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Angel Gear Scinario

MINNESINGER

 

0.はじめに
 これはTRPGシステム「エンゼル・ギア」用のシナリオです。PCは3〜4人くらいが適当。

 シナリオの記述の仕方についてはルールブックに載ってるようなシーン単位の詳細な?描写のある書き方で書いてもいいのですが、今回はあえて「僕がシナリオを考える時にはこれくらい考えてやっている」というのをそのまま落したような形式の書き方をしようと思います。なのでシーンの描写とかは「僕が気に入ったところ」しか書きませんし、通常シーンにはそのシーンがどのようにして終わるかまでご親切に書いてありますが、僕はいっさい書きません。その辺はGMをされる方が想像力で補ってください。僕的には「そこを実際にプレイしながら調整していくのが面白いのだ」と思っていますし、実際そうやってます。

 そんなところで。実際のプレイ内容についてはリプレイを参考にしていただくといいでしょう。


<目次>

1.予告編
2.ハンドアウト
3.シーン
4.データ


1.予告編
 予告編について以下に記述する。詳細は適宜変更すること。

−幼なじみであった少年たちが住んでいたN島では
かつて大惨事があり大勢の人間が死んだ。

−それから10年後、
N島にミンネザングの歌と共に現れる「死天使アズラエル」
彼らは天使から島を守ることが出来るのだろうか!?



2.ハンドアウト
 ハンドアウトについて以下に記述する。

PC1
 君はかつてN島にいた(もしくはそこで生まれて育った)。
 君は10年前そこで君の愛する者XXXを失った。今でも思い出されるあの光景…
 君はその想いを胸に天使と戦っている。

 シナリオダーザイン:かつて死んだXXXからの純愛


PC2

 君はかつてN島にいた(もしくはそこで生まれて育った)。
 (その他の設定はPCのダーザイン&キャラクター設定を見てGMが適当に決めること)


PC3

 君はかつてN島にいた(もしくはそこで生まれて育った)。
 (その他の設定はPCのダーザイン&キャラクター設定を見てGMが適当に決めること)


PC4

 君はかつてN島にいた(もしくはそこで生まれて育った)。
 (その他の設定はPCのダーザイン&キャラクター設定を見てGMが適当に決めること)



3.シーン
 このシナリオで使用する主要なシーンについて以下に記述する。マスターをする者は適宜シーンを追加/削除すること。細部については詳しく書いていないのでPLと話し合って細部を適切に決めて全体の話のつじつま合わせをすること。

3−0.シーン構成
 シーン構成は以下の通り。

3−3−2.現在編

3−4−3.PC?のいない現実

3−5−1.死亡したPCのエンディング

3−5−2.生還したPCのエンディング

 

3−1.オープニング
 オープニングに使用する主要なシーンについて記述する。

3−1−1.XXXの死(PC1+適当)
 10年前N島では大惨事があり、その思い出のシーンでPC1を愛していたXXXが死亡する。PC1はその場面を目に焼き付ける。
 PC1と親しくなりそうな他のPC、NPCも登場させること。

 <得られる情報>
 ・XXXがPC1の目の前で死亡したという事実と状況
 ・そのとき別のPCor/andNPCもいっしょに立ち会っていたという事実
 ・以下の歌を聞く

“聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、主よ。
 大いなる力と権力。
 天と地に満ち溢れるあなたの栄光。
 いと高きに栄光あれ!”

“そして私は見た。新しき天と、新しき地を。
 最初の天と、最初の地を経て、それは海から現れた。”

“聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、主よ。
 神の力と権力。
 大いなる力と権力。
 いと高きに栄光あれ!”

“そして私、ヨハネは見た。
 神を迎えんがために美しく着飾った聖なる町エルサレムに
 主が現れるのを”

“祝福されし、来たりたりし者、その名は主
 いと高きに栄光あれ!
 祝福されし、来たりたりし者、その名は主
 いと高きに栄光あれ!”


3−1−2.死天使アズラエル出現
 指揮官から死天使アズラエルの出現とデータ分析が告知される。得られる情報は以下の通り。

 <得られる情報>
 ・死天使アズラエルが出現したこと
 ・N島が光のヴェールに包まれ侵入できなくなったこと
 ・光のヴェールに通常兵器がいっさい効かないということ
 ・光のヴェールに対天使兵器を用いた場合、それは効果を与えるが、強力な反撃(聖光)が発せられるということ

 <与えられるミッションの目的>
 ・N島に行き死天使アズラエルを倒し天使の脅威を取り除くこと

 

