありません。("宝石"を持ち帰る?)
 さっさと"門"を越えてもとの場所に戻りましょう。


"門"を閉じる


 現実の世界で待機していた方には大したことは起きません。
 「目星」のロールに成功すれば、洞窟の壁から無数の小さな光る目がこちらを凝視していることがわかります。
 人面ネズミの群れです。
 探索者たちがアンリ=ナモットに出会ってない場合には彼女もどこかに隠れて探索者たちを監視しているかもしれません。
 さて、異世界の冒険から帰ってきたらこちら側の"門"にも"印"をつけて、閉じるための呪文を唱えるわけですが、その時にふたつ、唱える人が理解していなくてはならないことがあります。

・"門"を閉じるために唱える呪文は何か?
 (答:書かれている呪文の"逆呪文"。)

・呪文は何回唱えればいいか?
 (答:7×5=35回。)

 それらを確認した後、延々と呪文を唱え始めます。

 ・・・・・・呪文の詠唱の終盤頃、突然洞窟で探索者たちを凝視していたネズミの群れが襲いかかってきます。
 探索者たちは呪文を唱えている仲間を守らなくてはなりません。

 呪文を唱えている者は「聞き耳」のロールをします。
 成功すれば、(ノースラップ博士が"向こう"に残っている場合)

「ズルズル・・・・・・」

 という音がこちらに近づいてくるのに気付きます。
 そして、最後の呪文を唱え終わろうという時、"門"の中から醜怪な触手が延びてきて呪文の詠唱者をつかもうとします。
 「回避」しなくてはなりません。
 つかまれてしまった場合には筋力の対抗ロールを行います。
 それにも負けてしまった場合には、彼は向こうの世界に引きずり込まれ、姿を消します。
 そしてそれと同時に呪文は唱え終わり、"光る石板"は光を失って地面に落ちます。

 何とかその触手を逃れた場合には空間のつながりが絶たれ、その醜怪な触手だけが切断されてこの世界に残ります。


後始末


 "門"が閉じられてしまうとネズミたちやアンリ=ナモット(生きていればですが)は、事の次第を魔女団に報告するために去って行きます。
(もちろん何匹かの"見張り"を残して行くでしょうが。)
 探索者たちは後始末をしなくてはなりません。

「"光る石板"はどうするか」
「"石碑の人々"の草稿及び呪文はどうするか」

 ダイナマイトなどを持っていれば"石板"ごと洞窟を埋めてしまってもいいかもしれません。
 魔女団がいずれ掘り返してしまうでしょうが。
 草稿の方は焼き捨ててもいいし、探索者が保管することにしてもいいです。
 しかし、呪文の秘密はアンリ=ナモットが知っています。
 彼女が生きていれば、結局魔女団は「輝くトラペゾヘドロン」を手に入れてしまうでしょう。
 結局いちばんいいのは"光る石板"を何とか破壊してしまうか、どこかに運び出して魔女団の目の届かないところに隠してしまうことでしょう。
 これによって探索者たちは"魔女団"に付け狙われる事になりますが、あの魔法によって訪れる脅威からはこの世界は救われる事になります。


END