3−2.オープニング後エモーション(作戦会議)
 オープニング後のエモーションで、今回のミッションをいかに攻略するかをPLに話し合ってもらう。セッション全体のシーンの構成は変わらないが、話し合ってもらった内容によってそれぞれのシーンの詳細が変化する。以下に、実際に取り得るであろう作戦内容と、そのメリット/デメリット等を挙げる。

作戦1)空中戦案
・メリット:基本的にエンゼル・ギアのPCは空中戦/地上戦向きな装備になっていることが多いので、装備的に充実した状態で戦闘することが可能

・デメリット:空中戦でヴェールを破壊して突き進む場合、対天使効果のある武器で累計1000ダメージ出す必要があります。ヴェールの「絶対反射結界」の効果によって反撃が666ダメージ(期待値)分来ますので、これを何らかの形で吸収する必要があります。

作戦1−1)PCたちが特攻する場合
 空中戦案が途中で頓挫して特攻に切り替えるというケース。死天使アズラエルとの対決はなくなる可能性があります。中ボス(力天使?)との戦闘&過去編の回想をクライマックスのメインに持ってきましょう。

作戦1−2)NPCが特攻する場合
 PCにとって極めて重要なダーザインNPCが特攻することにすると盛り上がるでしょう。シーン「3−1−1.XXXの死」とオーバーラップさせると“繰り返される悲劇 ”のようになってさらに面白くなるかと。

作戦1−3)後方支援によって突入路を切り開く場合(リプレイ参照)
 「絶対反射結界」は、1撃で500ダメージ以上出せば一時的にその部分だけ結界が破壊され、突入路が開かれます。その代わり333だめーじ分の反撃が来るので、後方支援を行った基地/衛星/戦艦etc...は反撃で破壊される。

作戦1−4)呪法弾道ミサイルに乗って結界をすり抜ける案
 かつてヤシマの結界を打ち破った呪法弾道ミサイルのメカニズムがある程度解明されたことにして、ミサイルに乗って結界をすり抜けることが出来るようになったことにする。作戦としては非常に効率が良いと思われる。呪法弾道ミサイル入手を難しくするとバランスが取れるか?


作戦2)海中戦案
・メリット:相手が警戒している確率が減るかもしれないというのと、海水の乱反射の効果によって聖光の反撃が若干弱められるかもしれないことが期待できる。ルール的にはダメージ半減(333ダメージ)とする。

・デメリット:水中戦用装備がとにかく不足しており、入手も困難。機械化兵/完全機械化兵にはなかなか辛いところがある。結局333ダメージ(or167ダメージ)くらうわけで大差ないというか。

作戦2−1)PCたちが特攻する場合
 空中戦案とほぼ同じ。

作戦2−2)NPCが特攻する場合
 空中戦案とほぼ同じ。

作戦2−3)後方支援によって突入路を切り開く場合
 空中戦案とほぼ同じ。

作戦2−4)パイプラインを使用する場合
 実はN島には巨大なパイプラインが通じていたのだ、ということにしてそこから潜って侵入するという案。聖光の反撃は無しにして良い。途中で気付かれて力天使辺りの反撃を受ける。パイプライン破壊された場合の環境汚染とか、ライフラインの破壊による影響とか(ミッション完了後)、油まみれで燃えやすくなるとか、の影響は考慮すること。


作戦3)地中戦案
・メリット:聖光による反撃を全く無力化できる(かも知れない)。

・デメリット:地中戦用装備はほとんどない。機械化兵/完全機械化兵はかなり辛い。地殻破壊するとN島は火山島のため噴火の恐れあり。シュネルギアは単にケルンで掘り進むだけだろう。

 

3−3.ミドルフェイズ
 ミドルフェイズで使用する主要なシーンについて記述する。現在編と過去編(回想シーン)に区分けする。交互にプレイするのがバランスが良いかと。

3−3−1.過去編
 回想シーン。たっぷりあるので現在編では気にせず容赦なくPCを死亡させて良い(笑。PC個別にシーンが設定されているが、親しいPC同士の場面を適度にまとめても良い。

3−3−1−1.PC2の思い出(PC2)
 PC2のプレイヤーにどういうシーンにするか考えてもらうこと。全体の話とのつじつまが合わない場合は案を却下しても良い。


3−3−1−2.PC3の思い出(PC3)
 PC3のプレイヤーにどういうシーンにするか考えてもらうこと。全体の話とのつじつまが合わない場合は案を却下しても良い。


3−3−1−3.PC4の思い出(PC4)
 PC4のプレイヤーにどういうシーンにするか考えてもらうこと。全体の話とのつじつまが合わない場合は案を却下しても良い。


3−3−1−4.PC1とXXXの思い出(PC1)
 PC1とXXXの心のふれあいのような場面を演出するがよろしい。

3−3−2.現在編
 現在編で使用するシーンについて記述する。現在編は基本的にN島を攻略する過程を描いていくシーンで構成されている。

3−3−2−1.カウントダウン(「聖霊」の高いPC向け)
 正確に1秒に1ずつカウントダウンしていく無機質な声がするのに気が付く。死天使アズラエルの出現時刻以後から聞こえ始めたことがわかる。死天使アズラエルの出現時刻を調査し、正確にいくつからカウントダウンが始まっているかを調べれば、80623からカウントダウンしていることがわかる。この数字は10年前の惨事の死者数と一致する。

 適当にPC同士の雑談をしても良い


3−3−2−2.出撃シーン(全員)
 PCの出撃場面。作戦によって出撃方式が変わるので注意。適当にかっこいいせりふをしゃべってもらう。軽くPC同士の絡みをやっても良い。


3−3−2−3.絶対反射結界(全員)
 反射結界の脅威をどう回避するかを見せる場面。作戦行動に合った適当な描写を。特攻作戦の場合は容赦なく悲壮な描写をどしどしやるべし(w。

3−4.クライマックス
 クライマックスで使用するシーンについて以下に記述する。このシナリオではクライマックスは複数シーンにまたがっているので注意。

3−4−1.力天使との遭遇(全員)
 特攻作戦の場合はここが現在編最終シーンとなる(多分)。作戦ごとに微妙に変わる描写を以下に列挙する。

・特攻作戦の場合
 結界が消滅したあと力天使が現れる。
 「結界は消滅しました!…前方に天使核反応あり!」「り、力天使型のようです…」

・NPCが特攻したか、後方支援によって突入路が開けた場合
 進路上に力天使が表れ行く手を塞ぐ。
 「進入路上に天使核反応あり!」「り、力天使型のようです…」

・呪法弾道ミサイルに乗って行った場合
 乗っていた呪法弾道ミサイルが突如爆破されPCたちは空中に投げ出される(適当にダメージを食らう)。
 「天使核反応あり!ち、近い!」「り、力天使型のようです…」

・パイプラインor地中を通って行った場合
 パイプラインに突如風穴が開き天使が現れる(適当にダメージを食らう)。
 「天使核反応あり!急速接近!来ます!」(爆破&ダメージ)「損傷は?」「り、力天使型のようです…」


3−4−2.PC?の死(PC1+その他適当)
 基本的にシーン「3−1−1.XXXの死」を正確に繰り返すこと。結末だけが異なっている。
 10年前N島では大惨事があり、その思い出のシーンでPC1orPC1と親しいPC?が死亡する。XXXはPC1のために自らの命を代償にしてPC?を救うことを決意し、死天使に祈りをささげる。

決まり台詞:「生者と死者の帳尻は合わせなくてはならない」


3−4−3.PC?のいない現実(PC?を除く全員)
3−4−3−1.N島上空の死闘
<注意>
 シーン「3−4−2.PC?の死」で死亡したPCは登場不可。現実は、10年前にPC?が死亡したことになっており、あたかも最初からPC?が存在していなかったかのようにプレイしてもらうこと。

<状況>
  PCたちは結界を抜けてN島上空に到達する。N島上空には主天使と100体のホイシュレッケ(モブ)が飛んでいる。その向こうの山の山頂に巨大な死天使アズラエルが鎮座している。戦闘に突入する。

<配置>
 「ホ30」「ホ40」…ホイシュレッケ。30、40…というのはその数。それぞれ1エンゲージ。攻撃してくる。
 「主天」…主天使。1エンゲージ。攻撃してくる。
 「死天」…死天使アズラエル。1エンゲージ。
 「渦」…メェルシュトロームと呼ばれる渦で、死者の魂が収束されている。PCに親しい人で死んだ人がいればその姿を見ることが出来るかもしれない。「3−4−2.PC?の死」で死亡したPCの魂もここにいるしXXXの魂もここにある。

PCたち

ホ30 ホ40 ホ30
主天

死天


3−4−3−2.帰還
 PCたちがピンチに陥った辺りで(主天使との戦闘で苦しくなるかもしれないし、アズラエル戦でピンチになる場合もある)PC?の帰還のための演出をしてもらう。基本的にPC?ともっとも親しいPCか、NPCがPC?のことを思い出して呼びかけることでPC?は帰還することができる。

 ルール的にはパトスをいっぱい稼げる台詞を言うか、呼びかけるPCが指揮官だったりしたら「陳情」で福音を出せとか無茶な要求をしても良い(笑。


3−4−3−3.メェルシュトローム砲
 3ターンで渦が収束し、死天使が光の球(メェルシュトローム砲)をPCたちの基地、もしくはヤシマ本土に撃ち出す。10年前に8万人が死亡したため(多いな(笑))、これを4発まで発射することが可能。1発発射した後は再充填にまた3ターンかかる。ちなみにその達成数は20000で1撃で目標となった基地、町etc...は破壊される。PCがカバーリングを行った場合は「死亡」にダメージを入れれば防ぐことが可能だ。


3−4−3−4.火山噴火
 PCたちが地中作戦案を採用した場合、地殻の破壊によって火山が噴火する(かも知れない)。噴火の影響でPCとか死天使にダメージが行くかもしれない。何らかの対策を打たないと、火砕流もしくは溶岩でN島上の町が破壊される。


3−4−3−5.死天使撃破
 無事死天死を倒せた場合は、死天使は無数の羽根を撒き散らして消滅する。羽根は雪に変わり、南の島に何十年ぶりかの雪が降る。

 

3−5.エンディング
 エンディングのシーンについて記述する。内容は基本的に適当。PLにしゃべってもらえ。PCが生還したか死亡したかによって描写が異なるのでそこだけ留意すること。

3−5−1.死亡したPCのエンディング
 10年前の想い出話か、死後の世界で懐かしい誰かに再会したとかいう場面を描くのがいいだろう。


3−5−2.生還したPCのエンディング
 今回の事件をきっかけに何らかの願望がかなう、とか、ただ単に平和な日常が取り戻された、とかそんなような感じのエンディングを適当に演出すること。



4.データ
 死天使アズラエルのデータについて以下に記述する。他の天使のデータについてはルールブックを参照のこと。

4−1.死天使アズラエル
 死天使アズラエルのデータについてはN島を覆う「光のヴェール」と死天使アズラエル本体のデータを別々に区別する。

4−1−1.光のヴェール
 N島全域を覆う光のヴェールの能力は以下の通り。

光のヴェール

能力値:
肉体:0 感覚:0 理知:0
聖霊:0 階級:0 HP:7000
負傷ゲージ(軽・重・致・死)
なし

戦闘行動(攻撃方法):
絶対反射結界
判定値:(受けたダメージ) レベル:4 射程:400,000km(月まで届く)
ダメージ(種別):+0

特殊能力:《絶対反射結界》
《絶対反射結界》
 対天使効果のない攻撃は無効。ダメージを受けると自動的に反撃が発生する。また、一定ダメージを受けると結界が一時的に無効になる(※1)。
※1:累計1000ダメージ以上くらうと結界の一部に穴が開き、進入可能になる。一撃で500ダメージ以上くらうと結界の一部に穴が開き、進入可能になる。

4−1−2.本体データ
 死天使アズラエル本体の能力は以下の通り。

死天使アズラエル

能力値:(本体)
肉体:50 感覚:20 理知:20
聖霊:25 階級:0 HP:100
負傷ゲージ(軽・重・致・死)
50/25/13/1

能力値:(本体がまとっている光のヴェール)絶対反射結界
肉体:0 感覚:0 理知:0
聖霊:0 階級:0 HP:1000
負傷ゲージ(軽・重・致・死)
なし

戦闘行動(攻撃方法):
絶対反射結界
判定値:(受けたダメージ) レベル:4 射程:400,000km(月まで届く)
ダメージ(種別):+10

聖光(射撃攻撃)
判定値:15 レベル:5 射程:4km
ダメージ(種別):+15(致)

メェルシュトローム砲
判定値:(集積した死者の霊の数。最大20000) レベル:6 射程:6,000,000,000km(冥王星まで届く)
ダメージ(種別):+0(死)

特殊能力:
《絶対反射結界》
 対天使効果のない攻撃は無効。ダメージを受けると自動的に反撃が発生する。また、一定ダメージを受けると結界が一時的に無効になる(※1)。
※1:一撃で100ダメージ以上くらうと結界の一部に穴が開き、1ターンの間無効になる。この間は光のヴェールがまだ完全に破壊されていなくても本体にダメージを与えることが出来る。

《聖光放射》
 射程距離内のキャラクターを任意に選択し、そのすべてを対象として攻撃を加える。

《メェルシュトローム砲》
 出現した地域の死者の霊を吸収して強力なエネルギー砲を投射する。死者1人につき吸収に1秒かかる。いったんエネルギーを吸収した後発射するまで3ターンかかる。「攻撃の達成数=集めた死者の霊の数」で、一発につき最大達成数20000までの出力を出すことができる。この一撃で、島を一つ吹き飛ばす、町を一つ壊滅させる、ヤシマに張られた結界の一つを消滅させるといったことができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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